Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

宿敵倒して日豪対決 !! 日本 2-2 ( PK3-0 ) 韓国 25 Jan. 2011

2011-01-28 | Football Asia
昨日から何度も同じニュースが…
でもこういうニュースは何度見ても良い。 PK戦まで縺れ込んだけど日本は韓国を振り切り2大会ぶりの Asian Cup 決勝進出を決め、アジア王者の覇権をオーストラリアと競う事となった。
韓国に勝って次のラウンドに進出するなんてあったかな….2003年 FIFA U-20 の決勝トーナメント1回戦くらいかな…

日韓対決が決まってからと云うよりも最近は日本でも韓国との対決を煽る傾向がある。日韓ワールドカップ以降、所謂韓流ブームが沸き起こり ( 私もけっこうはまっているけど )最近は KARA , 少女時代、4 Minuets 等のK-POPブームも…
しかし韓国を知れば知るほど韓国社会が日本の事を日本人が想像していた以上に嫌っている事が明らかになり “嫌韓流”の動きも出てきた。
日韓併合( 韓国では植民地 ?? ) 竹島( 獨島 )問題 そして従軍慰安婦問題 ( 私は軍や日本国家が関与していないありもしない“問題” と調べがついているけど..) 。
しかし私には韓国人の友人が多く、スポーツや生活の事を何度も楽しく話した。
そしていつも ”個人だとこんなに仲良くできるのになぁ…..”と思う。
ある韓国人が私にこう言った。“韓国人なんて口では日本の悪口を言っているけど本当は日本が一番気になっているんですよ….”

サッカーとなると私の様な70年代からのサッカーファン(オールドファン??)は韓国戦となるとまず勝てる気がしなかった。1959年ローマ五輪予選から 1974年の日韓定期戦まで15年間勝てない時期もあった。あの釜本を擁しても韓国戦の勝利はこの試合だけだった。その“恐韓症”は今でも拭い去れない。例え日本のホームゲームでも、韓国の主力が数人離脱していても…最低でも引分けに持ち込む勝負強さ….それが韓国戦の印象だ。いつの日か私と同じ年頃で同じ期間、“濃く、熱く” サッカーに興味を持ち続けている韓国人と話をして、対日本戦の印象の変遷を訊いてみたいなぁ…と思っている。出来れば日本語か英語を話せる人と、…そして一晩語りつくしたいなぁ…

韓国のスタメンは出場停止の李正秀の替りのCBに趙容亨が起用された以外はイラク戦と同じメンバー。愛するサンガの郭泰輝はベンチスタートだった。
日本のCB出場停止の吉田の替りはベテラン岩政が起用された



                 GK 1 鄭成龍
 
      22 車ドゥリ   3黄載元  4趙容亨   12李栄杓

           16 奇誠庸        6 李英来
 
     17 李青龍        13 具滋哲     7朴智星

                   19池東元

                   11前田

     10 香川         18本田圭       9 岡崎

           7 遠藤         17 長谷部

     5 長友      4 今野    3岩政    6内田

                   GK 1 川島




両チームの力はほぼ同じ、例え前の試合からのインターバルが短いとはいえ1人で局面を変えられる朴智星がいる韓国がやや有利か..と
そして“日本を恐れた事がない現役時代も今も..” というコメントが発された様に日本が圧倒されていた時代にまさに現役だった趙広来氏が監督である事が精神的に優位にたてている…最後はそこが結果を左右するんじゃないかな…と思った。

日本のキックオフで始まった一戦。開始から体力温存の為か韓国は日本の出方を見る動き、1分28秒本田からのパスを受けた内田が右サイドを突破しCKを得る。
2分13秒には前田にボールが入り韓国DF4人が対応して何とかコーナーに逃れ、そのCKから岩政がヘッドを放つがポストの右に惜しくも外れていく。
日本は内田が積極的に上がり対峙する李栄杓は少し対応が後手になっている。
6分13秒に岡崎の突破からCKを得て遠藤がいれたCKに岡崎が趙容亨とせりながらヘッドを放つが惜しくもゴールを捉えれない。
日本は前線の4人がよくセカンドボールを拾っていた。中盤では朴智星に長谷部がマークに付いていた。
しかし立ち上がりのローギアーからテンポアップさせたのはやはり朴智星。11分には右にまわり中にドリブルで切れ込むがここは長友がクリアー、14分58秒には左サイドでボールを受けて中に相対した内田をまた抜きでかわして中に切れ込もうとしたのを内田が倒してFKを与える。
そのFKから奇誠庸がゴールを狙い川島がパンチングしたクリアーボールを趙容亨が直接ヘッドでゴールを狙われるが今野がヘッドで弾きだす。この時間帯から韓国の中盤でのワンタッチパスが回り始めた。
序盤から何度も朴智星を倒しては笛が吹かれて朴智星を止めるのはカード覚悟でなければ止められないか…と彼の存在を感じさせられた。
だけど17分には長谷部への朴智星のチャージにイエローが出された…

