まじょのイチ押し (メルマガ)

おばあさんは魔女

魔女の呪文は、SEE YOU ONLINE!

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おばあさんは魔女 11月号

2016年11月13日 | おばあさんは魔女
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    魔女の呪文は、SEE YOU ONLINE!
                  2016/11/1   NO.177
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─ 今号の目次 ─
   ◆魔女の花鳥風月  『秋の暮れ、いろいろ』
   ◆魔女セレクション 『美女の条件』
   ◆魔女のたしなみ  『フードドライブ活動』
   ◆編集後記 
*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*  
◆ 魔女の花鳥風月『秋の暮れ、いろいろ』◆
    枯枝に烏のとまりけり秋の暮

   芭蕉の最初の傑作とされる句である。
 “秋の暮れの枯れ枝、そして枯枝の上にある烏の愁いに満ちた凝集の
  強さが、一瞬でありながら永遠に消えることのない情景を構成する”
  というのは、ドナルド・キーン氏(コロンビア大学名誉教授)である。
  そして、この句の静寂の美が、和歌にうたわれた多くの「秋の夕暮れ」に
 よるというのが、ツべタナ・クリステワ氏(国際基督教大学教授)で、

    さびしさはその色としもなかりけり真木たつ山の秋の夕暮れ(寂連法師)
    心なき身にもあはれは知られけりしぎ立つ沢の秋の夕暮れ(西行)
    見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ(藤原定家)

 の寂寞たる静けさの「あはれ」を挙げている。
  芭蕉の末期の俳句の一つもまた、「秋の暮れ」を詠んだものである。

    この道や行く人なしに秋の暮
  
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◆魔女セレクション『美女の条件』◆
 源氏物語には、数々の美しい女君が登場する。
誰の姿形がどのように美しいのかという具体的な描写はほとんどない。
しかし美女たちとは反対に、醜女の末摘花の描写は残酷なまでに具体的である。
極端にやせていて、胴長。そして肌が青白く、鼻は長くて赤い。ただ、豊かな
黒髪を持つ。しかも彼女は宮家の姫君にふさわしく高貴な心情の持ち主で、光
源氏が須磨明石に流浪したのちも源氏を待ち続ける。
 もう一人、美しくない女君として登場する空蝉、彼女も女としてのたしなみ
が深く、立ち居振る舞いの見事さで、実際の養子に関わりなく魅力的である。
生まれつきの肉体の美しさよりも、その精神によって美しくなる女性こそ、紫
式部にとっての美女の条件だったのだろうか。
 嫉妬から生霊になった姿を源氏に見られてしまった不幸な貴婦人六条御息所
も、源氏と別れの語らいをする嵯峨野の場面では、女ざかりを過ぎて衰えかけ
た哀切な美しさが、晩秋の風景と二重写しになっている。
 女は美女に生まれるのではない。自ら美女になる?
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◆魔女のたしなみ『フードドライブ活動』◆
 横浜市内のあるスポーツクラブの一角に、口の開いた段ボールがいくつも並ん
でいた。中に雑然と入っているのは、様々な食糧。「賞味期限をご確認ください」
との張り紙がある。
 米国発祥のボランティア活動フードドライブと呼ばれる活動の一環である。生活
困窮世帯向けに食料を寄付する。日本で注目されるようになったのは、リーマンシ
ョック後のことだという。
 日本のいわゆる相対的貧困率は2010年の調査で16%に上る。きょう食べるものがな
い人が珍しくない。その一方で、まだ安全に食べられるのに捨てられる食料は500万
から800万トンにも及ぶ。そのギャップを埋めるフードドライブ。食料は、フードバ
ンクを通じて、施設などに届けられる。
 東大の研究グループが明らかにしたところによると、人間には最も恵まれない環境
に関心を寄せる傾向があり、それにかかわる脳の部位があることもわかった。
 「なにかを食べたい」が本能的欲求であるなら、「人の役に立ちたい」もそれに近い
願いであろう。
 1缶が、1袋が、誰かのきょうを救う。
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◆編集後記◆
 
  曼珠沙華どれも腹出し秩父の子
 秩父出身の金子兜太氏は、俳人黒田杏子さんとの対談で97歳の心境を問われ、小学
校の先生への恩を繰り返し称え、答えとしたという。
 そして、80年以上前の記憶を振り絞って
  ?泣きや渋る呂律のはがゆくて  と詠んだ。
 しゃくりあげ、言葉が出ない子。その頭を温かく見守る田舎の青年教師。
いじめや過ぎる体罰に傷つく子供のこころを大人は見守りたいものである。
                              魔女っ葉
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おばあさんは魔女 10月号

