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少し前にはなりますが、アメリカで2013年に公開され、2013年度アカデミー長編アニメ映画賞を受賞し、アメリカのみならず全世界で大ヒットしたウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオズ製作の「アナと雪の女王」。日本でも大ヒットし、公開5日目には観客動員100万人を突破しました。
なぜこんなにも大ヒットしたのか? 日本でのプロモーションの仕方から、大ヒットのヒミツを探ってみたいと思います。


日本での公開は2014年3月14日で、全世界で最後の公開となりました。
なぜ日本の公開が最後なのかの議論は、別の機会に譲るとして、日本公開に向けて、様々な念入りなプロモーション戦略が計画されていました。

邦題名は「アナと雪の女王」ですが、この原題をご存知ですか?
原題は「FROZEN」。直訳すると「凍った」などの意味になるでしょうか。ちなみに韓国での題名は「冬の王国」です。原題に近いですね。
邦題からは「FROZEN」の意味がほとんどと言っていいほど感じられません。ではなぜ邦題名は「アナと雪の女王」なのでしょうか?

ウォルト・ディズニー・ジャパンの関係者の方から聞いた話ですが、アメリカ(韓国も)と日本では、映画の位置付けが違うそうです。
アメリカでの位置付けは、“ファミリー向けコメディ”だそうです。原題を「FROZEN」にし、コメディチックと多少の怖さをミックスした内容としてプロモーションしていたようです。現にアメリカ用PRポスターは、日本用PRポスターとはタッチや雰囲気が違い、少し怖い感じがします。

一方、日本での位置付けは、“大人の女性に向けたミュージカル映画”なのだそうです。子供はもちろんのこと、大人の女性が見ても楽しめることを訴えたかったそうです。現に日本用PRポスターは、華やかで女性ウケする感じがします。

この位置付けの違いは、国民性に関係しているそうです。
アメリカと韓国は比較的に似ている国民性だそうで、「FROZEN」というタイトルでの位置付けが受け入れやすいそうです。しかし日本人の国民性を考えた時、ディズニー映画という意味も踏まえた上で、「FROZEN」よりも、「アナと雪の女王」の方が日本人的には受け入れやすい名前だったということだそうです。言われてみれば、納得できるタイトルです。

このように日本では、「アナと雪の女王」というタイトルで公開に向けた準備を始めたわけですが、タイトル以外にも日本での長期的な大ヒットを狙った取り組みがなされています。その代表的なものを2つご紹介します。


口コミを促すコンテンツやニュースの投入
事前に予告を流したり、プレスリリースすることはよくあることですが、ウォルト・ディズニー・ジャパンでは、おもしろい取り組みを実施しました。
その1つが、Youtubeで、主題歌や挿入歌を流すことです。

得てしてYoutubeなどの動画サイトでは、著作権の問題でそのような動画を流すことは、ある種のタブーとなっていましたが、ウォルト・ディズニー・ジャパンではあえて、それを公開2ヶ月ぐらい前から流すことで口コミを促そうとしました。

エルサ役の松たか子さんが歌った「レット・イット・ゴー」やアナ役の神田沙也加さんが歌った「生まれてはじめて」など、劇中を飾る曲がYoutubeにアップされるやいなや、再生回数はうなぎ上りに上ったそうです。
中には一般の人が、それらの音楽に合わせて口パクした動画まで人気になるなど、「アナと雪の女王」は公開前から、多くの注目を集めることになりました。


インホームビジネスで長期ヒットを狙う
インホーム(In-home)。つまり、映画館のあとは、家でも「アナと雪の女王」を楽しんでもらう戦略です。
映画公開のあとに、DVDやブルーレイを発売することは今までもありましたが、ウォルト・ディズニー・ジャパンではこれに加えてオンデマンドをミックスした「MovieNEX」というプラットホームを構築し、家でも外出先でも「アナと雪の女王」をはじめとするウォルト・ディズニーコンテンツをいつでも楽しめる環境を用意したのです。

DVDやブルーレイを購入すると、特別特典としてスペシャル映像などが収録されていることがありますが、これだけでなく、そのDVDやブルーレイを購入した人の特典として、更なるスペシャル映像やコンテンツが、専用WEBサイトで楽しめるようになっています。
また、購入したDVDやブルーレイを「MovieNEX」を介して、スマホやタブレットに持ち出して、いつでもどこでも見られるようになっています。


以上代表的な2つの取り組みをご紹介しましたが、もちろんこれ以外にも多くの仕掛けをウォルト・ディズニーは実施しています。公開前の戦略、公開後の戦略を事前に念入りに計画し、見事大ヒットに結び付けたウォルト・ディズニーの戦略は、他のビジネスにおいても参考になると思います。

今やいい商品やサービスだから売れる時代は終わりました。もちろん、いい商品やサービスを用意することは重要ですが、並行して、長期的に売っていくために、どのような戦略・戦術を組み立てて、実践していくかを考える必要があります。
みなさまの会社でも、何か新しい商品やサービスを発売する前に、長期的に売れる戦略を立ててみて下さい。

ちなみに我が家では、映画館はもちろんのこと、ブルーレイ、MovieNEXで公開後も楽しみ、オリジナルサウンドトラックCDも買うなど、ウォルト・ディズニー・ジャパンの戦略にしっかりと乗りました。


渋谷事務所 三上吉昭


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