United Minds (Strikes Back)

2013年に解散した電子音楽ユニット、SpiSunのWeblog“United Minds”跡地

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Madness,madness,they call it madness...(ボーナス・トラック) 〔by ラウド〕

2006-10-29 18:18:02 | Music

もうライブから三ヶ月も経っている。日本広しといえども、未だにこのライブ・レポートを書いているのは僕ぐらいのものだろう。もうここからはレポートというより、余話みたいなものだけれど。

ライヴが終わった後、僕らはしばらく会場に残った。余韻に浸りたいというのもあったが、某巨大匿名掲示板で得た情報によると、セットリストを書いた紙などをスタッフがばらまいてくれるとの事らしい。
それを知ってか知らずか、結構な数の女の子達が歓声を上げながらステージ前に固まっている。そのバイタリティに少々気圧されながらも、僕らは少しずつ距離を詰めていった。
紙が舞っている。例のセットリストを書いたやつだ。そこに分け入っていくほど僕らも厚顔無恥ではない。一貫してライブ中をスーツで通したマッドネスのメンバーのように、常に英国紳士でありたいもの…などとしょうもない事を考えていたら、ステージ上の女性スタッフ(サグスの奥さん?)と目が合った。
刹那、弧を描いて宙を舞うドラム・スティック。言うまでもなくドラマーのウッディがついさっきまで使っていたやつだ。それはドイツでのジョー・コールのループ・シュートの如く見事な曲線を描いて僕の頭上を越え、この場合のゴール・ネットである、Fの掌にゆるやかに収まった。

狂喜するF。まぁ当然だろう。こいつは普段、自分はついていない…といった話をよくするが、こと僕と行動を共にする時の事を考えるとにわかには信用しがたい。ジェフの試合を観に行った時には、当時売り出し中だった村井慎二(現・磐田)が投げたサイン入りのミニタオルを見事にキャッチしたし、アイルランド代表が2002年に来日した際には、練習場だった稲毛でGKシェイ・ギブンのサインもしっかりもらっている。
そして今回はウッディのスティックだ。同行しているもう一人の男、つまり僕はその度に羨ましそうに横目で見ることしか出来ないのだから、そんなに運が悪いとは思えないのである。


もう一つ、書いておかなくてはならない事がある。ステージ上に乱入した輩の事である。
ライブの多幸感に水を差したくなかったのであえて本編では一文で触れるに止めたが、マッドネスのいるステージに何度も上がった者がいたのである。
最初は、本編でも触れたスキンヘッド風白人である。警備スタッフを嘲笑うかのように何度も何度もステージと客席の間の僅かな緩衝地帯を、妙なステップで往復していた。マッドネスのムカデダンスのつもりだったのだろうか。ちなみに彼は、何度もマッドネスに英語で話し掛け、チャスもしくはサグスに「ここは日本なんだから日本語で話せ」とたしなめられていた(らしい)。大方「俺はマッドネスと同じ英国人なんだぞ!お前らみたいな日本人とは違うんだぞ!どうだどうだ!」とでも言いたかったんでしょうな。はいはい、えらいねすごいね、よくできました。
そんな彼に日本人の警備スタッフは、一人を除いて殆ど職務放棄状態だった。まぁ、見た目完全にスキンズだからね。おっかないというのはよくわかるけど…でも怠慢とのそしりを受けるのは仕方ないだろう。結果として、米国でも大ヒットした「Our House」のメロディによりエキサイトしきったスキンヘッド風の、ステージへの侵入をいとも簡単に許してしまったのだから。
ステージ上での彼の行動は狼藉と言ってしまっていいはずだ。サビのフレーズを高らかに歌い、ステージ上を例の妙なステップで走り回り、メンバーに跪いて祈りを捧げ、あろうことかチャスやサグスにキスまでした。そりゃ楽しかろうよ。彼一人だけは。
ここまで蹂躙された警備スタッフ。しかし、彼らは最低限の職務は果たそうとしたのだろう。件のスキンズ風にあてられるようにしてステージに上がろうとした若い日本人を、2、3人で四肢全てを押さえ付けて引き摺り降ろしたのだ。
しかし、残念ながらそれはスキンズ風によって蓄積された欝憤を晴らしているかのように見えてしまったのは僕だけだろうか。「日本人にまで舐められてたまるか」的な気迫を感じたが、それだけの必死さがあればこれほど好き放題やられずに済んだような気がする。哀れなことに捕われた彼は、少なくとも僕らの前には二度と姿を現さなかった。
後でFに聞けば、ライブ中に眼鏡を飛ばして紛失し、ヤッさん以上に狼狽しているところを眼鏡を発見して救ってくれたのがどうも彼らしい、との事だ。僕らにとっては恩人である彼は、あろうことか生贄として捧げられる身になってしまった。事の顛末を考えると残念極まる。どうか彼に神のご加護がありますように。
結局、例の白人は本編ラストの「Madness」でもステージに上がり、それを号令にするように多くの日本人もステージ上に闖入した。彼らはスカ・バンドのメンバーらしい。で?スカではないけれど、僕もマッドネスの影響を少なからず受けて音楽をやっている者なんだけど。Fだって最近ギターの腕を上げ始めている。バンド云々はエクスキューズとはならない。
確かに“狂った”ショウの終わり方だった。面白いかどうかは別として。
この乱入に関して、オーディエンスの皆さんがどう思っていたかは、正直色々なブログを巡ってみてもよくわからなかった。でも率直に言わせてもらうと、僕は全く愉快とは思わなかったのだ。むしろ彼らを冷ややかな目で見ていた。
何故なら、僕は彼らを見るためにチケット代を出しているわけではない。マッドネスを観たくてAXへ行ったのだ。勿論、オーディエンスとアーティストが一体となってライブならではの感情の起伏、音へのダイナミズムが生まれるわけだが、残念ながら一連の行動がそれに貢献しているとは、少なくとも僕は思えない。はっきり言ってしまえば、お呼びじゃないのである。もし演奏に支障をきたすような事態が起きたら、一体どうするんだろうか。
こういう僕を野暮な奴という人もいると思うけど、別にどう思おうが自由だと思う。あなたにはあなたの、僕には僕の考え方がある。で、僕はあの行為をいらないな、と思った。それだけの事です。


とはいえ、そんな事であのライブの意義が薄れるわけもなく、伝説の男達に立ち会うことが出来たという素晴らしい体験だけが残ったのであった。

 

(次回、ようやくラストです)

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3 コメント

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Unknown (cloud9)
2006-10-30 00:55:19
たとえ3ケ月経とうと書き続けましょう~しかもボーナス・トラックとは憎いですね~(笑)
Unknown (フルシチョフ(本人))
2006-10-30 02:59:02
別の所でツケは払わされるだろう。
現に色々な面で払っている真っ只中だ。
Unknown (ミカ・ラウド)
2006-10-30 23:06:04
>>cloud9さん
今年屈指のイベントですからねぇ。でもちょっとゆっくり書きすぎかなw。

>>ニキータ・セルゲイビッチ氏
遂に降臨か。
現在の気持ちは察する。何とか耐えて帰ってきてほしい。和製ベルカンプの名も返上のチャンスだ。

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