2016年11月13日 | おばあさんは魔女
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    魔女の呪文は、SEE YOU ONLINE!
                  2016/10/1   NO.176
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─ 今号の目次 ─
   ◆魔女の花鳥風月  『萩の花』
   ◆魔女セレクション 『ふるさとの物語』
   ◆魔女のたしなみ  『百物語体験』
   ◆編集後記 
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◆ 魔女の花鳥風月『萩の花』◆
    はらはらと時間こぼれる萩の花     小檜山繁子

 暑い日が続き、大雨にも悩まされた9月が過ぎて、やっと秋の日が楽
しめそうである。
 奈良時代の貴族・歌人の山上憶良(660~733)が『万葉集』に詠んだ
    秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば
       七種(ななくさ)の花
のうたに因んで秋の七草のひとつに数えられる。
 でも、“ハラハラとこぼれる”時間に、落ち着かない我が身を重ねて、
その薄紫色のはかなさが一層こころにしみる。
 控えめで細やかな美しさに由来するといわれる「内気」「思案」と言う
花言葉、加えて「過去の思い出」「物思い」という花言葉は、 どことな
く寂しげな風情を感じさせるためであろうか。

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◆魔女セレクション『ふるさとの物語』◆
『ふるさと60年』─戦後の日本とわたしたちの歩み
 2012年に発行された、道浦母都子さんの絵本である。

 おじいちゃん、おばあちゃんが孫に語るふるさとの物語で、最初のページは
「1946年ころの夏」。
家々の屋根の多くは茅葺で、子どもたちは紙芝居や三角ベースや小川の魚とり
に興じている。
5年あるいは10年単位で、移り変わる町の様子が描かれ、その時代ごとの遊びや
流行り言葉が記されている。
「1996年ころの夏」では、高層ビルが林立し、風景はすっかり変貌している。
“社会から露な貧困が消えていって、その意味では私たちは多くを得たのだけ
れど、同じくらい多くを失っていったのだと思う。その中でなお大切に残した
いものは何かという思いを込めてみたのですが”という。
「いまから未来へ」の最終ページでは、埋め立てられた川が再び現れ、緑の
森が広がっている。

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◆魔女のたしなみ『百物語体験』◆
 百物語(ひゃくものがたり)は、日本の伝統的な怪談会のスタイルのひとつ
である。
起源は不明だが、主君に近侍して話し相手を務めた中世の御伽衆に由来するとも、
武家の肝試しに始まったとも言われている。
 新月の夜に、真っ暗な部屋で何人もの人々が集まって怖い話を一話一話語っ
ていく。
別の部屋では百本ろうそくに火がつけられているが、一話語り終えるごとにそ
の火を一本ずつ消していく。最後の百本目が消えた時に妖怪や幽霊が現れると言
われているので、九十九話でやめ、朝を待つ。
 2014年、「第九十九話ファイナル公演」で語られたのは、泉鏡花『天守物語』
だったという。
白井加代子「百物語」は、1992年6月の第一夜から、足掛け22年に亙って紡がれ
て来て九十九話。
“白井加代子「百物語」第2章の始まり”とうたった横須賀公演のアンコール
上演会は、満席。2時間に及ぶ、朗読と言う枠を超えた立体的な語りと動きは、
さすがに圧倒されるものであった。
 台風の中を、赤ん坊を背負ったおばさんのおんぼろ飛行機に乗り合わせてし
まった二人組の恐怖体験・筒井康隆「五郎八航空」と、最も白石加代子らしい
作品と言われる、南条範夫「燈台鬼」である。
 異国の地で行方不明になった父(遣唐使・小野石根)を探しに唐の地へ渡っ
た息子の苦労と、そこまで母一人の手で育てた母親の苦労に泣ける。これは、
南条氏の芥川賞受賞作である。原作も読んでみたいものだ。
必死で探す息子であるが、見つからない。帰国が迫った宴の席、現れた奇怪な
見世物集団。片手片足の美女の舞い。子どものころから四角い箱に入れて育て
られた真四角の男。そして・・・・・。
 早いテンポの名調子でヒタヒタと佳境へ入っていく。
 息子と気づいた父親は、足指を削った我が血で名を書き知らせようとする。
しかし、誇りと長年にわたる艱難辛苦は、祖国を目前に海に飛び込むという結
末を我が身に強いた。
 愛する妻を一目でも見たかったろうにとため息とも悲鳴ともつかぬ空気が会場
を包んでおわり。

