シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

インビクタス~負けざる者たち

2010-02-16 | シネマ あ行

30年近く投獄されていたネルソンマンデラモーガンフリーマンが釈放されて、南アフリカ初の全人種選挙によって大統領に選ばれた。全人口の10%に満たない白人たちは、これから黒人の大統領によるどんな政治が始まるのかと戦々恐々。黒人たちはいままでの立場が逆転したことに喜んだ。しかし、大統領は黒人たちに一切の復讐を禁じ、赦しの精神を貫くよう求める。

その一環として、ラグビーの弱小ナショナルチームを率いるキャプテンのフランソワピナールマットデイモンを官邸に誘い、来るワールドカップで優勝するように話す。

南アフリカでラグビーと言えば白人のスポーツ。黒人たちはもっぱらサッカーで、ラグビーには興味がないし、白人たちがプレイすれば、いつも南アフリカの敵の国を応援していた。そんなラグビーを白人からは取り上げず、黒人も一緒に応援できるスポーツにするよう大統領はナショナルチームに黒人地域への積極的な広報活動も求める。この国は憎しみではなく、同じ南アフリカ人として誇れる何かを求めているのだと。

ネルソンマンデラ氏の大きな心と精神力にただただ心を打たれるばかりの作品である。彼の人類に対する功績は計り知れない。それは確かに彼自身の強さの賜物だとは思うのだけど、ガンジーとかキング牧師とかマザーテレサとか、ああいったタイプの人たちはやはり持って生まれた何かが凡人とは違うのだろうなぁと思える。彼ら自身の努力というのはそれはそれは大きなものだとは思うのだけど、それだけでは到底追いつかない何かが備わって生まれてきた人たちなんじゃないかと思う。

そのネルソンマンデラを演じるモーガンフリーマンがとてもよく似ている。実際に風貌が似ているというのもあるけど、立ち姿とかそういったものをとてもよく研究しているなという感じだった。実際、ちょっとカメラが引きで映るときには“ん?これは当時の実際の記録映像?”と思うようなシーンがいくつかあった。

映画全体としては、クリントイーストウッド監督のいつもの真摯な態度で真面目に物語を語る雰囲気がよく表れていて、それが、この作品のテーマによくマッチしていたとは思うんだけど、エンターテイメントとしてはもうちょっと広がりが欲しかったなぁという感じはした。マンデラ氏のロエベ島での苦難とかをもうちょっと盛り込んで欲しかった感じもする。あとは、町の白人と黒人の軋轢とか、どんなふうに国民みんながラグビーにのめりこんでいったかとかをもうちょっと時間を割いて見せて欲しかった。マンデラ氏の実際の凄さにイーストウッドが遠慮しちゃった感があるのかなぁ。なんか優等生的過ぎるというか。いや、もちろんすごく良い映画だし、ワタクシも感動の涙は流しましたけどね。もう一歩踏み込んだ何かが欲しかったのは事実。ラグビーが全然分からない人はラストの20分くらいはどんな感じだったのかな?ちょっと退屈したかも?

マンデラ氏が投獄されていたときに心の支えにしていたという詩がカッコよかったですね。その最後のフレーズが特に。
I'm the master of my fate. 「我が運命を決めるのは我なり」
I'm the captain of my soul. 「我が魂を征するのは我なり」

オマケワールドカップの決勝戦で、旅客機が超低空飛行して「頑張れ!ボクス!」っていうメッセージを見せるシーンでは、本当にハラハラしました。本当にあんなことやったんですよねー?パイロットは処分されたりしなかったかな?

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白人と黒人の調和 (zebra)
2015-07-19 20:45:06
こんばんは!cokyさん コレ見ましたよ。
あのモガ彦(←モーガン・フリーマン)がデラ夫(ネルソン・マンデラ)を演じたよ

いきなり 前フリで モガ彦が27年ぶりに釈放で大統領になって
、同じ黒人に 「ただちに武器を捨てなさ~い」と刀狩宣言(あんた、豊臣秀吉かい)

 んで、モガ彦の理念が”白人と黒人の調和”ということで 黒人の警護係りの希望を聞いて 増員しようとしたら 白人の警護係りを呼んでんじゃん!

 たのむぜ~モガ彦、あんた 黒人の誇りがあるんだろあいつらオレら虐げとった人種だぜえ と不満気味(そりゃそうだよな)

 さらに デモ太郎(←マット・デイモン)率いるラグビーチームがボロ負けをいいことに ユニフォームとチーム名を変える黒人集会で モガ彦が ジャジャジャジャ~ンと 特撮アクション・ヒーローのごとく すばやく登場(シュワッチ)

「名前は変えちゃあダメ、 白人たちの宝は取り上げちゃならん、国づくりの手持ちのレンガは黒だけでなく白に染まってても積み上げよう」とか なんとか!

それだけじゃあのうて 白人にもデモ太郎を通じて
「黒人の子供たちにラグビーを教えてやってくれないか」とか
「黒人の歌である”アフリカに祝福を”を試合会場で歌ってほしい」とか モガ彦は依頼(無茶させすぎじゃ!)

 チームの選手たちは ただでさえ監督に勝て、勝てとプレッシャーかけられとんのに教えるゆとりなんかねえよ・・・  歌だって 読み方わかんねえしぃ~・・・と、不満げな白人低迷組のチーム(なんで 俺らが”黒”にラグビーを教えにゃ いかんのじゃ、というのがホンネだな
 
けど、デモ太郎は「大統領の理念は賛同するに値する。口パクではなく 国歌としてキチっと歌おう」と呼びかける(調和が大事だぜ)

 んで 貧民層の子供たちも 案外 サバけとるわ。選手たちが「ラグビーのルールを知ってるかい?」の問いに 「審判の見てないトコなら相手選手をブン殴れる」・・・(←ムカつくヤツならそのとおり!)

 選手たちも黒人の子たちと 打ち解けてるじゃん(そこが 肝心)

 なんだかんだで 歩みよれば 白人と黒人も調和できるってコトを証明されたワイ!

 ボクちゃん 心の中で ポール・マッカートニー&スティービー・ワンダーの「エボニー&アイボリー」が流れたよ(→白人と黒人の調和のシンボル曲じゃな!)
https://www.youtube.com/watch?v=TZtiJN6yiik 
zebraさま (coky)
2015-07-24 13:28:18
返信が随分遅くなってしまいました。すみません。

あれがマンデラ氏ではなくて他の黒人が大統領になっていて白人への復讐を許していたら大変なことになっていたでしょうね。
本人も白人にさんざんな目に遭わされてきたのに復讐を許さないだけでなく調和の道を説くことができたマンデラ氏は本物の人格者ですね。
(そんな彼の葬儀が手話の人のせいでトンデモな騒ぎになってしまったのは非常に残念なことですね)

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