シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ハクソーリッジ

2017-07-11 | シネマ は行

以前から見に行こうと思っていた作品です。

「汝、殺すことなかれ」この信念を持って戦争に行った人デズモンドドスアンドリューガーフィールド。事前の情報で殺すよりも救った人ということは知っていましたが、まさか銃を持つことすら拒否していたとは。

メルギブソン監督は彼がなぜこのような信念を持つに至ったかを少年期、青年期と丁寧に描いていきます。戦争映画は戦場のシーンにばかり目が行きがちになりますが、きちんとデズモンドの背景も描かれています。第一次世界大戦で傷ついて帰ってきた今で言うなら完全にPTSDの父親トムヒューゴウィービングとの関係も丁寧に描かれていて、悪い人ではないけど、戦争であんなになっちゃったお父さんとそれでも一緒にいるお母さんレイチェルグリフィスの状況が辛かった。のちに奥さんになるドロシーテレサパーマーとの出会いのシーンはちょっとした青春映画のようで少しほっとできるシーンでした。

デズモンドが入隊し、銃を手にする事すら拒否し、軍隊は彼をやめさせようと組織的に圧力をかけ、仲間からも壮絶ないじめを受ける。軍法会議にかけられてさえ信念を曲げないデズモンド。まぁ頑固な男だね。

果たして沖縄に上陸したデズモンドたち。先行して入っている他の隊の状態を見て青ざめる。ハクソーリッジとは一体どんなところなのか。アメリカ軍がハクソーリッジと呼んでいる崖を登っていくとそこは随分と静かな場所だ。日本軍の姿は目に見えない。少しほっとしているとどこからともなく銃弾が降って来て兵士が撃たれた。あちこちに掘った地下の穴から攻撃してくる日本軍。姿は見えないのに絶え間なく撃ってくる。

ここでの戦闘は苛烈を極めた。そんな中デズモンドは銃も持たずに負傷した兵たちを救い続ける。訓練で一番デズモンドをいじめていたスミティルークブレイシーがデズモンドを援護してくれた。スミティと分かりあえたと思ったのもつかの間彼は日本軍に撃たれて死んでしまう。戦場のシーンだったのでこう思うのは少し不謹慎かなと思ったけど、このスミティがとてもカッコ良かったです。

一旦崖の下に降りた隊の後にデズモンドは1人残って負傷兵を助け続けた。応急手当をしモルヒネを打ち、ロープを体に巻きつけて下に降ろす。「神様、あと一人、あと一人助けさせてください」そう祈りながら。

戦場のあの状況でよく神を信じ続けられるもんだと無神論者のワタクシは思ってしまうのだけど、その信念の強さがデズモンドを突き動かしていた。ある意味では狂気と呼べるものだったかもしれない。デズモンドを演じるのがアンドリューガーフィールドだったので数か月前に見た「沈黙」の彼と信仰を試されるという意味で重なってしまった。

デズモンドがこの日あの崖から降ろした負傷兵は75名。うち2名は日本兵だったらしい。彼らは一命を取り留めることはなかったそうだけど、デズモンドは敵も味方も関係なく助けた。

こんな人があの時戦場にいたなんて、まったく知らなかった。彼の存在はもっと語りつがれるべきだと思う。これを映画化したことはとても深い意味があると思います。

オマケ随分キャストがオーストラリア人だらけだな。メルギブソンが監督だからか?と思ったらオーストラリアとの合作だったのですね。

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