小賢しい知恵を使って
うまく得しようとしてはいけません
それは
自分がやるのはいやだから
おまえがやれということを
うまい言い方で取り繕って
自分の背負わなければならない荷を
他人に押し付けるということなのです
一度はうまく騙せても
いつまでも同じ手が通用するはずはない
人間は痛い目に会うと勉強するものですから
どんなにうまい手にも
いつかは引っかからなくなる
馬鹿な知恵を使って
自分の背負わなければならない荷を
他人に押し付けると
それで他人を苦しませた分
また自分の荷が増える
それがいやで
また他人に押し付けると
また増える
勉強しなければならないことが
重い石のように積み重なって
山のように膨れ上がる
それを背負うのがいやで
また小さい知恵で他人に押し付けようとする
それでとうとう破たんしても
まだ押し付けようとして
もう誰もだまされない馬鹿な知恵を使おうとして
みなに笑われる
自分の荷は
正直に自分が背負うということが
一番正しく
一番幸福なことなのです
そろそろ馬鹿なことはやめなさい
もうどんなにがんばっても
悪魔の知恵に人間はひっかかりません
見破られてしまったからです
悪魔はただ
人を馬鹿にして
人が弱くなったスキをついて
自分の影を他人に押し付けようとしているのだと
もう誰も
その手に引っかかるものはいないのです