医師が大きな病気に罹り、それが自分自身の専門外の病気であった場合には、その病気に詳しい知り合いの医師に先ずは相談することが多いです。
すなわち、患者さんにとっての「セカンドオピニオン」に該当することを、比較的早い段階で手軽に行っていることが多いわけです。
そして、治療方針で迷った場合には、知人の医師から、さらにその病気の専門家を紹介してもらい受診します。
これは、患者さんであれば「サードオピニオン」(第三の意見)に該当することですね。
そして、最終的に自分自身で判断し、治療方針を決める(=インフォームド・チョイス)ことが多いように思います。
インフォームド・チョイスとは、選択可能な方針が複数ある場合に、患者さんが説明を聞いて、自分自身で治療方針を選択することで、インフォームド・デシジョンとも呼ばれます。
きちんとした医療情報の提供を受けて、医師から、「私の母親であったら、○○の治療を選択します」というような説明・指導を受ければ、患者さんも治療方針で悩むことは少ないかも知れませんね。
丁寧な説明がなされ、自分なりに納得できれば何よりです。しかし、説明を聞いてその場では納得したつもりでも後から疑問が出てくる場合もあります。
先ずは解消すべき問題点が何であるのかを感じ取る能力・工夫が必要になってきます。私のお勧めは、診察室で「メモを取る」ことです。
みのりCafeの鈴木信行さんは、「のぶさんの患者道場」において、
『聞きたいことは事前にメモしておこう』と述べておられますね。
質問に対する回答を診察室でメモしておき、その回答内容に関して後で疑問点が出てきたら、自宅に戻ってから調べてみましょう。
◇ ◇
さて、どこで最新の医療情報を入手するのか?
ネット上には玉石混交の医療情報が溢れています。情報が氾濫しており信頼できるサイトかどうかを判断することは素人では困難であるのが現状です。
莫大な医療情報収集から入ってしまうと、
「医療情報の海に溺れる」ことにもなりかねません。
そんな時に私のお勧めは、先ずは
「メルクマニュアル」の活用です。メルクマニュアルは、世界の医師のバイブルとして治療に役立てられている本です。
しかも幸いにして、無料でネットにて閲覧することができます。ただ利用に際しては、
「注意事項」はご一読下さいね。
メルクマニュアル家庭版は、医師向けの「メルクマニュアル」をベースに、分かりやすく書き下ろした家庭向けの医学書です。
メルクマニュアル医学百科家庭版のトップページにおいて、「検索」のところへ調べたい疾患名などを入力すると、種々の情報を入手することができます。そこで基礎知識を整理されるのがよいと思います。
ある程度医学知識を高めてから医師に疑問点を尋ねれば、多くの医師はきちんと回答してくれると思います。
(つづく)
笠間 睦 (かさま・あつし)プロフィール

1958年、三重県生まれ。藤田保健衛生大学医学部卒。振り出しは、脳神経外科医師。地元に戻って総合内科医を目指すも、脳ドックと関わっているうちに、認知症診療にどっぷりとはまり込んだ。名泉の誉れ高い榊原温泉の一角にある榊原白鳳病院(三重県津市)に勤務、診療情報部長を務める。認知症検診、病院初の外来カルテ開示、医療費の明細書解説パンフレット作成−−こうした「全国初の業績」を3つ持つという。
趣味はテニス。お酒も大好き。お笑い芸人の「突っ込み役」に挑戦したいといい、医療をテーマにしたお笑いで医療情報の公開を進められれば・・・と夢を膨らませる。もちろん、日々の診療でも、分かりやすく医療情報を提供していくことに取り組んでいる。