11日告示された衆院東京10区、福岡6区の両補欠選挙は、民進党の蓮舫代表にとって国政選挙の初陣となる。民進党は両選挙区で共産党に候補取り下げを要請し、野党候補の一本化に成功。ただ、民共の連携が目立たないよう政策協定は結ばず、選挙戦でも蓮舫氏と共産党の志位和夫委員長らが並んで演説することも避ける「ステルス型」の選挙協力に徹する構えだ。

 「生活を支えるよりも、表面的な経済政策を維持しようとする今の政権に反論をもって反対していく」

 蓮舫氏は11日、東京・豊島区で、衆院東京10区に出馬した党公認候補の応援演説に立ち、安倍晋三政権の社会保障政策などを批判。会場には共産党の笠井亮衆院議員が姿をみせたが、蓮舫氏は約10分の演説中、共産党が候補を取り下げたことなどに言及しなかった。

 民進党で11日に野党共闘に言及したのは野田佳彦幹事長だ。野田氏は福岡県久留米市で、衆院福岡6区の党公認候補の出陣式に参加し、「他の野党の皆さんの思いは、暴走する安倍政権に野党のチェック機能を高めたいという思い」と強調。ただ「民進党の理念に基づいて戦う」とも述べ、共産色に染まるのを避けるような言いぶりをみせた。

 民共は、実際の選挙戦では協力関係を深めている。共産党の福岡県委員会幹部は共産党員への電話作戦やビラの証紙貼りなどを行うと打ち明ける。

 民進党は共産党と距離を置く姿勢をアピールするが、こうした「いいとこ取り」の態度に他党は反発を強める。共産党の小池晃書記局長は政策協定なしに候補を取り下げたことについて「補選に限っての特別な対応」と牽制(けんせい)する。

 民進党執行部は、今回のような「ステルス型」の選挙協力を次期衆院選でも用いる考え。共産アレルギーの強い保守層の支持獲得が狙いだが、共産党が選挙戦の一部を支える実態は変わらない。

 今後の共闘のあり方を占うことにもなる今回の衆院補選で、民進党が共産系と保守系の「二兎(にと)」を追い、票を積み上げることができるかどうかは未知数だ。

(清宮真一)


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