     

しかし次のチャンスは日本。16分50秒に本田を経由して長友にボールが送られ一気に左サイドを突破し上げられたクロスに岡崎がヘッドを放つが惜しくもポストを叩きその跳ね返りがGK鄭成龍のところに収まり惜しくもゴールラインは割らなかった。
18分53秒には前田がボールを受けドリブルで中央を突破するが最後は何とか黄載元がコーナーに。再び主導権を握り出した様に見えたが先制ゴールは韓国だった。21分53秒後方から入れられたロングボールに朴智星が走り込むそこに今野が競りに入りPA内で朴智星が倒れたこころでサウジアラビア人の Khalil Al Ghamdi 主審の笛が鳴った。今野はしきりに肩でブロックしては出していないとアピールするが判定は変わらない。Ghamdi 主審は今大会韓国対インド戦でも主審を務め“ファール無しでは朴智星を止められない” という印象を試合前から持っていたのか…この試合も何度も日本DF MF 陣にファールで止められていたから…
このPKを奇誠庸が右側にライナーで蹴り込み日本ゴールネットに突き刺した。
押されている試合展開でもゴールを奪うところはさすがに韓国だった。(褒めている場合でもなかったけど。)

   


だけどこの後の奇誠庸のパフォーマンスが物議を醸す事に。

先制ゴールを奪われた日本だったが再開後も攻勢に出て来る。22分57秒、香川から内田に渡り上げられたクロスに本だがヘッドで合わせるがGK鄭成龍の正面。
早い時間に追い付いてくれよ…と思うも中盤戦で劣勢に立たされた韓国はスタミナの配分を考えてかロングボ-ルを多用し始めた。
ワントップの池東元は 187cm 。178cmのCB今野の方によってボールを貰いに行く。 他にも奇誠庸が 187cm , 具滋哲が 183cm と長身揃い。
28分にはFKを与え180cmの李青龍を経て具滋哲に渡るが今野がマーク、その直後にもロングボールが池東元に渡りファールでストップし奇誠庸の蹴ったFKから具滋哲が長友と競りながらヘッドを放つがバーの上に。
33分43秒には池東元が今度はドリブルで突破し今野をかわしてシュートにもちこむが長友が必死のスライディングでコーナーに。池東元は足元の脅威も示す。厄介な若者が出て来たなぁ…と思った。
空中戦に対抗できるMF陣は本田くらいだなぁ…だけどあまり後ろに下げたくないなぁ…とおもっていると日本がチャンスを掴む。36分中央で本田がボールを持つとドリブルで上がり相手DFを引きつけたところで左サイドを上がった長友に。長友は車ドゥリを振り切り中に送ると走り込んだ前田の奇誠庸がマークに入る前に放ったシュートがGK鄭成龍を破り同点ゴールが決まった。

      



韓国戦4試合ぶりのゴールだった。本田のドリブル、そして周囲との連動から生まれた見事な攻撃だった。本田が右サイドの長友にボールを出した後に中央に動き何人かの韓国選手がそれに釣られた。本田は立ち上がりからボールキープの強さを見せており、頻繁に左右に動いていた。ボランチの奇誠庸と李英来が彼を捉えられないのでそこを起点に両サイドにボールがよく出る。右SBの車ドゥリはもとより左SBの李栄杓も内田を捉えられないシーンが続く。41分17秒には内田から香川を経由して岡崎に渡り放たれたショットは惜しくも決まらず、その直後には今度は岡崎から香川にボールが渡り撃たれたシュートはクロスバーを越えた。43分には本田が前線にロビングを上げ前田が趙容亨を背負いながら反転して振り切りフリーで放ったシュートはクロスバーを越えてしまったがここは決めて欲しいシュートだった。
日本は前線の4人が起点になったりシュートを放ったりと多彩な役割をするので韓国DF陣は完全にマークがずれていた。しかし前半はこのまま 1-1 で終了した。劣勢でも追加点を許さない韓国のタフさを見たけど、カタール戦同様、同点に追いついてからのチャンスをものにできなかった事が苦戦を招いたと言えよう。

   


