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今年一番のサプライズ

 今年の新司法試験に合格した皆川佳代さんから、合格発表日深夜にメールが届きました。

 皆川さんのような合格者ばかりでなく、すべての受験生が彼女と同じくらい勉強していたんだろうなと想像すると、胸衝くものがあります(当然、メールのブログ掲載は了解済みです)

 
   合格いたしました。
                                
                        2010年 09月 10日 00:55:22

松田先生

皆川佳代です。

無事、司法試験に合格いたしました。
 
去年、不合格発表直後に、松田先生から心のこもったメッセージをいただき、深く反省しました。
自分はちっぽけなのに、おごっていたのだ。謙虚にならなければ受からないと、毎日毎日歯をくいしばって勉強しました。
「法務省の成績公表は、合格できなかったひとのためにあるんだと思います」との言葉をかみ締め、日々、どのようにしたら伸びるのかを必死に考えました。
敗因分析を徹底的にした上で、優秀な現役生とゼミを組んでもらい、一年間彼らに弟子入りをしました。彼らが私の親友となりました。
 
おしゃべりな私ですが、司法試験2週間前に携帯電話を親に送って、外界との連絡を断絶して修行生活に入りました。

前日はホテルへの移動もあるので、午後5時までと決めて朝から勉強していたのですが、5時になりボストンバックを持って家を出た瞬間、なぜか涙がこぼれ落ちてきました。もうどうしたって止まらないので、雨だったことをいいことに、傘の中でわんわん泣きながら駅まで歩きました。
 「あぁ、ここまででタイムアウトだったか~。でも、最後一週間は全身が痛くて仕方なかったから、一応勉強は頑張ったよなぁ。でも、問題を開いた瞬間何も分からなかったらどうしよ~」など、いろいろな気持ちが込み上げてきて、開き直れるまで泣いてました。
 
択一中は、息を止めて解いていたらしく、会社法あたりで意識が朦朧としてきました。急いで水を飲み、「あかん!  ここで気絶でもしたら、何のためにやってきたんだかわからんし! 今から5日間は、意識を持つこと、気絶しないことを心がけよう」と、低レベルな目標を新たに挑みました。
本番は、いつもできることができなくなるものなのでしょうか…… 一文がやたら長くなってしまったり、主語述語が分かりづらくなったり、趣旨から規範を導いて当てはめすべきところを、いきなり当てはめから書いてしまい、変に規範を書き足したり、漢字を間違えたり。
最後の一息もっとスピード上げて書けたのにのんびりしちゃったなぁ、問題文の意味を飲み込めずに書いてしまったなぁ、などなど、やりきれなかったことがたくさんありすぎました。
また、「設問2」が分からないからとりあえず「設問3」から書いたり、書かねばならないことを後々思いついて追加したりもしました。

内容的にも構成面でも、読んでくださる先生方に申し訳ないなぁって感じでした。
まさかこれで受かるとは思えなかったです。
でも、終わった科目を振り返ってばかりいた去年の自分を反省し、今年は試験中誰とも話しませんでした。これが良かったのかもしれません。
 
一年間、歯を食いしばって勉強し、なんとか優秀な現役生に追いつこうと努力する過程で、謙虚になりました。そのおかげで、試験後も謙虚でいつづけることができました。
 
合格を知った今、「滑り込みセーフだろうから、今後精進しよう。そして、不合格直後から励ましてくれた弁護士の先生方、教授たち、現役生たち、両親、親戚、修習に行った仲間たちへの感謝を社会に貢献する形で恩返ししていこう」と誓いました。
 
松田先生の痛烈なメッセージを片時も忘れることなく勉強しました。本当にありがとうございました。
 
今後とも、なにとぞよろしくお願いいたします。
 
クリエイトの先生方にも、よろしくお伝えください。
 
皆川
                                                             


 皆川さんには、これまで「体験記」のほかに、何回かこのブログに登場してもらっています。

 スタッフは、読んだその都度、「皆川さんは、ホントにユニークですねー」と声を上げていたのが思い出されます(「思い出」になりはじめています)

