シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

大統領暗殺

2007-10-18 | シネマ た行
2007年10月19日アメリカ第43代大統領ジョージW.ブッシュ、暗殺される。

いくらブッシュが嫌われてるからって、そして、いくらウソだからって本物の現役大統領を暗殺しちゃうんだから、奇抜というか卑劣というか。。。これは見に行かないわけにはいかないなと。

よくあるアメリカのドキュメンタリーとまったく同じように話は進みます。微妙な斜めの角度から撮影された関係者の証言が次々と語られ、時系列に話が再現されていく。シークレットサービス、大統領補佐官、FBI、容疑者、その家族。そして、その証言プラス(この映画の中での)実際の映像で構成されている。

シカゴに遊説に来る大統領。シカゴ市民は抗議のデモを行っている。そのデモは次第に凶暴性を増していく。デモ隊と警官隊の間の緊張が高まる。そんな中、無事にスピーチを終えた大統領がホテルの玄関で支持者たちと握手を交わす。そこへ、銃弾の音が。倒れ込む大統領。大統領のケガは?犯人は?

大統領が殺されるまでのくだりはかなりうまくできています。映画が始まる前に、これはフェイクドキュメンタリーですと告知されているにもかかわらず、どこかで、本当の出来事のように錯覚しながら見ている自分がいました。(現実世界での)実際の大統領の映像とフィクションの映像の組み合わせが素晴らしくスムーズで、本当にその世界に騙されてしまうのです。あの国葬のシーンなんて、どうやってあんなリアルにできたの?って感心しきりです。(これはレーガン大統領の国葬を加工したものらしいですね)

そして、後半。大統領を殺した犯人の捜査が始まります。この作品の残念なところは大統領が殺される前と後で、映画のテンポがなにもかも同じだったこと。大統領暗殺の瞬間までグワーーーッと盛り上がったテンションはそのまま放っておかれた感じで、その後も淡々と同じように話が進むのです。

もしもブッシュ大統領が暗殺されたら、世界はどうなるか?アメリカはどうなるか?その結果を生み出したのはそれまでのブッシュの政策であり、それを支持したアメリカや日本も含めた同盟国。そこの部分の衝撃を観客に見せたかったんじゃないの?それだったら、一人の罪のないムスリムが捕えられて裁判にかけられるだけじゃなく、そのことが世界情勢にどういう影響をもたらすか、アメリカ軍はそのときどういう行動に出るのか、アメリカ国民はどういう行動を取るのか?それを見せないと意味ないんじゃないかな?一人のイノセントなムスリムが捕まる。それくらい、誰でも想像つくよね?問題はその後でしょう。いまのアメリカの在り方を批難したいなら、後半こそ力を入れて丁寧に作りこまないといけなかったんじゃないかなと。しかも、パトリオット法とか反ムスリムとか、現実にアメリカに起こってることのほうがずっときわどいんじゃないの?とまで思うほどソフトに仕上がっているような。。。

一緒に見ていた映画館にいる観客も全体的に後半ダレ気味の雰囲気が漂っていた気がするなぁ。現役の大統領を暗殺するなんて悪趣味な考えからスタートしていると批難されるような作品をわざわざ作ったのだから、もう少し頑張って欲しかったな。


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2 コメント

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現役の (lucky777_sw)
2007-10-23 22:27:51
大統領を暗殺する映画、しかも死んで国葬するまでしちゃうなんて、そんな映画を作れるのはアメリカならではですね。本人は観たのかしら?
ご本人の感想が聞きたいですね~
観たかな~? (coky)
2007-10-25 14:39:58
本人は観たかな~?やっぱり勇気入りますよね。

本人のみならず、ヒラリークリントンもこの映画に対しては、怒ってたみたいです。まぁそりゃ悪趣味ですもんね。

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