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パート1ではこれまでの報酬改定の歴史について振り返ってきました。それを受けて、パート2では次回の報酬改定に向けて検討されている事項を確認していきたいと思います。

1.財務省と厚労省、交錯する思惑
  財務省は前回の報酬改定後も収支差率が高水準(いずれも5%以上)にあるとして「通所介護」「訪問介護」「認知症対応型通所介護」「小規模多機能型居宅介護」の4事業を列挙し、さらなるマイナス改定をすべきと主張していました。
一方で厚労省は自立支援の成果の反映や介護ロボット普及を目的に報酬を上乗せし、全体でプラス改定にしたいとの意向を示していました。
過去の改定時も同じような構図となり、いざ改定の結果が公表されると両者の中間を
取るかのような結果となっていましたが、果たして今回の改定はどのような内容になるのでしょうか?

2.基本報酬の減額
  パート1でも振り返った通り、これまで基本報酬は減額の一途を辿ってきました。この大きな流れはそうそう変わることはないでしょう。特に「通所介護」「訪問介護」は早くから報酬の適正化、つまりマイナス改定の話が俎上に載せられてきました。通所介護は重度化を防ぐ機能をより重視するという考えのもとで、単にレスパイトケアを提供するだけでは減収となるでしょう。また訪問介護についても掃除、洗濯、調理といった生活援助中心のサービスは人員基準の緩和をした上でマイナス改定となると言われています。他のサービスも基本報酬について、プラスは望めないと考えるべきでしょう。

3.加算の拡充
  基本報酬をマイナスする一方で、プラスとなる要素も検討されています。
その一つが、介護度が改善した場合に報酬を上乗せするというものです。ご承知の通り、介護保険制度の目的の一つに「サービス提供を通じた利用者の自立」がありますが、これまではその自立支援の成果が報酬に反映されておらずインセンティブが十分に働かないと言われてきました。一部の自治体では独自に自立支援を促す仕組みを導入していたところもありますが、これが介護報酬にも組み込まれるのではと言われています。今のところ要介護3以下の利用者が対象になる見通しですが、職員の働く意欲にも繋げられるこの仕組みはうまく活用したいところです。
また特別養護老人ホームの看取り加算も、国の進める地域包括ケアシステムの構築に
は欠かせないものであり、拡充されるのではと言われています。

4.処遇改善加算はどうなる?
  職員がなかなか集まらない現状で重要さが増している処遇改善加算ですが、今回の総
選挙に伴い安倍首相が介護職員の賃金のさらなる引き上げ方針を示したことで拡充される公算が大きくなってきました。しかし処遇改善加算は29年度に一旦引き上げられており、その効果が実証されないまま更に上乗せされる可能性は高くないと思います。処遇改善加算についてはこれまでも3年に1度の報酬改定と歩調を合わせずに上げた経緯もあることから、31年度以降の臨時的な改定で手当がされるのではないでしょうか。

5.報酬改定は国からのメッセージ
  簡単に見てきましたが、今回の報酬改定も「基本報酬減&加算増」という流れは止まりそうにありません。その中で、国が各介護サービスにどのような役割を担って欲しいか、そのメッセージは介護報酬に乗せて表されます。その意図を敏感に汲み取り、時代に合わせた柔軟な経営を行っていくことが求められます。

6.厳しい改定をどう乗り越える?
  どのような改定結果になるにしろ、経営者の皆様は自法人を永続的に発展させ続けなければなりませんが、「選挙結果に影響を与えないために介護事業経営実態調査の結果公表が遅れている」といったニュースが聞こえてくるなど、やはり30年度の報酬改定も厳しいものになることが予想されます。その中でどのような経営対策をしなければいけないのか?パート3ではそこに焦点を当てて見ていくことにしましょう。



横浜青葉事務所 村山 健太


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