シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

白いリボン

2011-01-11 | シネマ さ行

平日の昼間で空いているだろうと思って時間ギリギリに行ったらいっぱいだった。小さい映画館とは言え、やはりカンヌ映画祭パルムドールの威力はすごいな。

ミヒャエルハネケだし、パルムドールだし、これはもう多分…予想通りやっぱり、あぁ、「ピアニスト」の悪夢ふたたび

考えてみればミヒャエルハネケの作品は「ピアニスト」と「ファニーゲームU.S.A.」しか見ていない。「ピアニスト」はダメだったけど、「ファニーゲームU.S.A.」は好きだったワタクシにはまだ未知数の監督だった。そして、あの悪夢ふたたびだったのだ。

んー、と言っても決して退屈とかそんな作品ではないんです。映像のうまさとかこの村全体の不気味さとか子供たちの秘めた怖さとかそういうのはすごく伝わってくるんですけどね。思えば「ピアニスト」もそうで。見ている最中は決して退屈じゃなかった。ただ終わってから結局「で?」っていうのが同じかな。

これを「で?」って言っちゃうのは映画オタクとしてはどうなの?って思われちゃうかもしれないですね。いや、分かるんですよ、色んな評論家が言っていることは。ただねぇ、ここに登場する子供たちの世代がナチスを支える世代っていうのはなんかズルいなって思いました。だって、そんなの歴史をひっくり返して見れば、「あー、この残忍な子供たちがね、なるほど」なんて思えちゃうかもしれないけど、ナチスを支えた世代って別に他の世代に比べて特別残忍だったわけでもなんでもないし、閉塞感のあった世代っていうのを表現したいのかもしれないけど、あれくらいの大人の偽善なんて現代でもいつの時代でも珍しくもなんともないんじゃないかな?あの小さな村で起こったことくらいなら普通にどの時代もどこの村でも起こりそう。それをナチスと結びつけるのは短絡的過ぎるし、ともすれば歴史を誤りかねないし、ナチスを分析することによって平和をもたらそうとしている人類の努力を無駄にしてしまうことになりかねないような気がする…とまで書くのは大げさだとしても評論家の言っていることも「まぁそれは分かるけれども」とした上でやっぱりワタクシはこの作品は好きではないかな。

2人の子供がリンチされて見つかるシーンがあるけど、あれをあの子供たちがやったのだとしたら、本当に残忍だしそれを犯人探しもしっかりしないまま過ごしていくこの村の人たちがあまりにも恐ろしいとは思うけど、あそこまでの犯罪となると、それを放置することがちょっと現実離れしてしまった感があった。もっと細かい悪なのかそうでないのかというボーダーあたりでウロウロしてくれたほうがゾッとする感覚があったんじゃないかなー。

まぁ、ハネケだし、パルムドールだし、こんな感じって分かってたしぃ、ってな気持ちになりました。

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