シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

世界にひとつのプレイブック

2013-02-21 | シネマ さ行

試写会が当たったので行ってきました。今シーズンの賞レースに色々とノミネート&受賞している作品なので見に行くつもりでした。なので、ラッキーと思ったのですが。

結論としてはワタクシが期待しすぎたのかなぁ。そこまで良いかなぁ???って感じでした。おすぎが良い点数つけてたらしいから悪い予感はしたんですが。(ワタクシ、おすぎとはまったく好みが合わないので)

妻ニッキの浮気相手をボコボコにしてしまい精神病院に入院していたパットブラッドリークーパーを母親ジャッキーウィーバーが迎えに来る。家では何も知らなかったお父さんロバートデニーロが迎えるが、なんだかこのお父さんもちょっと問題がありそうな雰囲気…パットは退院して前向きに行き、妻ニッキを取り戻すと張り切っているが、頭がぼーっとするからという理由で薬を飲むのは拒否していた。

ある日、パットは友人の妻の妹で夫を亡くしたばかりの未亡人ティファニージェニファーローレンスを紹介されるが、彼女は夫を亡くしたことで自暴自棄になっており、会ったその日にパットをベッドに誘うが、パットはまだ浮気した妻を愛しているとつれなく断る。

その日からなぜかティファニーはパットのランニングコースにつきまとい、2人は次第に友人関係になっていく。ティファニーの姉がニッキの友人であることから、パットはティファニーにニッキへの手紙を託し、その代わりティファニーが目指しているダンス大会に一緒に出場することになる。その日から2人は懸命にダンスの練習に励む。ティファニーとの関わりを通してパットは薬もちゃんと飲むようになり、感情を爆発させて周囲に迷惑をかけるようなこともほとんどなくなっていった。

パットはおそらくニッキの浮気事件よりも以前から躁うつ病を患っていて周囲は大変だったのかもしれないけど、浮気したのはニッキのほうなのに、随分態度がデカいもんだなぁと、前半ニッキは登場しないけど、パットたちを通して見えてくるニッキ像になんだかモヤモヤした。

ティファニーがどうしてパットに魅かれたのか?っていうのもよく分からなかった。確かにパットはティファニーに付きまとう男を追い払ってくれて「彼女は繊細で芸術家なんだ」って言ってくれるのを聞いていたけど、そんなこと会ったばかりのパットに何が分かったの?って気がした。2人とも傷ついていたから、同じような人間に魅かれたのかもしれないけど。

パットが立ち直っていく姿も、父親との確執もなんだか中途半端な感じだったしなぁ。字幕にはちゃんと出てなかった気がするけど、あの父親もOCD(強迫性障害)の気があるんだよね?パットを通してお父さんも治療を受けるようになるとかそんな展開があるのかと思ったら、なんかそれはほったらかしだったし。お互いに暴力振るい合ってお母さんはオロオロするばかりだし。お兄さんもパットのことバカにしていたし。なんか「愛してるよ」なんて抱き合ってたけど、そう???って気がした。ズレた家族愛がすごく居心地が悪い。

パットの入院仲間のダニークリスタッカー(太り過ぎてて誰か分かんなかったよ!)の存在もただただ中途半端。あのポジションの役回りならもっと生かす方法があっただろうに、"Black it up."だけじゃすごくもったいない。ただのお飾り的で終わっちゃうんだもんな。

最後に2人のダンスを見せられるんだけど、本当にプロ並みの人たちがこぞって出ている大会で予選とかないのかなぁ?プロ級の人の後で、あの2人のすごく下手くそなダンスを見せられてもなんだかなぁ…あの2人が超うまいわけはないんだから、筋としてはそれでいいんだろうけど、映画的なカタルシスが全然感じられなかった。最後もなんか急にくっつかれても…みたいに戸惑ってしまった。

ワタクシ、デヴィッドO.ラッセル監督とは相性が悪いのかなぁ。「ザ・ファイター」も「スリーキングス」も好きじゃないし。「アダプテーション」もあんまりだったような…この作品はワタクシが大好きだった故シドニーポラックと故アンソニーミンゲラが企画していたらしいんだよねー。残念ながら2008年に2人とも亡くなっちゃったんだけど。もし、あの2人が製作していたらどんなふうになっていたかなと思わずにいられません。

悪口ばかり書いてしまいましたが、実は見ている最中は全然飽きることなく見られました。ところどころ笑えるシーンもあるし。それはやはりキャストの演技が素晴らしかったからかな。ブラッドリークーパーなんて単純に顔を見ているだけで飽きないしね(笑)なんせ世界で一番セクシーな男だから。あ、でも髪の毛は普段くらい長めのほうが良いね。ジェニファーローレンスは間違いなく若手ナンバーワンの演技力ですよね。もうちょっと美人だったらこの役にはもっと良かったんだけど。それプラス、デニーロだから演技合戦という意味では間違いなく楽しめます。

おすぎだけではなくて会場でも最後にはすすり泣きが聞こえたし、アカデミー賞作品賞だってノミネートされているし、ワタクシの感覚がズレているだけかもしれません。。。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