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おばあさんは魔女 (((( \ /:
(^-^)∬\
∞ ∬∬
魔女の呪文は、SEE YOU ONLINE!
2012 /02/01 NO.120
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─ 今号の目次 ─
◆魔女の花鳥風月
『タツノオトシゴにあやかる?』
◆魔女セレクション
『赤い靴』
◆魔女のたしなみ
『老いへの不安』を読む
◆編集後記
*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*
◆魔女の花鳥風月『タツノオトシゴにあやかる?』
今年は辰年とあってか、あちこちでタツノオトシゴの絵を見かける。
タツノオトシゴのHippocampus(ヒッポカンポス)という学名は、体の
前半部が馬、後半部が魚の尾という同名の空想上の動物から名付けられ
たと言う。このヒッポカンポスは、ギリシャ神話にポセイドーンの戦車
をひく馬として登場するが、世にも珍しい「オスが出産する魚」と表現
されることもある。
タツノオトシゴのオスの腹部には、カンガルーが子どもを入れる袋と同
様な「育児嚢」が備わっている。そして、産卵の際にメスがオスの育児
嚢に卵を産み付け、卵が孵化して稚魚に育つまでの数週間、オスが育
児嚢の中で育てる。実際に卵を産むのはメスだが、卵を産み付けられた
オスの育児嚢は妊娠中のお腹のように見え、そこからポンポンと稚魚
が飛びだしてくる様子は、あたかもオスが妊娠・出産しているように
見えるらしい。
イクメンもイクジィも顔負けのタツノオトシゴというわけで、今年は
なんだか少子化に歯止めのかかる気配アリ!?
*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*
◆魔女セレクション『赤い靴』
企業は、利益をあげることを最優先にせず、社会のためになるという動機
で、事業を興すべきだというビジネスストーリーである。
老人施設から「老人が廊下を歩いていて転倒することがあるが、転倒しに
くい靴が作れないか」との問い合わせがあった徳武産業では老人向けシューズ
に取り組むことになった。95年頃のことである。社長は、夫人と二人で、周辺
の老人施設を回った。高齢者の方々と話をし、要望を聞いた。
2年間で、30施設、500人もの高齢者に話を聞いたという。それで生まれた施
設履きの靴は、つま先のところが少し上がった靴だった。
靴にネームを入れることもできる。ありそうなサービスだが、大事な
気遣いである。以前施設を訪問したときに、入所者の方々の履き物にマジック
で名前が書かれているのを見て、なにやらもの悲しさを覚えたことがある。
「小学生でもあるまいし、何十年も生きてこられた方の尊厳が消えている」と、
そんな思いがしたことを思い出した。
徳武社長は老人施設の夏祭りの準備を手伝っていたとき、一人のおばあちゃんに
出会った。そのおばあちゃんは90歳を超えているのだが、徳武産業の赤い靴を
買って履いていた。「赤い靴を履くのが夢だったの。この靴を履いて歩くのが
うれしくて、今はこの靴を枕元に置いて寝ている」とのこと。
転倒予防ばかりでなく、明日の夢を見るための「赤い靴」が、香川の弱小靴
メーカーを救い、この未曾有の高齢社会に光を投げかけている。
「ダイヤモンド」2012年1月30日号より
*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*
◆魔女のたしなみ『老いの不安』を読む
春日武彦『老いへの不安』を読む。
歳をうまくとれないために生じる恥、勘違い、いかがわしい振る舞い。老人
たちの不安に向き合ってきた精神科医の臨床現場での知見と数多くの文学
作品の読解をもとに老人の心に迫った哀しくもおかしな老いの見本帳である。
春日さんは、「ステキな老人に関する手掛かりが少ない。適切なモデル
がなく、どううまく歳をとっていったらいいのか分からない。おそらく
団塊世代以降は誰もが“歳をとりそこねる”。少なくとも成り行きに
まかせていれば“まことしやかな老人”になりおおせる世の中ではなく
なってきている」と、宣言する。
富岡多恵子著『立切れ』の老人、吉行淳之介の『葛飾』に登場する老人と、
ダークサイドの分析は気が重くもなる。しかし、武田花の『老女』は、目の
前のささやかな幸福を喜び(それが他人の事であろうと)、祝い、その思
いを率直に口にできるおおらかさを持つ。
「相応の人生経験と気取らない諦念が必要なことを身を持って示せる老人、
ことに老女が羨ましい」と春日さん。「当たり前の日常に備わった微妙な味
わいを理解できるようになるのは、老いの効用」と言い、「老いについて語
ることは、結局、幸福について考えを巡らせること」とも。
精神科医春日先生の処方箋は、ズバリ、自分から気持ちよく挨拶すること!
