月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ヴィンデミアトリックス・7

2015-10-20 04:17:53 | 詩集・瑠璃の籠

蝶々のひげで作った
神の筆が風に乗り
人間の顔に
見えない印を書いていく

その印は
顔から体内に染みこんで
血流の中に溶け
全身に広がって行くのだ
それだけでもう
その存在はだめになっているのだよ
おまえたちにはわかるまい

それはおまえたちが
偽物の人生や人間しか
ほとんど見たことがないからなのだ
本当の人生というものは
そう安楽にうまくいくものではなく
心を揺さぶる
厳しい試練が何度もあるものだと
それを乗り越えることによって
人の心は強くなってくるものなのだと
今の人間はほとんど知らないのだ

甘いものばかり食べていると
体がおかしくなってくるように
試練の実を食べないと
人間もおかしくなってくる
ずるをして 馬鹿をして
自分の得ばかりを考えて
痛い経験を味わったこともなく
人を愛したこともなく
老いていったものは
何も学ばずに生き
せっかくの人生を棒に振り
プライドばかりが高い馬鹿になる

人類は 分けられる
神によって 分けられる
あまりにも惨いことをやった人間には
神のしるしがつけられ
血流の中にそれが溶け込んでゆく
それは すべてがだめになった人間という意味だ
すべての愛に嫌われた人間という意味だ
そしてそれらは人間ではないものに落ちて
永遠の地球創造活動からはじかれる
もう二度と ここに帰ってくることはできない

何を得て 何を失ったのか
いずれわかる時が来るだろう
だがそのときにはもう全てが遅い
いつまでも 
馬鹿ばかりやっているのではない
そろそろ目を覚ませ
絶望の坂を転げ落ちる前に
目を覚ませ



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