「燈台鬼」と「五郎八航空」、私の中の百物語は、まだまだたった二話であるが、
もう私の心の中には魔物が住み着いたのかもしれない。怖さも気味悪さも何もな
いのに、どういうわけか、その夜はいつまでもねむれなかった。

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◆編集後記◆
 
『花やすらい』道浦母郁子の歌集である。
「花やすらい」とは、花や風に安らぎを覚えつつ過ごしてきた歳月への感謝を込めた
もの。いま老いを迎えつつある世代がふと覚える感慨でもあろう。
 少女時代を3年間過ごした鹿児島県吹上浜の友人から、同窓会誌への投稿をすすめ
られた。砂浜の藪の中で咲き誇っていた白い花の名が「エゴの木」で“壮大”という
花言葉をもつことなど教えてくれた父を思い出した。
 父も母もなく、ますます遠くなるばかりの故郷ではあるが、共に年を重ねた友の面
影と訛りは懐かしい。
                              魔女っ葉
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おばあさんは魔女 9月号

2016年09月17日 | おばあさんは魔女
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    魔女の呪文は、SEE YOU ONLINE!
                  2016/9/1   NO.175
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─ 今号の目次 ─
   ◆魔女の花鳥風月  『すすき』
   ◆魔女セレクション 『絵本「かわ」と日本の「見取り図」』
   ◆魔女のたしなみ  『オムツ党走る』
   ◆編集後記 
*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*  
◆ 魔女の花鳥風月『すすき』◆
       すすき
              工藤直子
   すすきが
   しんしんと のびて
   秋になる
   あそこ あそこ あそこと
   すすきは風の行方をゆびさす
   すすきの指にさそわれて
   人々は 頭をめぐらせ
   ついに おおきな空をみつけた
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◆魔女セレクション『絵本「かわ」と日本の「見取り図」』◆

  科学絵本という新ジャンルを切り拓いた加古里子の代表作『かわ』
(1962年、福音館書店)が、9月中に装丁を一新して発売される。
 71年前の夏、加古の魂は死線をさまよっていた。
 軍に入り航空士官になることを自ら目指した道も、視力の低下で断
念せざるを得なくなった。そして、同じ道を選んだ同級生たちは特攻
で散っていった。これまでの価値観は跡形もなく崩れ落ちた。
敗戦直後の9月、東大本郷キャンパスにに戻った加古は、法律から経済、
医学まで手あたり次第、授業を渡り歩いた。信じられる何かを求めて。
 
「これまでの僕は死んだ。新しい人生を踏み出すしかない。大人は信
用できない。それならこれから育っていく子どもたちが、自分のように
判断を誤らないように、彼らを手伝えることはないだろうか。子どもの
心に信用の気持ちがあれば、それが見取り図となって、いつか日本の風
景は本来の姿を取り戻す」
 そんな加古の思いが、紙芝居や絵本によって、子どもたちに世の中の
「見取り図」を伝える作業につながっていった。

 『かわ』のモデルとなった多摩川は、当時、茶色く汚れて悪臭を放っ
ていた。加古も参加していた東大の学生を中心としたセツルメント運動
の周辺は、工場の排水や洗剤、ごみが流れ込んで、水面には泡が渦巻く。
 それでも加古は青く澄んだ川を描いた。
 上流から河口まで27ページにわたって描かれている。山の上やダムか
ら流れてきた水が川となり、田畑や町を流れ、工業地帯を通って海につ
ながっていく。子どもたちは自宅の近くを流れる川が、山から海までの
壮大な流れの一部でしかないことに気付く。
 環境団体から、「現実と違う。きちんと汚れた河口を描け」と抗議を
受けた。しかし、加古は頑として譲らない。「川はいつか、本来の姿を
取り戻すはずだ」と。
 ただ、最後の一節にこう記した。

