散 歩 B L O G

歩くことが唯一の趣味ですから。

臼杵

2016-09-04 | Weblog
臼杵の石仏は朝6時から拝観できる。夜は7時まで(冬は6時まで)と拝観時間が長い。この夏はとても
暑かったから、朝7時13分だかに大分駅を出る日豊本線の普通列車に乗って8時ごろ臼杵駅で下車。
まだ観光案内所も開いてないし、路線バスも動いてない。タクシーで石仏を訪ねた。


ずいぶん立体的な磨崖仏だな

チケット売場がまだ開いてないので、とりあえず入口の方へ歩いていったら、入口で券を売っていた。
やわらかい凝灰岩の岸壁に刻まれた60余体の磨崖仏。いまは平安時代後期から鎌倉時代にかけて
彫られたといわれているが、昭和61年(30年前)に初版がでた『謎秘める国宝臼杵石仏 石仏は何を
語るか』(宇佐美昇著・石仏観光センター刊)を買って読んでみると、様式や信仰などいろいろの面で
研究、推測し、平安の中期・末期・鎌倉・室町時代など、いろいろの説があると書いてある。


謎だらけの石仏群

30年で少しは研究が進んだようだけど、誰がどのような目的で造営したのか、はっきりしたことは今も
わかっていない。平成7年(20年ほど前)に4群59体が国宝に指定されたという。写真は、ホキ石仏
第二群第一龕(がん)の阿弥陀三尊像。


その脇に比較的小さな阿弥陀が


9体刻まれている

これでひとまとまり。保護するために屋根がついて東屋のようになっている。こういうのが4群あって、
どれも国宝ということか。


ちゃんと案内表示が出ている

順路通りに見ていく。時間が早いせいか誰にも会わないから、自分だけの石仏群のように錯覚しそう。
ふりかえると大変のどかな景色が広がり、蝉と蛙が鳴いている。


ホキとは岸險という意味の地名


ホキ石仏第一群第四龕

地蔵十王像ということで中尊に地蔵菩薩をすえ、冥府にあって亡者の罪を裁き救済する十王像を左右に
5体ずつ配している。いわれてみると確かににそうらしい。錫杖を持たず、右足を座し左足を立てている
地蔵菩薩は古い様式で、珍しいそうだ。


これは如来三尊像

ホキ石仏第一群第三龕で、中尊に金剛界大日如来を配し、右に釈迦如来、左に阿弥陀如来が並んでる
というけれど穴のほうが気になる。何の穴だろう? お供えではなく、願文や経巻を治めたんじゃないか。
この中に手を入れた人は千年で何人ぐらいいるのだろう。


これも如来三尊像

ホキ石仏第一群第二龕で、穴が埋められているようなのが気になる。入口でもらったパンフによると、
中尊の阿弥陀如来は静まった顔で眉、目、髭を墨で描き、量感あふれる姿が特徴だという。


これも如来三尊像?

ホキ石仏第一群第一龕で、4体あるように見えるけど如来三尊像でたぶん合ってる。中尊は釈迦如来。
並べ方に意味あるのかもしれないけど気にしない気にしない。


順路3・山王山石仏

隠れ地蔵と呼ばれているとか。関係ないけど臼杵は後年、大友宗麟が城を築いてキリシタンが増えた土地。
やたら城下に寺が多いと思ったら江戸時代に領主の稲葉氏が隠れ切支丹を改宗させるために寺を増やして
踏絵させたりした名残だとタクシーの運転手さんが教えてくれた。稲葉氏は、岐阜からやってきて味噌作りや
醤油作りなどを臼杵に広めたという。


順路4・古園石仏

ああこれ見たことある。臼杵のポスターとか本の表紙になっている中尊の大日如来像だ。「切れ長の目に、
引き締まった口元が極めて端正で気品あふれる表情」とパンフでも絶賛してある。石仏観光センターの中に
皇族が来訪したときの写真パネルがあった。


昭和54年 皇太子殿下

そのころまでずっと顔面が胴体を離れて地面に安置してあったようだ。たしかに今も首のところに継ぎ目が
なんとなく見えている。昭和55年から14年間に及ぶ保存修復工事が行なわれて、やっと胴体と頭が一体
になったものらしい。その他の石仏もずいぶん修復されている。


テレビのロケの写真パネル


これも何かの写真パネル


修復された現在の古園石仏


よくこんなふうに修復できたな


修復なのか創作なのかってほど


手つかずの磨崖仏


なごり雪の花が夏に咲いている



関連記事:  国東半島
Comment (1)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 国東半島 | TOP | 千葉づくし »
最新の画像もっと見る

1 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
臼杵石仏 (もののはじめのiina)
2018-02-05 11:46:34
臼杵にも石仏を見学にお出かけでした。

国東半島の石仏もよかったですが、おおらかな仏さまたちが出迎えてくれました。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/07711e4ecd2fa9cc150b4394bb75ca9d

post a comment

Recent Entries | Weblog