Cozy小路

B級グルメとB級生活を愉しむB級ビジネスパーソンの日常

いつかみたい 夕なずみの遺愛の桜 田ざわ 函館市

2008-10-17 22:32:29 | 地方グルメ 北の方角
前回訪問時、「何年かしたら店閉めるつもりだ」リタイヤする目処を63歳といったのか、65歳といったのか記憶定かでなかったが、
電話で予約を入れるとき、もしかしたらもう、と不安だった。いつもは奥様が電話口に出るのだが主人の声。名乗ると「久しぶりですね、勝手言って悪いけど6時半に来ていただけます?」
五稜郭の百貨店で10分ほど時間を潰して店まで歩いていく。入り口横にパート募集の小さな貼紙。もしかしたら奥さん体調が良くない、案じながら店に上がる。
先客は一人客と、二人連れが一組、そしてまだ見えていないがもう一組の用意。今日は私を入れて6人の客で締めるらしい。
私が主人と喋りだすと隣の一人客の若い男性は興味深げに聞いている。水を向けるとネットで調べて愛媛からきたという。「どういう風に書いてありました?」差し障りのない会話を少し。
鯖に柿のソースを掛けた前菜、そしてサワラの肝もつけた薄造り。あい変わらず見事。
油が暖まってきて先客にはサイマキの頭の天ぷらから供される。磨き上げられたアカの鍋とフードにサーッという軽い音とピンピンという響きが反響して心地よい。
私より5分くらい遅れてきた二人連れは会話の内容から放送局の関係者らしい。コノ字のカウンターの反対側に座っている非常に美しい20代前半と思われる女性と70歳に近いと思われる男性の会話は分からない。
ということで主人と私が専ら喋ることとなる。カウンターの反対側には最近主人の撮った写真が掛けてある、一枚はマクロで撮ったキノコ、もう一枚は秋田の花輪の夜祭りの写真。「また腕上がったですね」私にはとてもあの色は出せない。「今は何使ってるんですか?「ニコンのD700だよ。フルサイズだからフィルムになれた私には使いやすいですよ」
今回特に変わった食材はない。


ブロッコリーの天ぷら、わざと少し焦げ臭をつけて供される。甘くてとても美味い。
生ビール2杯の後は冷や酒2杯で止める予定が、見せられたた秋田の酒に惑わされて結局3杯行ってしまった。



いつも通り満足したコースの締めは天バラか蕎麦の選択、しかし前回同様私は両方。


主人の蕎麦は余技の域をとうに超えている。蕎麦を習得に何人かの弟子がきたらしい。でも肝心の天ぷらを継ぐ人は現れず、、、残念なことである。
他の客は帰り、主人は厨房から出てきて店の奥に疲れた様子で腰を下ろす。
「もうやめようと思うんだけど、遠くから訪ねてきてるお客さんがいるし、今の半分の広さで週何回かでやれるといいな」と漏らす。奥さんはやはり体調優れないようだし、無理は言えないけど。
話題をかえて、「遺愛の桜をこの店の窓から一度でいいから見下ろして観たいんだけど」
石坂洋次郎の小説の舞台になったと伝えられる「遺愛女学校」の庭には見事な桜がある。窓を開けると真っ暗な校庭の中に桜の樹影がかすかに見える。
「桜の季節になると本当に綺麗ですよ」「樹勢が衰えてきて、枝につく花の数減ってきたけど夕なずむ時間の桜をここから観ていると輝いて本当に美しいですよ」「来年来れるかどうか分からないけど、一度観たいですねえ、それまで頑張ってくださいよ」

又話題を変える、「それにしても前に座ってた女の子、美人だね〜、昔私が鹿児島勤務のときに元ミス慶応という女の子がスチュワーデスの乗務前地上研修で何ヶ月かいたんだけど、その子とそっくりだと思って見ほれていましたよ。隣のご老人はやはり鹿児島時代にお会いした先代の陳寿漢さんに似てたし。」「いやあ、よくわからないけどあの二人、籍は入れていないけどご夫婦みたいなんですよ」
『えっ〜どうみても40歳位年齢差がある。え〜っ」
遺愛の桜を愛でたいという風流な気分がぶっ飛んでしまった。

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キーワード
石坂洋次郎
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コメント

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愛媛の客です (たかはし)
2008-10-19 18:17:34
小路さん、先日の愛媛からの客です。
早速のブログ更新おつかれさまです。今頃は九州でしょうか?

田ざわさんは近いうちに店を閉めたい様で、残念です。近いうちに家族を連れて行けたらと考えています。
名店が消えてしまうのは本当に惜しいです。

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