  まちの ごみや きたない みずが ながれこんで、
  かわは すっかり よごれてしまいました。

 それから半世紀。80回を超える増刷を繰り返し、『かわ』は世代を超
えて読み継がれてきた。多摩川をはじめとする多くの河川が、かつての
澄んだ景色を取り戻している。
 絵本の世界に、現実が追いついてきた。
そして加古は、修正を決めた。
今回販売される『かわ』からは、原作でつづった最後の2行は消えること
になった。

                  日本経済新聞、2016/8/15電子版
               子どもの記憶に残す、日本の「見取り図」

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◆魔女のたしなみ『オムツ党走る!』◆
 

 那覇市にある老人介護施設「ガジュマル」で、戦前、戦中、アメリカ占
領時代、現在とまるで4つの世界を生きてきたような三人のオバアが語る
半生記である。

 主人公・絹子は、少女の頃、人見絹代に憧れ、東京オリンピックを目指し
たランナーで、沖縄高女から東京の大学を出て、教師となった沖縄女性のエ
リート。
 カメは、米軍上陸時、砲弾飛び交う戦場をさまよいながら九死に一生を得、
戦後は、市場でたくましく生きながら、一人娘を育てた。
 ハルは、敗戦直後の占領下、食糧不足に苦しむ人々を密貿易で救った女傑
で、その後、那覇の歓楽街でバーを経営。

 それぞれに波乱万丈の人生を生きていた。

 絹子はかつて、伝説のランナー「シルク・ド・リリー」と呼ばれ、介護施設
ガジュマルでは「エスケープの女王」の異名をもつ。為せば成るの言葉を胸に、
難攻不落と言われる施設からの脱走に果敢に挑戦し続けていたが、オムツに
なってからというもの、すっかり元気がない。
 ボケが始まって一人暮らしがままならないのは自覚しているものの、もう
どうにも我慢ならない。でも、何度挑戦しても、介護士の赤嶺に阻止されて
しまう。
そんなある日、夜半にベッドでお漏らしをしてしまった絹子はショックを受
け、意気消沈。それをさりげなく励ますカメとハルから、積極的に紙おむつを
受け入れ、明るく生きていこうというオムツ党の存在を知らされ、党員となった。
「絹子さん、元気を出してちょうだいね。オムツをしても、していなくても、絹
子さんは絹子さん、カメさんはカメさん、そして私はハル。今までと何も変わり
はしないよ」と。
「オムツ党」は、オムツが必要になって落ち込んでいる人の話を聞いて、オム
ツのしかたなどを教え、その人たちが元気になったら、「あとは勝手にナーハ
イバイ(それぞれが自力でがんばる)」。
他には何もないのだという。

末期がんとなって病院へ転院することになったハルの送別外出食事会で、再び
脱走を計画する絹子。だか、そこではアメリカ軍基地の辺野古移設反対のデモに
遭遇し、大混乱。

介護、沖縄の歴史、基地問題といったシリアスで重たい問題を、しっかり受け
止めつつ、軽やかに料理しているところが、最大の魅力の物語である。

          伊波 雅子『オムツ党、走る!』(2015年10月、講談社)

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◆編集後記◆
 なんと賑やかな夏であったことか。
地球の裏側まで貫通した土管のふたを開けて飛び出したのは、「安倍マリオ
SHINZOU」氏。リオオリンピックは、予想以上のメダルの獲得だったが、「吉
田沙保里さんの涙」も感動的だった。あの努力の日々のエピソードを聞かさ
れると、ごめんなさいと詫びることなど何もないとエールを改めて送る。
 パラリンピックも始まる。続くさわやかな風を期待して、秋が待たれる。
 
                             魔女っ葉
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おばあさんは魔女 8月号

2016年09月17日 | おばあさんは魔女
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    魔女の呪文は、SEE YOU ONLINE!
                  2016/8/1   NO.174
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─ 今号の目次 ─
   ◆魔女の花鳥風月  『かき氷』
   ◆魔女セレクション 『百合子さんの絵本』
   ◆魔女のたしなみ  『川柳を楽しむ』
   ◆編集後記 
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◆ 魔女の花鳥風月『かき氷』◆
 夏の風物詩である氷菓子は、小学3年生女子会のオヤツの目玉である。
自家製のかき氷器で作るかき氷のトッピングにまで、戦々恐々の意見交
換が続く。

