
30年近く投獄されていたネルソンマンデラモーガンフリーマンが釈放されて、南アフリカ初の全人種選挙によって大統領に選ばれた。全人口の10%に満たない白人たちは、これから黒人の大統領によるどんな政治が始まるのかと戦々恐々。黒人たちはいままでの立場が逆転したことに喜んだ。しかし、大統領は黒人たちに一切の復讐を禁じ、赦しの精神を貫くよう求める。
その一環として、ラグビーの弱小ナショナルチームを率いるキャプテンのフランソワピナールマットデイモンを官邸に誘い、来るワールドカップで優勝するように話す。
南アフリカでラグビーと言えば白人のスポーツ。黒人たちはもっぱらサッカーで、ラグビーには興味がないし、白人たちがプレイすれば、いつも南アフリカの敵の国を応援していた。そんなラグビーを白人からは取り上げず、黒人も一緒に応援できるスポーツにするよう大統領はナショナルチームに黒人地域への積極的な広報活動も求める。この国は憎しみではなく、同じ南アフリカ人として誇れる何かを求めているのだと。
ネルソンマンデラ氏の大きな心と精神力にただただ心を打たれるばかりの作品である。彼の人類に対する功績は計り知れない。それは確かに彼自身の強さの賜物だとは思うのだけど、ガンジーとかキング牧師とかマザーテレサとか、ああいったタイプの人たちはやはり持って生まれた何かが凡人とは違うのだろうなぁと思える。彼ら自身の努力というのはそれはそれは大きなものだとは思うのだけど、それだけでは到底追いつかない何かが備わって生まれてきた人たちなんじゃないかと思う。
そのネルソンマンデラを演じるモーガンフリーマンがとてもよく似ている。実際に風貌が似ているというのもあるけど、立ち姿とかそういったものをとてもよく研究しているなという感じだった。実際、ちょっとカメラが引きで映るときには“ん?これは当時の実際の記録映像?”と思うようなシーンがいくつかあった。
映画全体としては、クリントイーストウッド監督のいつもの真摯な態度で真面目に物語を語る雰囲気がよく表れていて、それが、この作品のテーマによくマッチしていたとは思うんだけど、エンターテイメントとしてはもうちょっと広がりが欲しかったなぁという感じはした。マンデラ氏のロエベ島での苦難とかをもうちょっと盛り込んで欲しかった感じもする。あとは、町の白人と黒人の軋轢とか、どんなふうに国民みんながラグビーにのめりこんでいったかとかをもうちょっと時間を割いて見せて欲しかった。マンデラ氏の実際の凄さにイーストウッドが遠慮しちゃった感があるのかなぁ。なんか優等生的過ぎるというか。いや、もちろんすごく良い映画だし、ワタクシも感動の涙は流しましたけどね。もう一歩踏み込んだ何かが欲しかったのは事実。ラグビーが全然分からない人はラストの20分くらいはどんな感じだったのかな?ちょっと退屈したかも?
マンデラ氏が投獄されていたときに心の支えにしていたという詩がカッコよかったですね。その最後のフレーズが特に。
I'm the master of my fate. 「我が運命を決めるのは我なり」
I'm the captain of my soul. 「我が魂を征するのは我なり」
オマケ
ワールドカップの決勝戦で、旅客機が超低空飛行して「頑張れ!ボクス!」っていうメッセージを見せるシーンでは、本当にハラハラしました。本当にあんなことやったんですよねー?パイロットは処分されたりしなかったかな?










