もうかなり前の劇場公開を見に行った分をアップできずにいました。
グザヴィエドランと言えば映画ファンなら聞いたことがある名前だと思います。カナダの若き鬼才と言われる映画監督。そんな彼が熱望した役ということで興味あって見に行きました。とか言いながら、実は彼が監督した作品は未見なのですが。
とある精神科病院で男性医師ジェームズローレンスコルムフィオールが失踪する。精神科医のグリーンブルースグリーンウッドはローレンス医師が担当する患者で彼を最後に見たというマイケルアリーン(ドラン)に話を聞いてローレンス医師を探そうとする。看護師長でグリーンの元妻のスーザンピーターソンキャサリンキーナーはグリーンがマイケルと2人きりで話すことを異常に心配している。
このマイケルって子の母親はオペラ歌手で巡業で世界を回っている間のアバンチュールでできた子がマイケルで、自分の仕事に夢中でマイケルのことなんてどうでもよくって、母親に愛されずに育ったマイケルは母親がオペラの音を外し自殺したときに母親の遺体の横で昔母親が自分に歌ってくれたエレファントソングをずっと歌っていたということで精神病院に入れられている。
マイケルはグリーンに話をする代わりに自分のカルテは読まないことという条件を出し、先入観のない状態で自分と話してほしいと告げる。しかし、マイケルはグリーンが何を聞いても話をはぐらかしてばかりでローレンス医師の居場所の話はせず、自分の両親の話ばかりしてくる。
グザヴィエドランの演技はうまいと感じました。ただ、マイケルが結局のところ何が言いたいのかさっぱり分からず、解説を見ると彼の会話は伏線とか比喩に満ちているということらしいのですが、アホなワタクシには全然分かりませんでした。
何十年も精神科の医師をやっているはずのグリーンがこんな青二才に死んだ娘のことや元妻のことをチクッと言われたくらいで明らかに動揺しているのも、ちょっとどうかと思うし、彼の現在の妻キャリーアンモスのほうがマイケルよりよっぽど情緒不安定な感じで、彼女の存在は一体何なのか気になりましたが最後までよく分からず。
母親の自殺現場に居合わせたマイケルは助けようと思えばまだ助けられたのに、そうしなかったということで精神病院に入っているみたいですが、彼のどこが精神を病んでいるのかよく分かりませんでした。母親が死んでいくのを歌を歌いながら見ていたのですから正常ではないのでしょうけど。
そして、彼が一度だけ会ったハンターである父親と象狩りに行った話もなんだか唐突過ぎて、彼の妄想なんだか現実だったのかよく分からず。
結局なんだか分からないことだらけでしたが、スーザン看護師長はマイケルのことを本当の子どものように心から心配している様子が伝わってきました。キャサリンキーナーは都会のキレる女も演じられるし、このような母性溢れる役も演じられる役者さんですね。ハスキーヴォイスが素敵です。
最後に答えを教える代わりにチョコレートを頂戴とマイケルが言ったときには、はぁ?10歳の子どもじゃあるまいし。それとも精神的にはそれくらいの年齢ってことか?と思ったけど、そういうオチだったのね。それは納得。だからグリーン医師にカルテを読むなと言っていたのですね。スーザン看護師長が心配していた通りになってしまって、それは悲しかったです。
戯曲の映画化ということで楽しみにしていたのですが、ちょっとよく分からなかったのはシャルルビナメ監督が悪いのかワタクシが悪いのか…
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