後半に入り韓国は両サイドを固めて来た。日本の右サイドは李栄杓が本領を発揮し守備に何のある車ドゥリの左サイドには黄載元と李栄来がケアーして来る。
こうなると真中で本田、香川、岡崎が連動してボールを回せばと思ったけど後半からマンマークに替えて来たのでスペースに走り込んでボールを自由に受けられなくなって来た。
韓国も連動し動きは乏しく朴智星をはじめとした個人能力に頼る攻撃ではあったがシュートシーンは日本より多かった。
52分パスミスを拾った池東元が放ったミドルはクロスバーを越えて、57分20秒李青龍からのパスを受けた具滋哲が正面から撃つがこれもバーを越えた。
57分には池東元がドリブルで切れ込み左サイドに寄った具滋哲がまたもシュート持ち込むがサイドネットを直撃した。
58分、韓国ベンチが動く。具滋哲を下げる動きがあったがその間に池東元が交錯して倒れて起き上れないので交替に待ったがかかった。池東元は一旦ピッチに戻ったが結局64分にベンチに下がり替りにDF洪正好が投入された。洪正好の役目は本田を徹底的にマークする事だった。でこれで日本の攻撃は供給される起点が激減したことから日本はシュートに持ち込めなくなった。
韓国は具滋哲がワントップ。左に李青龍、左に朴智星が入り(たまに朴智星は右にも移って来たけど) アンカーに洪正好が入った。65分ごろから車ドゥリのサイド突破が顕著になりだし 69分には車ドゥリからのクロスに朴智星のヘッドが捉えたがクロスバーを越えてくれた。こうなると車ドゥリの上がった裏を長友が入り込めればいいのだけど…と思った。
71分左に寄った具滋哲からパスを受けた李青龍のシュートがクロスバーを大きく超えたが李青龍が倒れて動けない。Ghamdi 主審が駆け寄りイエローカードを遠藤に出す。遠藤の李青龍へのタックルが late tackle に取られた様で真正面で距離もあまりないいやな位置でのFKだった。あぁこれが日本のチャンスだったら遠藤か本田が決めてくれるのになぁ…と思っていると李英来が直接狙ったFKは右ゴールポストをかすめて行った。GK川島は全く反応出来なかった。そして私も硬直してしまった。
チャンスらしいチャンスを造れない日本は80分に左サイドに回った本田が入れたクロスを岡崎のヘッドが捉えるがゴール枠を外れた。これが後半初めて韓国サポーターをヒヤリとさせた瞬間だったのでないか??

82分韓国ベンチは李青龍を下げて18歳 HSV Hamburg 所属の孫洪敏を投入したこれで具滋哲と2トップになるのか孫洪敏がトップに残り具がトップ下か右サイドハーフにさがるのか..と思っていた。
準々決勝を120分戦いしかもインターバルが1日短い韓国は是が非でも90分で決めたかっただろう。こうなると日本ベンチの対応は..と思うも立て続けに韓国が日本ゴールに迫る。ここで失点してはこれまでの努力が水泡と化す、と思っていたら87分日本ベンチが選手交代を。香川がベンチに下がって細貝が投入された。
後半は時間を追って目立たなくなって来ていた香川だけど翌日右足中指第五間接を骨折していたと報道された。決勝戦というよりも今シーズンの香川が心配になった。 

   

そして2分あったロスタイムも過ぎ 1-1のまま延長戦に入った。
後半韓国は中盤を厚くし日本の攻撃を封じたがFWを少なくした分猛攻撃にさらされることは無かった。しかし後半は終始攻められていた印象はぬぐえなかった。
延長戦に入りベンチ全員で円陣を組む日本。1997年ジョホールバルでのイランとのワールドカッププレーオフを思い出した…
ここはドーハ。1988年のここで開催された Asian Cup で日本は黄善洪、金鋳城に決められ0-2 でやぶれたけどあの時の日本は学生主体のチーム(フル代表でも勝てなかっただろうけど ) ドーハの悲劇の時は韓国には勝ったんだと勝手に自分に言い聞かせてテレビ画面を見ていた。(俺も小心だなぁ…)

延長戦も立ち上がりから奇誠庸がシュートを放つなど韓国が攻勢に出て来る、最初に失点したくないなぁと思っていると97分中央でボールを受けた本田がスルーパスを送り岡崎が突破を図ったところを黄載元がマークに入って倒す。Ghamdi 主審がペナルティースポットをさす。黄載元は明らかに岡崎の行く手をさえぎるオブストラクションだったけど倒した場緒が微妙だった。
この絶好のチャンス、この人なら大丈夫だろう…と思われた本田がボールをセットし…蹴った弾道は何とGK鄭成龍にぶつけてしまう…しかしこのこぼれ球に脱兎のごとく走り込んだ細貝が韓国ゴールに蹴り込んでついに日本がリードを奪った。 

 

