仙人塾

無限大の情報を、自分自身のより確かな知識とするため、あらゆる出典を紐解き、多角的角度から見つめて、一日一件、一日一賢。

■ぶらり日帰り社会見学 「地図と宇宙の世界」(1/2)

2010-07-10 07:01:01 | 01.一日一賢




 忙しくてもお金がなくても楽しめるのがご近所社会見学。知ってはいても見たことがないあの場所を訪れてみよう。今回は、茨城県のつくばサイエンスシティで国土地理院「地図と測量の科学館」と宙航空研究開発機構(JAXA)の「筑波宇宙センター」をぶらり見学。



「地図と測量の科学館」で地理を学ぶ




ロビー一面に広がる日本地図。



 ロビーの床一面に広がる'3D'日本地図。赤と青のめがねをかけ九州から視線を北上させると、山脈が背骨のように走る島国が出現する。山だらけで人が住めるところがごく少なそうな国土で、目立って平らで広いのが関東平野。


 「地図と測量の科学館」では、科学技術週間中に開催されたガイドツアーに参加した。ビデオ解説で概要をつかんだところで、いったん外へ。かっぱのお皿のようななだらかなカーブを描く丘に上り、足下を見ると再び大きな日本地図。




引退するまで地球5周半の距離を飛んだ「くにかぜ」。



 「つくば市を中心に半径2200キロの範囲を20万分の1にした球体の一部で、直径22メートルです」


 上空300キロから眺めた日本はこんな感じだとか。2282枚のセラミックタイルを使っており、シルク印刷で描かれた地図は色鮮やかでとても美しい。隣に鎮座する、1983年に引退した航空測量機「くにかぜ」や緑豊かな庭園との取り合わせもなかなか乙である。




伊能忠敬の地図に感服




天文測量に使われる中象限儀(ちゅう
しょうげんぎ)。



 「これが目当てでねえ」


 次に訪れた企画展「古地図コレクション」(すでに終了)では参加者から歓声が。呼び物は伊能忠敬の測量具のレプリカだ。車の回転数で距離を測る量程車、でこぼこした道でも計れる苧麻(ちょま)の間縄(けんなわ)、風に弱い間縄の弱点を補う鉄の棒を組み合わせた鉄鎖…… ああ、見るからに重たそう。50歳をゆうに過ぎてから大荷物を抱えて地球1周ぶんを歩き、測り続けた伊能忠敬。展示されている彼の地図は、正確さはもとより色使いも文字の配置も見やすく、そのデザイン能力も卓越していたことが伝わってくる。


 伊能忠敬の地図や資料には、2010年3月に国宝指定の答申が出された。




最古の地球儀に古地図群




界最初の図化機。今はデジタルデータをコンピューター
で読み込む。



 次の常設展示コーナーには、地図作りの道具から各種の古地図、地図の歴史や仕組みが分かるパネルや体験展示がずらりと並び、なかなかの見応えだ。


 目玉の展示物は二つ。ひとつは航空写真から地図を作成する世界最初の'図化機'(1921年製)、そして世界最古といわれるベハイムの地球儀(1492年製)。後者は大航海時代のもので、ヨーロッパとアフリカの輪郭はあるが、アメリカは見あたらない。そして目立って大きく描かれているのは黄金の国・ジパングだ。しげしげと眺めた参加者の、「日本はこのころは存在感ありますねえ」という声に失笑がもれる。




輿万国全図には、日本海も明記されている。



 個人的には古地図コーナーが面白かった。歴史で習ったマテオ・リッチの「坤輿(こんよ)万国全図」や幕府の精鋭の手による美麗な地図群は壮観。年代順に眺めると、ぐんぐんとにぎわいを増す江戸の街並み、そして埋め立てがすすむ東京湾の変容に驚く。




日本とハワイが地続きに?




VLBIアンテナと測地観測塔、手前には
「くにかぜ」。



 2階の展望室から、同館のシンボル的存在の超長基線電波干渉計(VLBI)アンテナを望んだ。


 ゆったりと首を動かすこの巨大アンテナは、数十億光年彼方の星々から電波をキャッチし、到達時間差などから地球の姿勢や地殻変動の測定を行う。さらに国内に1200以上ある全地球測位システム(GPS)アンテナ(電子基準点)などの活用で、地図作りや地殻変動の検出に必要なデータの質・量が飛躍的に向上したとともに、意外なことも判明しているという。「ハワイは年々数センチずつ日本に近づいてきているんですよ」


 そういえばマダガスカル島は、古代はオーストラリアと同じ大陸だったはず。遠い未来にハワイと地続きになった日本が見られないのが、ちょっと残念だ。


ジャンル:
国内旅行
キーワード
超長基線電波干渉計 マテオ・リッチ 全地球測位システム 電子基準点 オーストラリア マダガスカル島 ヨーロッパ 大航海時代 科学技術週間 宇宙センター
コメント (0) |  トラックバック (0) |  この記事についてブログを書く
Messenger この記事をはてなブックマークに追加 mixiチェック シェア
« 井原西鶴 | トップ | リルケ »

コメント

コメントはありません。

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。
下記数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。この数字を読み取っていただくことで自動化されたプログラムによる投稿でないことを確認させていただいております。
数字4桁

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。

あわせて読む