DREAM

幽白蔵馬受とかアイマスとか他ゲームとかたまに猫な妄想ブログです

突発SS  正月連作1

2017-01-01 20:04:28 | オールキャラ 黄泉×蔵前提
act1 雷禅国。
玉座に座る暫定国王浦飯幽助はじっとりと
目の前に居並ぶ臣下達を見渡した。
見渡す限りハゲ。ハゲ。ハゲ。
躯の百足には頭が女なこともあり
見目の良い美人も幾多いる。
黄泉の癌陀羅は職員に女子も多く
その上今の所浦飯幽助ランキング一位の美人
蔵馬まで、居て眼福と言ってもいい。
のに。
「なんでウチはハゲばっかなんだよ・・・」
昨日の大晦日の営業は朝の5時近くまで続き
流石に疲れた幽助はマンションに帰り着きシャワーを浴びレコーダーに撮った格闘技番組を
見ながら眠りにつこうと缶ビールを空けようとした所。
ハゲに拉致られたのだ。
『今年も一年宜しく。修行に励めよキラッ☆』 
とただ一言言う為だけに。
幽助さんちゃんと挨拶して下さいよ。と女房役の北神が
突いてくる。
こんな女房役いらねーしと鼻をほじると手を叩かれた。
「いってーな!」
「そろそろ食事が出て来るんですから!
黄泉殿の子供でもやらないことをしないで下さい」
しれっと返す北神を睨みながら幽助は
額に汗を浮かべた。
ウチの飯・・・
所謂ゲテモノ料理が雷禅国の主流だ。
蜂の子とかザザ虫なんて可愛いモンだと思える位に。
オヤジが絶食してた何割かはこの飯のせいじゃねーかと
幽助は思っていたりする。
「今年はですね。躯から『オセイボ』?で頂いた肉と
癌陀羅から届いた野菜がありましてね。」
幽助の顔がパアっと輝いた。
黄泉のとこの野菜は蔵馬の育てた美味いヤツだ。
躯のお取り寄せは本人の舌の確かさもあって
絶対美味い。
ー今年の正月期待出来る?!
「それをウチの名産魔界ユムシと煮込みまして。」
「・・・は?」
「魔界ユムシですよ。幽助さんのお気に入りの。」
・・・気に入りなんかじゃねえ。
他の魔界オボポゴとか魔界モンゴリアンデスワームとか
魔界ヒバゴンよりは、何とか食えたっつーだけだ。
くそ畜生。幽助は傍らに置いてあるスマホに先程桑原から
送られてきた画像を恨めしそうに見た。
美味そうなお節料理。雑煮。
つか、この国に女があまりいないのは飯が不味いからなんだと
声を大にして言いたい。

act2 百足
「酒持って来いよ全然たんねーぞ!」
女帝の声にはーい♡と女中共が答え次から次へと
広い宴会場と化した鍛錬場に酒と魚が運びこまれた。
いつもは飲まない時雨なども盃を重ねている。
普段ならば、酒を飲まない蔵馬がいるから
飛影もそれなりには飲むが朝起きたら既に皆様素敵に
出来上がっていた為酔うまで飲むことが出来ない。
奇琳が倒した酒が気になる。拭いたのかどうか。
時雨が肉にかけていたのはソースでなくあれは水だ。
躯が甘い菓子と寿司を交互に口にしているのも気になる。
あちらに、座る兵士らが食っているのは確か
蔵馬が『一応お節料理に』と飛影にくれた八幡巻きだ。
あとローストビーフ。何故だ。
オレの部屋の冷蔵庫に入っていたのに?!
邪眼まで、開いて凝視する飛影に気付いて上機嫌の躯が
皆に声をかけた。
「そこの皿にある肉は黄泉んとこのキツネが作ったモンだからなー。
お前等めったに食えないから心して食えよー。」
飛影が待て、と言う前に。
そこら中から手が伸びて蔵馬手製の料理はあっと言う間に
皿から消えた。
無言で立ち尽くす飛影に躯は笑いかけた。
「大丈夫大丈夫、オレがキツネに教わった餅焼いてやるから。」
餅なんざ誰でもやけるわ!と怒鳴ろうとしたが
何となくいつもより可愛く見える躯に飛影はちょっとだけ
今年はなんか違う一年になるかも知れない。と何故か思った。
真っ黒に炭化した餅をさあ食えよ!と差し出された
飛影は結局今年もコイツに振り回される一年か、と
力なく炭化した餅を齧った。苦い。

act3 癌陀羅
「黄泉様ーどちらですかー!」
「蔵馬様!来賓の方がお目にかかりたいと!」
バタバタと走り回る女官や部下達を尻目に二人は総長官邸の癌陀羅を
見下ろす鐘楼に居た。
華やかな色合いの正装に複雑に結い上げられた髪型に辟易した蔵馬
落ち着いた色合いの正装に6つある耳全てに飾りを着けられ朝から
慣れぬ重さに辟易した黄泉。
二人の思考が一致して。
こっそり騒がしい晩餐の間を抜け出して来たのだ。
「少し寒いな。」
は。と蔵馬が指に息をかける。
冬の癌陀羅は寒いのだ。
自分の羽織を一枚脱ぐと黄泉はふわりと蔵馬の肩にかける。
一瞬眼を見開いた蔵馬はにこりと笑うと黄泉にありがとうと
ささやいた。
落ち着いた優し気な妖気を感じながら黄泉は思う。
公的にではないが私的には蔵馬は自分の伴侶の
扱いだ。(黄泉本人もそう思っているし)
こうして国の重要な行事には参加してくれるし
修羅の養育も嫌がらず寧ろ喜んでやってくれる。
と言うことは。
言っても良いんじゃないか。
言うのは今何じゃないか。
何となくなあなあでここまで来たが。
膝まづいて指輪を渡すまでは行かなくとも
閨でだけは死ぬほど浴びせている一言を
言うべきなのではないか。
と、黄泉が決意を決めた時。
「パパー蔵馬ーどーこー?!」
目に入れても痛くない可愛い息子の声が。
がくりと肩を落とす黄泉に借りていた羽織を
返しながら蔵馬は笑う。
「子供がいるとゆっくり出来ないな。」
その声が。
思った以上に楽しそうで。
「じゃ戻ろうか。
王様と参謀とパパと・・・蔵馬に。」
差し出された蔵馬の手に自分の手を重ねぎゅっと
握ると『幸せ』とはこんな何でもないことでも
感じられるんだな、と齢千百数十歳にして
黄泉は悟った。




〜お正月なんで。
三国の話を。
てか雷禅国・・・すみませんとしか言えない。
今年もこんなノリです。
4649,ですな。←古い古い。