異変の季節


D810 + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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年末年始というのは、いろいろ異変が起きやすい時期である。
特に会社を経営しているとそうだ。
子供の頃から、トラブルに何度か巻き込まれたが、特にこの季節は危ない。

小学生の時であるが、正月休みを利用しての北海道旅行の最中、旅行先に電話がかかってきたことがある。
父親が北海道出身だったので、年末は北海道で過ごすことが多かったのだ。
確かニセコのロッジにいたと思うが、そこに電話が追いかけてきた。

もちろん得意先に異変が起きたという知らせであった。
子供の目で見ても、皆の顔色が変わったのがわかった。
のんびり旅行などしていられず、急遽帰宅の便を探すことになった。

高校生の時は、受験があったため、家でひとりで留守番をしていた。
両親は京都に旅行に行っていた。
そこに知らない人から電話がかかってきた。

急遽僕の父親に会いたいという。
旅行中であることを告げると、帰宅予定の日に合わせて、何といきなり自宅にやってきた。
硬い表情の男性がふたりであった。
まだ帰っていないと言ったが、では待たせてもらうというので、仕方なく応接間に通した。

今であったら、見知らぬ人物を家に上げるなんて、危険な行為に思われるかもしれないが、当時はそういうタイプの犯罪は少なかった。
二人の男性は、煙草を吸いながら、何時間も椅子に座って待っていた。
僕は途方に暮れたが、とりあえずお茶など出した。

連絡を受けて慌てて両親が帰ってきた。
携帯電話などない時代で、たまたま途中から電話をしてきたので、お客が来ていることを知らせたのだ。

二人は得意先の中堅社員で、社長が姿をくらましてしまい、行方がわからないという。
社長が逃げ込みそうな場所を、どこか知らないかという。
さらには、今後会社をどうしたらいいかという、深刻な内容の話し合いが何時間も続いた。

トラブルを何度も経験しているので、銀行が営業しているうちは、年末も会社に出て待機するようにしている。
銀行が閉まる30日の15時を待って、会社も閉める。
そういう生活に慣れてしまった。
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