年賀状


D810 + AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED

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昨年は年末ぎりぎりまで忙しくて、年賀状を書く時間がなかった。
結局は出すのを諦めて奥日光に出発、帰宅後に年賀状をいただいた人にお返しした。
いつもなら何かしら葉書もデザインするのだが、今年はその余裕が無く、市販の葉書を買って送った。
あまり気持ちのこもったやり方とは言えず、出す意味があるのかと言われても仕方が無い。

年賀状をいただいた人にのみ返したわけだが、このやり方だと出す相手がどんどん減っていく。
僕と同じように、貰った人にだけ出すというやり方の人が他にもいるとしたら、互いに出さなくなり、いつしか関係が途絶える可能性がある。
また親戚には高齢者が多く、喪中の家も何軒かあり、それも枚数が減る原因となっている。

昨年の調査で、年賀状を出す予定の人の比率が6割程度だったのに対し、その後実際に出したか調べたら、数値が逆転して出さなかった方が6割になった・・という話を読んだ。
たまたまウチは間に合わなくて出さなかったわけだが、年賀状の減少は全国的な傾向なのだろう。
周りを見ていると、昨年がひとつのターニングポイントだった可能性もあると感じている。

予想のつく結果であるが、世代的には若い人ほど、年賀状を出さないという。
彼らは友人関係には案外まめなので、要はメールを利用して新年の挨拶を送るということだ。
葉書を出すにもお金がかかるから、金欠の若者が出さなくなるのは自然なことなのだろう。

自分の手を使って文字を書いたり、絵を描いたりするのは、現代人の不得手とするところである。
そのため無理してパソコンで作るわけだが、それを年末の忙しい時期にやらなければならないのが負担となっている。
どうせパソコンを使うなら、何も紙に印刷しなくてもメールで送れば済む・・というのは、至極もっともな結論である。

本来「純アナログ的」ともいえる年賀状は、逆にもっと特別な存在となる可能性がある。
書くのが面倒だと言っているのは、それに価値を付加できない一般人である。
年賀状はもっと少数派の高尚なものとなり、芸術の一分野にまで昇華するのではないか。

ところで、今年は年賀状を出さないと初めに言い出したのは、僕の母親である。
いつもは頼まれて僕がパソコンで印刷していた。
しかし今年は作らなくていいと言われた。
近い親戚が亡くなり喪に服したい気持ちがあったのと、年齢からいって書くのが億劫になってきたのだろう。

ところがこのことが波紋を呼んだ。
母親からの年賀状が急に途絶えたために、旧友たちから何かあったのではないかと、心配する声が上がったのだ。
小学校時代の同級生から、母親に様子を確認する電話があった。
母親が意外なほど元気だったので、安心したと言っていたという。

母親くらいの年齢になると、年賀状は「元気でやっている」ことの証になっているのだ。
もう少しダイレクトに言うならば、「まだ生きている」「ボケていない」ことの証明である。
出すのをやめてみて、同級生の皆が年賀状を真剣に見ていたことに気付いたのだ。

電話をかけてきた友人によると、長年の付き合いのある同級生が、突然今年から友人の名前を「旧姓」で書いてきたという。
最初は理由がわからなかったが、どうやら恐れていたボケが始まったらしいことに気付いた。
その兆候が年賀状に明確に表れているのだ。
今更旧姓なんて、結婚してからもう50年以上も経つのにねえ・・・と友人は嘆いていたという。
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
身につまされる話ですね (primex64)
2017-01-31 20:17:45
年賀状の使い道が音信による生死確認とは・・・。
インターネットの基礎であるTCP/IPというプロトコルにはKEEP ALIVEパケット、あるいはI'M ALIVEパケットという等間隔で送受信しあう死活監視の仕組みがあります。それと一緒なんですね・・。

そして、旧姓での表記も良くわかります。歳を取ると短期記憶が著しく悪化するわりに長期記憶、特に若い頃の記憶は鮮明ですよ。老親がまさにそんな状況で、大昔の事柄がすぐに出るのにさっき食べた食事はもう覚えていない・・・orz
 
 
 
Unknown (COLKID@自分の部屋)
2017-01-31 20:26:10
高齢の方たちにとって年賀状って重要な情報のやり取りになっていることがわかりました。
毎年じっくり見て管理しているんですね。

インターネットのプロトコルはやっぱりそういう仕組みになっているんですか。
通信全般で必要な仕組みですね。
facebookで今つながっている人の一覧が出るのもそれですかね。
 
 
 
Unknown (Moomin)
2017-01-31 23:39:48
 寒中お見舞い申し上げます。私は本文・宛名が完全手書きの
年賀状を250通出しました。1/3が筆書きで、2/3が万年筆。
流石に自分の住所は風雅印ですが。変体仮名や草書だと読んで
貰えないので、行書がメイン。これを2日半で書き上げるのは
結構な修行です。一方家族のためにPCで作って印刷して上げ
ますが、手書きに比べて作業は楽ですが、決して楽しくはあり
ません。まあ初期高齢者のたわ言と聞き流して下さい。今年も
宜しくお願いします。
 
 
 
Unknown (COLKID@会社)
2017-02-01 08:25:47
もう2月ですが今年もよろしくお願いいたします。
やはりMoominさんやヤマダさんのような専門家、芸術家の方々に頑張っていただいて、年賀状を盛り立てていくしかないです。

以下のようなことを思いつきました。
・年賀状代筆サービス お歳暮のリストのように送る相手の一覧と定型文面を毎年提出。オプションで直筆も可能。
・芸術家の年賀状は1年間飾ることを意識し、郵便局で葉書専用の額縁やディスプレイ器具を売る。
・毎回ランダムに字の大きさや形などを微妙に変える文字生成ソフト、墨汁で印刷し筆圧まで再現できるプリンターの開発。
 
 
 
Unknown (Moomin)
2017-02-02 00:44:14
今時の若い子が私に私的なメイルを送ってくる時、
強調したところを太字にしたり、いきなり級数を
上げたりします。顔文字やキャラ文字や、LINE
だったらスタンプもついてきます。お決まりの
フォントでは自分の気持ちが伝わらないことを
本能的に知っているのだと思います。平安時代の
昔からDNAに刷り込まれているのでしょう。

何か伝えたいことが有るから手紙を書く。ビジネス
であろうがプライベートであろうが、PCで書こうが
手で書こうが、書き手の感情が伝わるかが一番大切
だと思います。美しく整った手書き文字でも感情が
伝わらなければ何の意味もありません。どのように
書いたら、その人らしい表現になるのか。その辺りを
指導できる先生が増えたら楽しいのに…。
 
 
 
Unknown (COLKID@自分の部屋)
2017-02-02 00:51:00
年賀状というのは「半ば強制」というのが悪いのかもしれません。
書く書かないより、まず初めに「伝えたい」という心を持つところからですね。
 
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