月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
コメントはゲスト・ルームにのみお書きください。

アルドラ・13

2018-01-23 04:15:10 | 詩集・瑠璃の籠

凡庸という霧の中に
いつまでも逃げているのは
今のその暮らしが
あるいは今
いちばん欲しいと思っているものが
かけがえのない大切なものだと
思い込んでいるからです

セックスができる女をつかまえることが
いいものをくれる男をつかまえることが
何より大事なのだと
思い込んでいるのです

だがそんなものは
凡庸の夢から覚めてしまえば
何でもないものだ
セックスなど別に欲しくなくなる
いいものはもう自分が持っている

段階の壁を超えれば
そこに新しい真実の世界があり
もっと高い幸福があるのです

いじましく抱きしめている
蠅の王の栄華を捨て
裸の自分となって
神の声に従い
霧の中から飛び出してきなさい

あなたが
何をやるのもつらいのは
自分をくだらないものだと
思いすぎているからだ
その鎖を引きちぎれば
あなたは自分に
自由に人間の空を飛べる
風のような翼があることに気付く

何かができる自分というものが
内部から熱く高まり
あなたの真実の輪郭と重なる時
あなたは新しいものになっている

その時
過去の自分をふりかえれば
かつてあれほど欲しかったものが
ガラクタよりもむなしいものに
見えるでしょう




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アルメイサン・5 | トップ | 冬の掲示板 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

詩集・瑠璃の籠」カテゴリの最新記事