韓国から2点を奪うなんて…と思わず記憶を辿った。
それにしても Ghamdi 主審はこの試合を面白くするのに一役買ったなぁ…
しかし時間はまだ20分以上も残っている。もう1点取ってくれれば試合は決まると期待したと同時に1982年ワールドカップスペイン大会の準決勝戦を思い出した。1-1 で延長に入りフランスは2ゴールを上げたが西ドイツも連続ゴールで同点にしPK勝ちしたあの伝説の一戦。思えば西ドイツは本当に強かったんだなぁ…と関係のない事を再認識した。
101分日本が自陣でボールを奪うと長友が左サイドを駆け上がる。そしてボールを受けた長友は更に韓国PA付近に迫ったが入れられたクロスがポストを直撃してしまった。長友の無尽蔵のスタミナが頼もしく思えた。

  

103分韓国は最後の交代選手 FW金信を入れて趙容亨を下げ、洪正好がDFラインに入った。 これで本田がまたボールを受けられると考えたけど試合時間を考えれば前半の様に都合よく行くわけはなかった。
日本リードのまま韓国のキックオフで突入した延長後半も1点ビハインドの韓国の攻撃で始まる。
日本はもうカウンター狙いだ。108分には本田、岡崎を経由して長友が走り込んで受けて、110分には岡崎がドリブルで持ち込みシュートで終わらせる。
韓国も107分交替出場の18歳孫洪敏がポストのわずか右に外れるシュートを放つ。 日本のラインが徐々に下がって来るのが気がかりだけど韓国も朴智星の動きが止まってくるなど疲労感がましている。お互いに中3日、2日で4試合を消化して来ての準決勝、最後は本当に精神力の勝負だけどリードしているのは日本、早く時間が過ぎてくれ.と思う。
116分長谷部が倒れて動けない、韓国サポーターからは早く立てとばかりにブーイングが。一旦は車で外に運び出されピッチに復帰したが結局本田拓也と替ってベンチに下がった。そしてその前に準備をしていた李忠成はベンチに戻った。
長谷部の離脱はちょっと痛いなぁ..と思った。日本は前線にボールが出ると岡崎と本田がボールをキープして時間を稼ぐ。
そして時計は120分に近づく、ロスタイムがあるからあと2,3分だと思ったら左サイドで李栄杓が本田拓也に倒されFKが与えられるが李栄杓の倒れ方はちょっと演技賞ものだった。
韓国としては最後のチャンスだっただろう。ほぼ全員がPA前に集結するけど日本もほぼ全員がエリア内に入る。ラインが深すぎるとしきりにNHKの解説をしていた早野氏が指摘する。そして中に放り込まれたボールに赤と青のジャージーが犇めく、何度もクリアーするがPA外にボールが出ないそして最後に日本ゴールネットを揺すられてしまった。 延長前半にPKを与えた黄載元が蹴り込んだ執念のシュートだった。

あぁ何しとんのやぁぁぁぁ、 これで5年ぶりの日本の公式記録の勝利が潰えてしまったと思った。 女性韓国サポーターが感涙を流しているシーンが映った。 韓国の底力を見せられた気がした。そして勝負はPK戦に委ねられた。

PK 戦はルーレットの様なものと多くの専門家が云う。だからPK戦に持ち込まれた試合は引分けと記録されるのかな…
勝負は1人目で決まると思った。本田圭祐が決めて韓国は具滋哲が外した。この時点でかなりの確率で日本が勝てると思った。
マスコミは前回の Asian Cup での3位決定戦を繰り返すが私は1992年北京で開催されたダイナスティカップを思い出した。あの試合も鄭在権に先制されて中山のゴールで追い付き延長戦に入り高木のゴールで逆転してその直後に金正赫に同点ゴールを許したがPK戦で韓国を破った。
得点経過はこの試合と同じだった。だから今度も…と思った。そして願った。

この試合MVP級の活躍をした長友が失敗し、先制のPK戦を与えるきっかけを作った今野のPKで終止符が打たれた。
黄載元、今野、共に試合で負った負債を償還出来たのでは、と思った。

そして試合に勝ってくれた嬉しさと120分で勝てなかった事が複雑に絡み合った。
でもじわじわと“韓国に勝った。”と云う実感が沸き上がり、次の試合オーストラリア対ウズベキスタンの試合を何の気無しに “眺めていた。”
そして気がつけば前半が終わり後半も半ばにさしかかっていた。日豪対決が実現すると言う嬉しさがこみ上げて来た。 

試合翌日でも、奇誠庸、香川、話題は尽きない。
最終日まで日本が残るその喜びが再浮上する。
相手はオーストラリア、これから私と“サッカー識者” “サッカージャーナリスト”との一戦が始まる。そして睡眠不足の日々もあとわずかとなった………



  
  

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