 清少納言も、かき氷が大好きだったらしい。
枕草子に「あてなるもの」(上品なもの)として「削り氷(ひ)のあまづら
入れて新しき鋺(かなまり)にいれたる」と涼し気に書いている。
 真夏のひととき、甘いシロップをかけた氷が銀器に盛られた風情を、平
安貴族も大いに喜んだのだろうか。
             (「枕草子」第三九段 上品なものより)

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◆魔女セレクション『ドラマ「百合子さんの絵本」を観る』◆

 ドラマ「百合子さんの絵本」は、絵本をこよなく愛し、平和を求め続けた小
野寺百合子さんの原点にあった、過酷な戦争体験をドラマ化したものである。
百合子さんこと「小野寺百合子」さんは、『ムーミン』など児童文学の翻訳者
として知られる。
 駐在武官の夫・小野寺信とともに謀報の最前線を生きた彼女の姿を通し、夫
婦の愛と絆を描く。

 昭和16年、百合子は、陸軍武官としてストックホルムに駐在していた夫の
いるスウェーデンに旅立った。到着したその日から、夫が入手した極秘情報を
暗号化し日本の参謀本部に送る毎日を過ごすことになる。夫婦共同で謀報作業
に当たり、機密を守るためだった。
 外出の時には必ず見張りが付き、子供の命が危険にさらされる緊張の日々が
続いた。百合子は母としての悲痛な気持ちを押し殺して電報を送った。
 そんなある日、信はヤルタ会談で交わされた連合国の密約の存在を知る。そ
れは「ソ連ガ対日参戦ヲ決メタ」というもの。日本の敗戦を決定づける極秘情
報だった。
 百合子は、この情報を本国が受け取ればきっと和平に動くと信じ、打電をつ
づけた。しかし、夫婦が命がけで集めた情報が誰にも届かなかった。
送れども送れども、本国からの返信は来ない。
 小野寺夫婦の情報はついに生かされることなく、原爆が投下され、日本は敗
戦を迎える・・・・・。

 戦後、百合子は『ムーミンパパの思い出』などの翻訳に携わった。一方、信
は戦時中のことには堅く口を閉ざし、無念の思いで日々を過ごしていた。
 夫にかつての誇りを取り戻して欲しいと願う百合子は、自分たちはもう一度、
過去と向き合うべきだと話す。
信は、消えた電文の行方を探る決意をする。
 戦後38年を経て、小野寺は、ある元外交官が、日本政府はヤルタ密約の内容を
知らなかったと証言しているのに接して驚愕する。はたして自分たちの送った電
報はきちんと日本に伝えられたのか。そんな疑いから、小野寺夫妻は密約電のゆ
くえを終生追い続けることになる。
 信が1987年、百合子が1998年に亡くなってからは、子供たちへその遺志が引き
継がれた。

 晩年、自らの過去を子供たちに語る決意をしたのはなぜか、絶望を経てなお、
何を未来に届けようとしたのだろうか。
 小野寺百合子の訳した『ムーミンパパの思い出』の冒頭にはこんな一節がある。
《世の中で、なにかよいこと、あるいは、ほんとうによいと思われることをしと
げた人は、みんなだれでも、じぶんの一生について、書きつづらなければならな
いのです。それはその人たちが、真理を愛し、かつ、善良であるばあいのことで
すが》と。

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◆魔女のたしなみ『川柳を楽しむ』◆

  同窓会メーリングリスト上に、川柳会が誕生。
月例勉強会の分科会として、「足腰が立たなくなっても、メール活用で遊べる」
ことが発足の決め手となった。
 第1回の合評会において発表された、栄えある優秀句は、かごっま弁、恩師
の思い出、そして桜島のけむりが盛り込まれた、決して全国共通に受け入れら
れるとは言えないかもしれないものの、笑いと少しばかりの涙を誘うものであ
った。
 とりあえずのお題は、「同窓会」というもので、
   出ッこんや 友の声がよか薬   紅さつま

