商業銀業務では日本に一日の長

2011-01-07 09:11:28 | 日記
 ■野崎浩成・シティグループ証券マネジング・ディレクター

 今後、銀行が国際展開していく上で、バーゼル3などの共通規制に加え、各国で決める規制にも注意を払うことが必要だ。国によっては、共通規制よりも厳格なルールが適用される可能性があり、業務をしていく上で、一層の資本上積みを求められる可能性があるからだ。

 「この国ならもうかる」という安易な理由で、海外へ進出する時代は終わった。資本の上積みとなれば、追加増資で株の希薄化が進む可能性があり、配当負担も増える。そういった「規制コスト」と、得られる利益の兼ね合いを説明できなければ、投資家も納得しないだろう。

 一連の規制で金融危機前の欧米の銀行のような、資本能力を大きく逸脱したハイリスク投資を手がけることは規制される。結果的に商業銀行業務を手がけざるをえなくなり、競争は激しくなるだろう。ただ、日本の銀行は「同じ土俵に立てた」と、チャンスととらえる視点も大切。商業銀行業務は伝統的に邦銀の主力分野で、一日の長があるともいえるからだ。

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