 ・2009-06-24私はとにかく動いています
  ※新聞記者Tさんは、去年の時点で、きょうのこの日を見通していたのかもしれません。 

 ・
2007-03-05山崎さんは98歳」 
  ※全員、彼女の歌唱力に圧倒されました。

 ・
2007-03-04Mさんの歓送会
  ※「三田祭でアンコールの嵐。9曲も歌う羽目に」なった皆川さん。

 ・2007-01-25国立ロー合格体験記(上)(中)(下)
  ※2007年体験記の原文です。


 きのう、おとといと何回か質問のメールしました。司法試験受験生なら当たり前のことかもしれませんが、こちらには新鮮でした。

 ●ブログアップ了解しました。私のメールがどなたかのお役に立てたら光栄です。

 ● 「勉強時間」
  ・月曜日~金曜日は、14時間勉強していました(10時間寝て、起きた瞬間からパワー全開で14時間勉強。食事は勉強しながら)。
  ・土日は毎週模試を受けて、その後優秀な現役生とゼミをしていました。
  ・最後の2週間は、毎日18時間勉強しました。体の左側が痛くなり、左のこめかみを触ると反射的に涙が出てくる状態でした(笑)!
  
 ●「
息抜き」
   ・息抜きはしていません。
   ・強いて言えば、土日にみんなと会ってゼミをするのが息抜きでした。みんなの素晴らしい答案を読むと感激でアドレナリンがたくさん出て元気になりましたし、なんせ現役生とめちゃ仲良しだったので、ゼミで議論すること自体が楽しく、それが一番の息抜きでした。

 ●「自習室」
  ・神戸大の自習室は使っていません。毎日同じジャージを着て、すっぴんのまま、マンションに引きこもってました。声を出して自分に説明しながら勉強するので自習室には向いていません。これは大学入試と全く同じ勉強方法でした。去年は自分を分析しきれず、自習室で勉強していました。
 卒業しても出なくて良いので、他の2回目の友達は自習室を使っていました。恵まれていると思います。神戸大学のサポート体制は素晴らしいです。

 ●「生活費」
  ・1か月の生活費は、20万円です。ほとんど本代に化けました。

 ●「その他」
  ・一喜一憂しないために、毎回の模試で自己分析し続けました。
  ・問題をとけた時……①たまたまか、②しっかり趣旨から理解しているからかを考え、①なら必ず②にもっていく。
  ・問題をとけなかった時……③忘れたのか、④そもそも知らなかったのかを考え、③なら趣旨から押さえ直し、④なら知識を入れる。全科目このように気をつけました。

 ●「息抜き追加」
  ・さすがに12月27日~1月3日までは休みました。

 ●「大切なこと追加(今年落ちてやる気が出ない人へ)」
  ・落ちた直後に敗因分析をしてから、気合い入れに富士山に登りました。日本で一番高い場所に立って、来年の合格を誓いました。もし不合格になり落ち込んでいる方は、自分なりに気合い入れをするのも良いかもしれません。 

 ●今日は、ロースクールの合格祝賀会にいってきます!
  去年遠く見えたパーティールームに
  今年は入れます♪d(⌒〇⌒)b♪

 ●「さらに追加」
  ・「合格祝賀会」で、神大の教授から「皆川さん、よくやりました!!! 今年一番のサプライズで教育室を沸かせてくれました!!!」というお言葉をいただきました。


 彼女は「2006年度法科大学院受験のため適性模試を初めて受けた際なんと100点中16点しかとれず呆然とした私」からスタートしたひとです。

 一芸に秀でたひとの集中力というものを、まざまざとみせつけてくれました。

  皆川さんが合格したことに、クワタさんら、クリエイトの女性スタッフは特に驚き、喜びました。

  ご家族やお友達はどうだったんだろう? と、またメールで聞いてみました。


     
Re:皆川です。

                     
 2010年 09月 12日 15:37:18

9月9日の発表日は、母とミュージカルを観に行きました。その後父と待ち合わせて霞ヶ関まで行きました。
実は、落ちることしか想像できず、私は3日前から部屋に閉じこもり泣いていました。それを見かねた両親が「私達は佳代に代わってやれないけど、一緒に闘ってきたんだから、合格発表は一緒に見よう。お父さんとお母さんの子なんだから脳みそは悪いよ、落ちてたら私達のせいだから責めないよ。私たちにできることは、一緒に見に行くことしかないんだよ」
といって、一緒に来てくれたのでした。過保護ですよね。

お堀の近くにいくと、足がすくんで動けなくなりました。
親子で勇気を振り絞って法務省へ向かう途中で、去年受かった友達から「佳代おめでとう!! よく頑張ったねぇ!!!!」と、携帯にメールがきました。ネットで検索してくれていたのでした。