 川柳の三要素は、面白さ、軽さ、穿ちだとものの本に書かれている。
川柳は先ずおもしろくなくてはならないらしい。プッと吹き出すようなもの、
苦笑いさせられるもの。さらに、軽さも必要とあっては、深刻な重い内容は
そぐわない。
 難しいのは穿ちである。広辞苑を引くと「人情の機微など微妙な点を巧み
に言い表すこと」とある。世の中を、やや斜めから見るということか。直球
ではなく変化球の世界とでも考えればいいのか。
 サラリーマン川柳などというものが、盛んである。
 また、ターミナルケアやホスピスケアに重要だと指摘されるユーモア。
このユーモア、欧米諸国ではhumor therapy として、積極的に導入されて
いる。川柳の出番もあるというのは、淀川キリスト教病院名誉ホスピス長
柏木哲夫氏である。
 老いとともに体の機能は確実に衰える。
残された力をフルに利用して、まわりとコミュニケーションをとる必要に
迫られる我々十鶴会メンバーにとって、何よりのレクレーション提案と言
えるであろう。

 性格の 不一致のまま ともにボケ

仲良く夫婦で参加の、ミセスの作品である。

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◆編集後記◆
 ムーミンの紹介者百合子さん、日本の子供たちに愛されるづける絵本の生み
の親である。
東京で選挙を勝ち抜いた百合子さんにも、未来の子供たちの幸せのために頑
張ってほしい。
 魔女は暑い夏の日、我が国の文化を守らなくっちゃと、かき氷に清少納言
への思いをはせる。                             
                             魔女っ葉
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おばあさんは魔女 7月号

2016年07月01日 | おばあさんは魔女
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    魔女の呪文は、SEE YOU ONLINE!
                  2016/7/1   NO.173
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─ 今号の目次 ─
   ◆魔女の花鳥風月  『桐の花』
   ◆魔女セレクション 『平和ぬ世界どぅ大切』
   ◆魔女のたしなみ  『言葉』
   ◆編集後記 
*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*∞*  
◆ 魔女の花鳥風月『桐の花』◆
忘るるも 老いの才覚 桐の花
           高橋 泉也
 
 今年は、なにくれとなくあわただしい初夏の日々であった。
老いの才覚どころか、箱根の山道の桐の花を愛でることすらも忘れていた。
大木の上に見え隠れする、あの薄紫色の花の「高尚」という花言葉を思い
描きながら、中国で、桐の木にだけ止まるとされる霊鳥「鳳凰」の登場す
る神話を聞いた。

 鳳凰は「聖天子の出現を待ってこの世に現れる(立派に国を治める王が
現れた時に人前に出てくる)」と言われる瑞獣(ずいじゅう)の1つ。
“世の中が平和になりますよ”という吉報を示す鳥で、平和や幸せのシン
ボル的なものと言えるものらしい。
 手塚治虫の『火の鳥』に登場する、過去や未来、地球や宇宙という壮大
な舞台を飛ぶ超生命体も、まさにその火の鳥というわけだろうか。
100年に一度自らを焼いて灰になり、幼鳥として再生するという。

 洋の東西を問わす、そして老いも若きも「桐の花」を、心に飾ろう。

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◆魔女セレクション『平和ぬ世界どぅ大切』◆
「ミーンミーン」
今年も蝉(せみ)の鳴く季節が来た
夏の蝉の鳴き声は
戦没者たちの魂のように
悲しみを訴えているということを
耳にしたような気がする
戦争で帰らぬ人となった人の魂が
蝉にやどりついているのだろうか
   ・・・・・・・・・・・・・
戦争のことを思い出すと痛むらしい
ズキンズキンと…
祖父の心の中では
戦争がまだ続いているのか
今は亡き祖父
この蝉の鳴き声を
空のかなたで聞いているのか
死者の魂のように思っているのだろうか

しかし私は思う
戦没者の悲しみを鳴き叫ぶ蝉の声ではないと
平和(ふぃーわ)を願い鳴き続けている蝉の声だと
大きな空に向かって飛び
平和(ふぃーわ)の素晴らしさ尊さを
私達に知らせているのだと
人は空に手をのばし
希望を込めて平和の願いを蝉とともに叫ぼう
「ミーンミーン」
「平和(ふぃーわ)ぬ世界(しけー)どぅ大切(てーしち)」

 6月23日は、戦後71年目の「慰霊の日」だあった。
追悼式では、金武町立金武小学校6年の仲間里咲さん(11)が、自作の平和
の詩「平和(ふぃーわ)ぬ世界(しけー)どぅ大切(てーしち)」を朗読。
 戦争で負傷した祖父が教えてくれた「平和な世界が大事」という言
葉を題名にし、セミの鳴き声を「平和を願う声」と表現して呼びかけた。

