シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

リリィ、はちみつ色の秘密

2009-04-02 | シネマ ら行
まったく見るつもりがなかったのですが、予告編を見て見に行きたくなりました。

舞台は1964年のアメリカ南部。公民権法が成立したとはいえ、まだまだ人種差別は激しい時代。主人公のリリィダコタファニングは4歳のとき、銃が暴発する事故で母親デボラヒラリーバートンを亡くし、自分に辛く当たる父親T.レイポールベタニーと暮らしている。母親は優しい女性だったが、死ぬ前に自分を捨てて家を出て行ったという経緯があり、リリィは誰にも愛されない悲しみを持ちながら、母親の残した形見にすがって生きていた。ある日、公民権法が成立したことで、黒人も選挙に参加できることになり、リリィの家の乳母兼お手伝いのような存在のロザリンジェニファーハドソンが選挙人登録に行こうとしたところを町の白人たちに妨害され、抵抗したロザリンは暴行を受けてしまう。そんなロザリンを病院から逃がし、一緒に町を出ようと誘うリリィ。リリィは母の面影を追って、母が小さいときに過ごした町へと向かう。

その町で出会うのが、養蜂場を営む黒人3姉妹。長女のオーガストクイーンラティファ。次女のジューンアリシアキーズ、三女のメイソフィーオコネド。(全員“月”の名前になっている)ジューンはリリィとロザリンを受け入れることに反対するが、長女のオーガストは彼女たちを事情もなにも聞かずに受け入れてくれた。

この出会いがリリィにもたらすもの。それは「愛」。言葉で言ってしまうと、ともすればチープになってしまうけど、自分は愛されない子だと思い込んできたリリィが初めて、素直に愛し、愛されることを知る。そのあたたかさに涙せずにはいられない。

ダコタファニングちゃんはもういいよーってずっと言い続けてたんだけど、今回、ワタクシちょっと反省。ダコタちゃん、歯矯正してずっと可愛くなった。役柄が14歳ということでちょうど実年齢に近かったと思うんだけど、確実に児童ではないし、と言って大人というには遠すぎる一番中途半端な年齢になって、役を選ぶのも難しいと思うんだけど、この役は本当にいまの彼女のために書かれたような役だった。

そして、とてもとても素晴らしいのが黒人3姉妹を演じる3人。
クイーンラティファは大好きな女優さんで、どんな役をやってもピッタリはまってしまうんだけど、今回のオーガストは本当に彼女の包み込むようなあたたかさがあってこそ。この映画の成功もほとんどそこにかかっていると言っても過言ではないと思う。そして、ジューンを演じるアリシアキーズ。彼女は本当に美しくてビックリしちゃうんだけど、歌も演技もできちゃうんだよねー。ここに登場する黒人さんはほぼ全員そうか。黒人さんって本当に才能溢れるスターが多い。彼女の美しさは少し気が強いジューンにピッタリだったし、ただ気が強いのではなく、内面に弱さや優しさを持った女性だというのが出てくる後半、とても素敵に輝いていた。
双子の妹エイプリルを亡くしてから精神のバランスを少し失っている三女を演じるソフィーオコネドは、ちょっとしたことで動揺し、“嘆きの壁”へと避難してしまったり、楽しいことがあるとすぐに小さな子供のようにはしゃいでしまうメイを非常に自然に演じていた。

お話はよくある単純な母子愛的なものなんだけど、そこに人種差別を絡ませて、うまく描いている。物語の中の様々な小さいエピソードに考えさせられたり、じーんときたり、優しい気持ちになれたり。欲を言えば、お父さんのT.レイが実はもうちょっとイイ人だったら良かったな。でも彼も彼なりに傷ついていて、それを克服できなかっただけというふうに描かれていて、それはそれで正直な感じでお涙頂戴にならないで良かったのかもしれないな。

最後の本当の母親像のところは、最初っからそうなんだろうなぁと分かりきってはいるんだけど、それはそれでいいんだと思う。見ている側にそう思わせるだけの“いい話”のパワーがこの作品には最初からにじみ出ているから。原作をじっくり読んでもう一度この世界に浸りたいなと思わせるような映画だった。
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは。 (オリーブリー)
2009-04-12 15:32:03
ダコタちゃん、すっかり少女になってましたね。
いつもより抑え気味な演技だったと思いましたが…

皆さん良かったけど、ラティファがあらゆる意味で光ってました♪
ステキな作品でしたね。
オリーブリーさんへ (coky)
2009-04-14 13:42:22
オリーブリーさん、こんにちは。
コメントありがとう

確かにダコタちゃん、抑え気味の演技でしたね。
主役なのにあんまり目立たないというか。
彼女はいま大切な過渡期を迎えていますね。

クイーンラティファはどんな役をしても光っている女優さんで、大好きです。

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