風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

『弁慶上使』『御所五郎蔵』『一本刀土俵入』 @歌舞伎座(6月10日)

2017年06月11日 23時43分35秒 | 歌舞伎


ボリショイバレエの合間に、歌舞伎座

【御所桜堀川夜討 ~弁慶上使~】
以前文楽で見たときは「忠義のためとはいえ父親が娘を殺すなんて!顔を見たこともない子ならそりゃあ殺せるわよね」と弁慶に腹が立ったワタクシですが、今回は弁慶よりもおわさに腹が立ってしまった。娘が瀕死の状態で傍らに転がっているのにウキウキと髪の乱れを気にしてる場合後で娘の存在を思い出して弁慶との関係に悲痛な叫びを上げるところも「今まで忘れてたんかい」と思わずつっこんでしまったわ・・・。だって雀右衛門さんの演技が長年恋焦がれていた人との再会というより、女子高生のようなウキウキに見えるんだもん 米吉(しのぶちゃん)とも親子の情が今一つ感じられず・・・。
 
吉右衛門さんの弁慶。熱演、お元気、お若い。そして不思議と弁慶に腹が立たず説得力がありました。ああ仕方がなかったんだ、弁慶には弁慶の生き方があったんだ、と思えた。最後の幕外の花道で吉右衛門さんが両手に抱えた侍従太郎の首としのぶちゃんの首に想いをかけて、でも次の瞬間にはっと義経の家来である弁慶の表情に戻るところ、よかったなあ。上手いよねえ。そしてあんなカツラなのにかっこいい&美しい。役者絵を見ているようだった。
今また吉右衛門さんの弁慶@勧進帳が見たいなと感じました。富樫には仁左さまを切望。ああ、どうしてこのお二人は組んでくださらないの~~~。あんなにお似合いなのに~~~。
 
あと、又五郎さんの侍従太郎がよかったな。「自分の命で足りるなら迷わずやるのに」っていうところ、本当にそう思っているのが伝わってきました。この人は常に命の覚悟がある人なのだなあ、と。動作もあいかわらず無駄な動きがなくてキレイ。一方、高麗蔵さんの花の井はちょっと冷たい感じに見えました(おわさの手を払うときの表情とかが)。
 
桜の絵の襖が華やかで素敵だった
 
 
【曽我綉俠御所染 ~御所五郎蔵~】
七五調が楽しいなあと思ったら、黙阿弥なんですね。
仁左衛門さんのご登場は本花道じゃなく仮花道の方であった。上手の席に座っちゃった残念と思っていたら、私の大好きなニザさまの横から見る立ち姿だ~
両勢力が親分を筆頭にズラリと並ぶ両花道の使い方かっこいい!
てか、

ニザさまかっけーーーーー

開演前に飲んだワインの酔いが一瞬でふっとんだわ。白がお似合い色っぽい流す伏し目が美しい柔らかな声とドスの聞いた声の使い分けもいつもながら素敵ーーー(>_<) なんて素敵な二枚目親分なの!
左團次さん(土右衛門)が存在感と貫禄と色気で負けていないから、舞台のバランスがいい~。左團次さん、このお役がすごくニン!
ニザさま、後半の衣装もすんごくお似合いだった!あれは何色というんでしょう。紫と紺の間の色に薄鼠色(白じゃないの)の梅の柄。この色に緑の帯って、歌舞伎の衣装ってどれだけセンスがいいの!
ああ、いつもながらあらゆる姿が絵になるニザさま。。。久しぶりに舞台写真買っちゃうかも。。。
 
殺したのは皐月じゃなく逢州だったと首切るときに気付く流れは、ニザさまによる改変だろうか?ちょっと強引だった気も(だって斬るときも首切るときもまだ暗いことに変わりがないのに)。
 
雀右衛門さん(皐月)も米吉(逢州)も、昼の部よりこちらの傾城の方がずっと良かったように感じました。米吉くん、やっぱり動きや台詞の多い役の方がやりやすいのか、生き生きしてた。大人しい役よりもこういうしっかりした役が意外に合いますね~。

そうそう、愛想尽かしの後の名台詞は本花道でした。ここのニザさまも素晴らしかった・・・。
 

【一本刀土俵入】

幸四郎さんかっけーーーーー

吉右衛門さんにしても仁左衛門さんにしても幸四郎さんにしても、爺さま達お元気&カッコよすぎ。私は月の後半に行くことが多いのだけれど、皆さん前半の方が元気がいい気がする。これからは前半に行こうかな。
ふかし芋が美味しそうだった(やっぱり良い芋使ってるのかなー)けど、幸四郎さん(茂兵衛)はあの量を毎日舞台で食べているのだろうか。飽きるよねえ・・・。役者根性ですね。
もっとも前半はちょっと頭の足りない人に見えたのだけど(面白かったけど)、後半の感じからすると別にそういう人間ではないのよね?
 
猿之助(お蔦)も雰囲気があってとっても良かった。やっぱり私は猿之助は女方の方が好きだなあ。特にこういうあだっぽい役の猿之助はとても好き。
後半(10年後)のお蔦の家は、家の周りの夜の暗闇が江戸時代らしくていいね。新歌舞伎だからか回り舞台を全部見せて使うのが楽しかった。

猿弥さん(船戸の弥八)、ちょっと赤目の転生のジャイアンを思い出しました笑。こういう役の猿弥さん、好き!
 
松緑(辰三郎)、金毘羅でも感じたけど、以前より余分な力が抜けてとてもいいですね。何があったのだろう。
 
松也(根吉)、久しぶりに見た気がするけど(違うかもしれないけど)、声よくて姿いいから舞台で映えるな~。でも少し太った?

声がいいといえば、若船頭の声がいいなあと思ったらみっくんだった。のんびり感がステキ笑。
 
歌六さん(波一里儀十)の親分もかっけ~~~ こういう役の歌六さん大好き!めちゃくちゃ風格あるのに、茂兵衛にあっという間に倒されちゃうところも楽し笑。

若船頭と老船頭(さん)と清大工(由次郎さん)の3人のひょうひょうとした会話、味がありますね~。どちらかが台詞の順番間違えてたっぽかったけど、あのひょうひょうとした雰囲気の中ならそれもよし。この空気、大好きです。

これ、初めて観ましたが、いい話ですねえ。
お金をあげようとするお蔦に茂兵衛が「あなたが困るでしょう?」って言うと、「どうせいつも困ってるんだから変わりゃしないよ」って答えるじゃないですか。お金ってあるに越したことはないはずなのに、それをわかっているはずなのに、お蔦は茂兵衛にお金をあげたかったんだね。なんか、いいなあ。
「お金ってこうやって使うものだよね。私も観劇よりもっと誰かの役に立つお金の使い方があるのではないかしら」とか本気で考えてしまった(単純)。
途中で何度かぐっときて、最後の名台詞ではぐわぁ…っとなっちゃいました。幸四郎さん、お見事です
 
あ~楽しかったあ。やっぱり歌舞伎はいいねえ 
明日は再びロシアバレエの世界に戻り、ボリショイです。スミルノワ&チュージン、いい舞台、期待してるよ~!

ようこそ歌舞伎へ 「六月大歌舞伎」『曽我綉俠御所染』市川左團次




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