*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*
【編集後記】
関東地方でも大雪を体験、雪国の生活の大変さを想像するばかり。お大事に。
加えて地震も続く。今、最も新しい仮説だという「プルームテクトニクス」、
地震と火山の噴火の連動のことだと言うが、マントルやマグマの動きが地殻変動を
起こしているらしい。幼い日の桜島の噴火を懐かしんでいる場合じゃない。
加齢に加えて自然の脅威までが、わが身を苛む。 魔女っ葉
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─ 今号の目次 ─
◆魔女の花鳥風月
『タツノオトシゴにあやかる?』
◆魔女セレクション
『赤い靴』
◆魔女のたしなみ
『老いへの不安』を読む
◆編集後記
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◆魔女の花鳥風月『タツノオトシゴにあやかる?』
今年は辰年とあってか、あちこちでタツノオトシゴの絵を見かける。
タツノオトシゴのHippocampus(ヒッポカンポス)という学名は、体の
前半部が馬、後半部が魚の尾という同名の空想上の動物から名付けられ
たと言う。このヒッポカンポスは、ギリシャ神話にポセイドーンの戦車
をひく馬として登場するが、世にも珍しい「オスが出産する魚」と表現
されることもある。
タツノオトシゴのオスの腹部には、カンガルーが子どもを入れる袋と同
様な「育児嚢」が備わっている。そして、産卵の際にメスがオスの育児
嚢に卵を産み付け、卵が孵化して稚魚に育つまでの数週間、オスが育
児嚢の中で育てる。実際に卵を産むのはメスだが、卵を産み付けられた
オスの育児嚢は妊娠中のお腹のように見え、そこからポンポンと稚魚
が飛びだしてくる様子は、あたかもオスが妊娠・出産しているように
見えるらしい。
イクメンもイクジィも顔負けのタツノオトシゴというわけで、今年は
なんだか少子化に歯止めのかかる気配アリ!?
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◆魔女セレクション『赤い靴』
企業は、利益をあげることを最優先にせず、社会のためになるという動機
で、事業を興すべきだというビジネスストーリーである。
老人施設から「老人が廊下を歩いていて転倒することがあるが、転倒しに
くい靴が作れないか」との問い合わせがあった徳武産業では老人向けシューズ
に取り組むことになった。95年頃のことである。社長は、夫人と二人で、周辺
の老人施設を回った。高齢者の方々と話をし、要望を聞いた。
2年間で、30施設、500人もの高齢者に話を聞いたという。それで生まれた施
設履きの靴は、つま先のところが少し上がった靴だった。
靴にネームを入れることもできる。ありそうなサービスだが、大事な
気遣いである。以前施設を訪問したときに、入所者の方々の履き物にマジック
で名前が書かれているのを見て、なにやらもの悲しさを覚えたことがある。
「小学生でもあるまいし、何十年も生きてこられた方の尊厳が消えている」と、
そんな思いがしたことを思い出した。
徳武社長は老人施設の夏祭りの準備を手伝っていたとき、一人のおばあちゃんに
出会った。そのおばあちゃんは90歳を超えているのだが、徳武産業の赤い靴を
買って履いていた。「赤い靴を履くのが夢だったの。この靴を履いて歩くのが
うれしくて、今はこの靴を枕元に置いて寝ている」とのこと。
転倒予防ばかりでなく、明日の夢を見るための「赤い靴」が、香川の弱小靴
メーカーを救い、この未曾有の高齢社会に光を投げかけている。
「ダイヤモンド」2012年1月30日号より
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◆魔女のたしなみ『老いの不安』を読む
春日武彦『老いへの不安』を読む。
歳をうまくとれないために生じる恥、勘違い、いかがわしい振る舞い。老人
たちの不安に向き合ってきた精神科医の臨床現場での知見と数多くの文学
作品の読解をもとに老人の心に迫った哀しくもおかしな老いの見本帳である。
春日さんは、「ステキな老人に関する手掛かりが少ない。適切なモデル
がなく、どううまく歳をとっていったらいいのか分からない。おそらく
団塊世代以降は誰もが“歳をとりそこねる”。少なくとも成り行きに
まかせていれば“まことしやかな老人”になりおおせる世の中ではなく
なってきている」と、宣言する。
富岡多恵子著『立切れ』の老人、吉行淳之介の『葛飾』に登場する老人と、
ダークサイドの分析は気が重くもなる。しかし、武田花の『老女』は、目の
前のささやかな幸福を喜び(それが他人の事であろうと)、祝い、その思
いを率直に口にできるおおらかさを持つ。
「相応の人生経験と気取らない諦念が必要なことを身を持って示せる老人、
ことに老女が羨ましい」と春日さん。「当たり前の日常に備わった微妙な味
わいを理解できるようになるのは、老いの効用」と言い、「老いについて語
ることは、結局、幸福について考えを巡らせること」とも。
精神科医春日先生の処方箋は、ズバリ、自分から気持ちよく挨拶すること!
*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*
【編集後記】
関東地方でも大雪を体験、雪国の生活の大変さを想像するばかり。お大事に。
加えて地震も続く。今、最も新しい仮説だという「プルームテクトニクス」、
地震と火山の噴火の連動のことだと言うが、マントルやマグマの動きが地殻変動を
起こしているらしい。幼い日の桜島の噴火を懐かしんでいる場合じゃない。
加齢に加えて自然の脅威までが、わが身を苛む。 魔女っ葉
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