月の岩戸

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ベネトナシュ・9

2016-10-16 04:22:19 | 詩集・瑠璃の籠

馬鹿というものは
悲劇に酔います
厳しいことになったという現実を
飲み込まずに
自分を現実から遊離させて
まるで物語を読んでいるかのように
何度も何度も
自分に起こったシチュエーションを語っては
その悲劇性に酔っているのです

現実を乗り越えるために
何かをしようなどとは思わない
ただ悲劇に終わった物語を
何度も何度も読み返し
つらいつらい つらいつらいと言って
いつまでも浸っている

実際
悲劇の罠が
自分の足をぎりぎりと絞めているというのに
その痛さにも自分を麻痺させて
いつまでも
現実の物語を読み返しては
何もせずに寝転んでばかりいる

だれか自分の気持ちを聞いてくれと言って
他人によっていくが
相手にされないと
馬鹿になって相手にとりつく
いつまでも離れない
どんなにかがんばって
自分で乗り越えろと言っても
半分眠っているような目で哀願し
つらいつらい つらいつらいと
繰り返す

何もかも
現実でなければいいのに
夢だったらいいのにと
そのうつろな目が語っている

馬鹿はそうやって
いつまでも逃げているのです




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