風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

『ミュージカル プリシラ』 マチネ @日生劇場(12月20日)

2016-12-22 00:50:09 | ミュージカル



『プリシラ』、行ってきました~~~。
すっっっごく楽しかった
なにより大好きなプリシラをもう一度生で観られたことが、泣くほど嬉しかった(ほんとに泣いた)。

私はロンドンのウエストエンド(WE)版&あの時(2010年)のキャストをこよなく愛してしまっているのであれは別格として、日本版、とってもハッピーな気分にさせていただきました

演出は、思っていたよりWE版と違っていました。日本版は全体的にハードさや毒が少なく、ソフトで軽め、優しめな演出になっていた感じです。ハードな方が"I will survive"の歌とメッセージは活きる気がするけど、ソフトだと気楽な気持ちで見られるのが良い点ですね。そしてイギリス的なブラックユーモアが減っていた代わりに、吉本的なお笑い要素が増えていた。
といっても私が生で観たことがあるのはWE版だけで、日本版はブロードウェイ(BW)版を踏襲しているため、私が気付いた演出の違いがブロードウェイに行った段階で変わったものなのか、亜門さんによるものなのか、判然としない部分も多いのですが。
たぶんWE→BWの段階でポップになって(例:venus→material girl)、さらに亜門さんの演出でソフトになったのではないかな、と。まぁあのvenusを日本でやったら日本のお客さんは引いちゃうと思うし^^;(私は派手派手濃ゆ濃ゆで大好きですけど)、今回くらいが受け入れられやすいのかも。

曲の違い以外で気付いたWEとの違いは、
・観客に女性が多い(WEは男性やゲイカップルも多かった)
・開演前の舞台にオーストラリアの地図とルージュがない
・客席の天井にミラーボールがない
・シドニーのハーバーブリッジの夜景がない
・トランペットの葬儀の牧師の展開
・Go Westでピンクの紙吹雪が客席に降らない
・バスの中のインテリアの違い
・振付の違い
・風景映像の多用(あと、WEでは最初のLGBT云々の表示はなかったと思う)
・舞台が盆で回らない。のでプリシラ号もまわらない。
・エリザベス女王のコーギーを轢かない。人口呼吸をする女王ももちろん出ない。
・背広&カメラっ子な日本人観光客が良い意味で普通で目立たない。
・客が舞台に引っ張り出されない。
・アダムがヒールの上で歌う場面で、ヒールが前にせり出さない。
・プリシラ号に虹色のペイントで色をつけている(WE版ではショッキングピンクやカラフルなLEDで表現)
・田舎町のバーの場面で、なぜか掃除婦がイジメられていてバーナデットが庇う(WE版は映画と同じ展開)。
・カーテンコールのキャストの登場の仕方(WE版はバスの上から派手派手しく登場。日本版はバスはなく、舞台袖から登場)。
・終演後の追い出しの音楽の演奏がない。

すぐに思い浮かぶのはこんな感じですかねぇ。
曲では、やっぱりI've never been to meとVenusを聴きたいなぁ、と思っちゃいました。でもWE版(3回観た^^;)を観ていなければそうは思わないでしょうから、やっぱり誰でも最初に生で観て感動したものの印象がどうしても強くなっちゃうのよね。こればかりはどうしようもない。

日生劇場は1,330席。ロンドンのPalace Theatreが1,400席なので、劇場の規模も同じくらいで嬉しかったです(席の配置上、ロンドンの方が上階席から舞台までの距離は近いですが)。今回GC席だったのですが、舞台が観やすくていい劇場ですね~。ピンクのシートも座り心地がとてもよかった

キャストについての感想。
陣内孝則さんのバーナデット、とっっってもよかった 今回のキャストで一番のお気に入りです♪ (歌とダンスはアレですけど笑)芝居の間の取り方が絶妙!品があって可愛いし、笑わせるポイントと泣かせるポイントをよくわかっていらっしゃる。演技も自然で余裕がありました。陣内さんはどちらかというとTonyよりもDonとタイプが似ていた気がする。「バカ?あなたはバカなの?」

山崎育三郎さんのティック(ミッチ)、ハンサム&美人さん!少々台詞が一本調子に感じられるときもありましたが、演技が丁寧で、歌も上手いし華もあって、想像以上でした。「あなた達から見たら僕達はただのオカマかもしれないけど、どうぞオカマいなく!」

アダム(フェリシラ)の古屋敬太さん(ユナクさんとのWキャスト)、他の二人に比べるとちょっと存在感が薄かったかな?もっとも、私がOliverのアダムを好きすぎるという理由も大だと思います、すみません^^;。でも古屋さん、後半はとてもよかったです。エアーズロックの上では本当にいい表情をされていて、感動しちゃいました

ミス・アンダースタンディング役の大村俊介さん、いい味出されていました~。上手いわ~。お金or愛?

シンシア役の池田有希子さん、WEのナカノカナコさんとちょっとだけ似ていらして懐かしかったです。帰宅後にWE版のパンフレットを読み返していたら、「一回の公演で使われるピンポン玉の数:400個」と書いてあってビックリ。日本版もそんなに使っていましたっけ?(記憶が・・・)

ボブ役の石坂勇さん、ダンディーで素敵でした~。

ベンジー役の加藤憲史郎くんは、加藤清史郎くんの弟さんなんですね~。歌声が綺麗だった^^

そしてそして、DIVAの皆さん!歌がとってもお上手 これに一番安心したかも。

フィナーレ、皆さんとってもいい表情をされていました。みんな一生懸命で、やっぱり生舞台はいいなあ 山崎さんが客席に下りて来てくれたサービスも嬉しかったぁ(*^_^*) 3人ともカッコイイ
一年の最後に最高にハッピーな気持ちにさせてもらえました
日生劇場にて12月29日まで。すっごくオススメなので、迷っている方はぜひ 
やっぱり『プリシラ』、大好き

ウエストエンド版『priscilla』についてのアレコレ
ウエストエンド版の時のpalace theatreの様子

ドラァグクイーンたちの華やかな珍道中ミュージカル『プリシラ』上演中! 山崎育三郎インタビュー


【日本版:trailer】


【ロンドンWE版:trailer(2010年)】


【ニューヨークBW版:クローズ時のcurtain call(2012年)】

みんなプリシラが大好き笑。世界中で愛されてるプリシラ♪そして世界中でバーナデットをされているTonyさん♪このBW版のキャスト3人もとてもいいよねぇ^^
カテコの仕方はWE版と同じですね(舞台がまわって、プリシラ号の上からハイヒールの階段を使って降りてくる)。追い出しの音楽があるところも同じ。日本版も追い出し音楽やればいいのに~。あれ、余韻を楽しみながら気分よく帰れるから大好きです。

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