あれ? 同姓同名かもしれないが、受かったかのかもしれない……。 
泣きだしそうになりながらも、足に力が入ってきたので必死に歩きました。

掲示板につくと、「あった!!!」すぐ見つかりました。
番号は00734で、私はこれを「人並みよ」と覚えていました。
今年は 人並み になれたから受かりました。

泣き崩れて喜ぶ母の傍らで、私も泣きながら父と抱きしめ合いました。

すぐにおばあちゃんに電話をすると、泣きながら喜んでくれました。祖母は90歳で、老いてから5年も私の受験生活に付き合ってくれていたので、やっと安心させてあげることができホッとしました。

その後おばあちゃんが親戚中に連絡してくれて、帰り際には親戚中から電話がかかり、まるでお正月のようでした。

一緒にゼミをした現役生9人も全員受かり、神戸から電話をくれました。
「良かった~~~佳代さんが受かったことが一番嬉しいです~~!! 一番心配してました(>人<)(>人<)」「マジですよね!?……俺、自分のことより嬉しいっす、やべ、自分の見ても涙出てこなかったのに、今出てきました…………(本当に泣いてくれてました)」

彼らは神戸大学を一位と二位で卒業したので、本当に自分の合格より私のことを心配してくれていました。

「佳代さんは私達の一番弟子ですよ!」
と誉めてくれました
♪d(⌒〇⌒)b♪

去年合格した親友が霞ヶ関付近で修習をしていたのですが、私が合格のメールをすると、法務省まで駆けつけてきてくれました。彼女も「私も番号を見る!!」と言って00734を確認し、まるで自分のことのようにはしゃいで私の両親と抱きしめあったりお祭り騒ぎでした。

他の修習中の友達からも、大学時代のバンドサークルの仲間やゼミ仲間からも、大学時代お世話になったゼミの教授からもお電話をいただき祝福していただきました。

また、神戸で不合格直後に「皆川さん来年こその会」を開いてくださった弁護士の先生方や、不合格後に必死に励まし私を家に泊めてくれたり万年筆をプレゼントしてくれた歯医者さんとそのご家族の方からも祝福の電話をいただきました。

一番苦しい時期に見放さず励ましてくれた、この方々へのご恩は、一生忘れません。私にとり良い教訓になりました。
努力しても報われない人もいますが、私も、人々が苦しい時にこそ支えてあげれるような弁護士になっていきたいです。

その意味でも、不合格は私が絶対経験すべきものでしたよね。

話がずれましたが、答えになっていますか?


 たくさんのひとたちが喜んでくれています。
 さすが、根っからのエンターテイナーです     









                 ※クリエイト速読スクールHP

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コメント
 
 
 
皆川さん (小川)
2010-09-14 22:22:28
皆川さん、合格して良かったですね。めでたいです。

本日、山崎さんのいる介護老人保健施設に行ってきました。
「まえ、速読教室に歌を聴きに行ったでしょ? あのとき歌っていた皆川さん、司法試験に受かったんだってさ」
「へ~」
どうも、ことの重大さがわからないようです。私と同じく。
気の利いた祝いの言葉があるかと思って期待していたのですが、そううまくはいきませんでした。

ではまた。
 
 
 
なおしさん!!! (みながわ)
2010-09-14 23:54:42
なおしさんおひさしぶりです!!
山崎さんもお元気なのですね、嬉しいです。
もう100歳を超えられたのですよね?

わざわざ山崎さんへ報告しに行ってくださりありがとうございました。

「無職」と書かなくてよくなったのですから、私にとっては重大ですよ!どんなに必死に勉強しても、合格しなければ評価しない人もいて肩身が狭い思いもしましたし、AUショップには両親を連れていかないと機種を変えられないし・・・

ああ、やっと「無職」じゃなくなった~~!
 
 
 
山崎さん (小川)
2010-09-15 12:28:00
皆川さんのコメント〈どんなに必死に勉強しても、合格しなければ評価しない人もいて肩身が狭い思いもしました〉という箇所には、司法試験受験生の気持ちがよく表れているように思えます。
山崎さんは101歳です。まだ生きてますよ。最近は生きていない老人が多いようなので、ひとこと添えてみました。
ではまた。
 
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