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D3X + AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

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先日久々にeBayで入札してみた。
せっかくの円高なので、少々恩恵にあずかろうと思ったのだ。

中古の時計を検索してみたが、意外に安くない。
この世界は既に世界的に共通の価値が出来上がっており、外国だから特別安いということは少ないようだ。
送料も含めて考えると、むしろ日本のアンティークショップをうろついた方が安いものもある。

有名ブランドは高くてとても手が出ないので、実力のある中堅ブランドを狙って検索していた。
ロンジン、ジラール・ペルゴ、ボーム&メルシエ、グラスヒュッテ、ユニバーサルなどである。
ブライトリングやIWCなども、ものによっては案外安く落札される。
年代やムーブメントなどで価値が変わるようだが、専門の知識経験があるわけでもないので、単に形が気に入ったものに注目していた。

腕時計でアンティークと呼ばれるものは、意外に年代が新しい。
1920年代から50年代、60年代くらいまでである。
家具などの場合は100年くらい経った古いものがアンティークと呼ばれるが、時計の場合一般に普及する価格になったのが、ずっと後の時代だからだろう。
自分の生まれた頃の製品がアンティークと呼ばれているのは、ちょっと不思議な感じもする。

以前ユリス・ナルダンの1940年代の時計を落札したことがあったが、今回も検索の過程で、偶然気になる時計にぶつかった。
独ワグナー社製のAncre Primaという1940年代の時計で、形は当時の雰囲気たっぷりで申し分ない。
オークションには結構多くの数が出ている。
ところがその中で、「新品」の表示のあるものがあった。
1940年製の新品（?）とある。

本当だろうかと疑ったが、嘘じゃあるまいな、とも聞けないので、パーツはすべてオリジナルか?と、遠まわしに質問してみた。
先方はブルガリアの出品者である。
すると、時計は完全にオリジナルで、非常に珍しいことだが、1940年、すなわちほぼ70年前に作られた未使用の古いストックだと返事が来た。

価格も非常に安かったので、落札することにした。
当初はベルトを交換して実際に使用しようと考えていたのだが、縫いこんであるベルトをわざわざ解いて、70年間平穏無事だったものを今になって破壊するのも気が引ける。
結局そのままそっと引き出しにしまっておく事にした。