月の岩戸

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ミネラウヴァ・4

2017-01-04 04:15:30 | 詩集・瑠璃の籠

人間たちが
小さなこまどりを愛するような
愛で
神は人間を愛する

それは
性的色合いの一切ない
清らかな愛です

ただあまりにもかわいいので
愛さずにいられない
生まれてくる愛の快楽に
酔いしれずにいられないほど
深く愛してしまう

小さなこまどりは
まだ世界のことなど
ほとんど知らない
小さな知恵と翼で
懸命に飛び
懸命に愛し
生きている

つまは暖かい
子はいとしい
虫はうれしい
翼は痛い

感じることが
感じることが
はじけ飛ぶほど
苦しい

ああ
なんと
うつくしいのだろう

おまえを愛している

性的色合いのない
清らかな愛は
存在します
それは
酒の入っていない
清らかな青い水のような
愛です

それがあるだけで
すべてが
澄み渡った幸福に包まれるのです





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