シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

美しすぎる母

2008-06-17 | シネマ あ行

ひさびさにジュリアンムーアのいい作品が見られるかと期待して行ったんですが、残念ながらその期待は裏切られてしまいました。

んー、分かるんだけどねー。不倫に離婚に同性愛に近親相姦に母親殺しですか。「1972年ロンドンで起こった衝撃の実話」っていう触れ込みですけどね。確かに1972年当時ならばショッキングな出来事だったかもしれません。でも、21世紀のワタクシたちがそれを見せられたところではっきり言ってたいしたことない。夕方のニュースを見たほうがずっとショッキングだもの。って、こんなこと大手を振って言うようなことじゃなくて、変な世の中になっちゃったなぁって嘆くべきことなんだろうけど。

ジュリアンムーアは好きなんだけどなぁ。この母親の設定がよく分からない。冒頭のナレーションで息子エディレッドメインが「母は婉曲表現が得意な人だった」みたいな感じで言っていて、天性の社交性があって、みんなを惹き付けてたって言われるけど、実際の彼女は全然そんなふうじゃなかった。お金持ちとディナーの約束を取り付けるのに、必死に見えたし、“婉曲表現”ができるようなお上品で明晰な人って感じはまったくしなかったな。周りの人も彼女に惹き付けられているどころか、逆に嫌っているように見えたし。どうして、こんな正反対のセリフになっちゃんたんだろう、と考えてみると、もしかして、そう思っていたのは息子一人だけで、彼が母親を過大評価していたっていうだけなのかな。

この母親も息子も現代に生まれていたら、精神科医のカウンセリングを受けて、なんとか安定して生活を送れたかもしれませんね。70年代なら、まだそういうのが発展してなかったでしょうし。

しかし、孫の出所後引き取ってあげたのに、殺されたおばあちゃんが一番かわいそうですな。



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2 コメント

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偽りの果て・・・ (zebra)
2014-07-03 11:14:32
実際の出来事みたいですが あらすじを読んでて ”このふたりはまさに破滅する運命だった”それが 率直な感想です。

息子が母を殺したって なってますがこのゆがんだ関係では 息子が母を殺してなかったとしても 別の形で悲劇を迎えてたのでは。この状況では 逆に母バーバラが息子アンソニーを殺害してた可能性だって おおいにありえます。 

そうとう精神的な不満や不安が鬱積してたバーバラ・・・腹を痛めて生んだ息子だからこそ・・・ってコトにも
zebraさま (coky)
2014-07-03 15:49:12
コメントありがとうございます。

確かにzebraさまの言う通りで、この事件がなかったとしても
この2人が最後まで幸せに暮らせたとは到底思えませんね。

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