月の岩戸

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ミネラウヴァ・11

2017-03-12 04:20:21 | 詩集・瑠璃の籠

小さな弱い者は
偉くなりたいと思うと
いつも最高の神を考える

世界で唯一の
どんなものより偉い神を考える

みんなが
自分のいうことを聞いて
自分のためになんでもしてくれる
そういう
ただ一つの
一番偉いものになりたいと
馬鹿は考える

そんなものになれば
もう何もしなくていいからだ
怖いことなど何もないからだ
痛い思いなどしなくて済むからだ

世界中のすべてが
自分のためになんでもしてくれるからだ

馬鹿はいつも
そんなことを考えて
馬鹿なことをなんでもやるのだ
人間を馬鹿にして
魂を腐らせ
自分のいうことを聞く道具にしようとする
それで権力を作るが
いつもそれはすぐにだめになる

一番偉いものになりたい
一番偉いものになりたい
苦労なんてしたくないからと言いながら
死ぬほどつらい苦労を
延々と続けている

小さな弱い者は
一番偉くなりたいと
考え続けている限り
醜い小者であり続ける

永遠に
何もしようとしないからだ




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