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◆魔女のたしなみ『言葉』◆
 インターネットの世界では、攻撃的かつ表層的な、ある意味わかりやすい言葉
がどんどん増えている。誰かを集中的によってたかって批判して、“炎上”させ
たりする。
 言葉というものは、しゃべって相手にぶつかることで感情をコントロールする
ことができる装置である。だから口喧嘩や悪口雑言だってはけ口として大切である
というのはきたやま氏。
そして金田一氏は、言葉は物理的なケンカを未然に防ぐ、いわゆるショックアブ
ソーバーである。そもそも日本人は自分の感情や秘密を語ることが苦手ではない
かと指摘する。

 日本語には「表」と「裏」という言葉がある。辞書には、「うら恥ずかしい」
や「うら寂しい」などのように、「心」を「うら」と読むとある。
 また、「裏」は心を意味する。すなわち「心中」「心奥」「こころの底」のよ
うに、しかし心は簡単に外へ出てこられるものではない。
金田一氏は、「裏表」は、日本人独特の言葉かもしれない。例えば、野球の「一
回の表、裏」は、英語では[top and bottom]だし、コインの裏表は、[head and tail]。
欧米人は、見える、見えないではどうも区別できないと思っているのだろうか。
似た言葉で、「うちうちで」とか本音と建て前とかある。他人の目に届くかどうかに、
日本人は非常に敏感であると言えるのもしれないという。
 さらに、心を感情のことだと考えれば、それは脳にだけあるのではない。
「腹が立つ」や「頭にくる」「髪の毛が逆立つ」、「腑に落ちない」など、全身で
心を体験しているかのような表現は面白いというのは、きたやま氏である。

 また、きたやま氏は、日本人の「表」と「裏」について昔話や神話には、「心の台
本」ともいえる人間の考え方の傾向や無意識に繰り返されがちな言動が表現されて
いるとも指摘。
 昔話の『鶴の恩返し』をもとにした木下順二の『夕鶴』を例にあげる。
罠にかかって苦しんでいた鶴が、与ひょうにたすけられたことに恩義を感じ、つうと
いう人間の女性になって、与ひょうの妻になる。しかし、機を織っている間は部屋を
覗かないでほしいという「見るなの禁止」の約束を与ひょうが破ったために、彼のも
とを去るという話。
 表では反物を織る豊穣の女神のような女性でありながら、同時に裏では、自らの羽
を抜いて傷だらけになりながら布を織っていた鶴だったという矛盾した姿を見られた
こと、その醜さ(見にくさ)に耐えかねて姿を消す。

 一般に日本人は、儚くも潔く死ぬことを美しいと感じがちである。冷静に表と裏を考
え合わせることができず、自己受容できないケースが多い。
この昔話や神話が残した教訓から金田一氏ときたやま氏は、
金田一:本人を救えなかったことを「すまなかった」と思い、罪悪感が残る。そして罪悪
   感を抱いた人は、さらに自己犠牲的にふるまう人になっていく。我々の日常の底に
   生きている悲劇の終わりなき反復でしょうか。
きたやま:この話から学ぶべきは、人間と鶴、生と死の間で「あれかこれか」と凝り固ま
   って考え慌てるのではなく、「あれもこれも:と余裕をもって二股をかける。まず 
   は二重人格的になるべきだということでしょう。
と、結ぶ。

                  『日本語大好き』文藝春秋 
                  金田一 秀穂、きたやまおさむ(精神科医)

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◆編集後記◆
「二者言語」という概念を示したのは、きたやま氏である。
精神分析医のきたやま氏は「患者との言葉は、第三者が聞いてもわかる言葉で
はなく“きれいだね”“おもしろいね”という、二人だけで通じ合う感情的な言葉や、
場合によっては身振り手振りと言った非言語的表現も含めた「二者言語」であること
が大事である。防人の恋の歌は、妻のために書いた歌であって、不特定多数の第三者
が読む教科書に載せるために書かれたものではない。現代でのラップソングも愛する
人に聞いてもらうために作るものである。人は、第二者との関係の中で愛し愛され、
時には傷つき、癒される。その間で交わされる言葉の影響は大きいと考える。
対して、子供にとって、最も重要な役割を果たす他者は母親なのではと言い「母親の
言葉が原点」とするのは、金田一氏で、言葉が息を吹き返せるのか、第三者の理解を
必要としない「二者言語」は示唆的であると断言している。
                  言葉もこころもお大事に   魔女っ葉

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