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CNDシスターズエッセイ

2016年12月13日 | 日記


 金子みすずさんの詩「わたしと小鳥とすずと」は、心に響く素敵な詩としてよく知られています。「わたしが両手をひろげても、お空はちっともとべないが、とべる小鳥はわたしのように、地面(じべた)をはやく走れない。 わたしがからだをゆすっても、きれいな音はでないけれど、あの鳴るすずはわたしのように、たくさんのうたはしらないよ。 すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい。」


 知らないうちに優劣が入ってものを見がちになる私は、この「みんなちがって、みんないい」ということばを心のどこかに納めています。「みんなちがって、みんないい」は真実なことばです。しかし、実際には違いは大きな問題になることが多々あります。物を置くべきところに置いていないと、なにか人をいらだたせ、相手から非難され、こちらも相手を批判的に見ることがあります。沢庵の切り方一つで嫁と姑が言い争うと聞きます。また、人と違うことで仲間から外され、いじめにあうこともあります。染色体が一本多いという違いのために、胎児を中絶することも起きています。憲法で肌の色によって差別されることはないと記されても、黒人と白人という肌の色が違うことで今に至るまで問題は絶えません。ユダヤ人という民族ゆえに、20世紀に大量虐殺が起きました。7月、相模原市の障害者施設で、健常者と違うために障害者なんかいなくなればいいと殺傷事件が起きました。


 そして、なによりもイエスご自身が、当時のパリサイ派の人々を含め、宗教関係者がしてはいけないと言い続けていたこと(安息日を破る、罪人と食事をすることなど)をして、彼らと違う行動をとったために、ついに十字架上で殺されることになります。小さな違いは、知らないうちに壁を作り、壁は人を恐れさせ、壁は否定すべきものになり、許せない、生かしておけないものになり、ついには人を殺すというところにまで進んで行きます。

 私たちは一人ひとり違うのですから、互いに違いがあってもいいはずです。指紋一つでも、世界に73億人いれば、同じ指紋は一つとしてありません。私は、一人ひとりの違う指紋を作るのは神様も大変でしょうから、神様はだれかのコピーの指紋をお使いになればよいように思います。しかし、神様は、何億人いようとも、手抜きをして同じコピーの指紋を作られません。本当に神さまの業には驚きます。「世界でたった一つの花」という歌が心を打つのも、かけがえのない一人ひとりだということを力強く、まっすぐに歌っているからでしょう。「僕らは世界に一つだけの花・・・小さい花や大きな花、一つとして同じものはないから、ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン」と。




 神様は一人ひとりにそれぞれの思いと夢と使命を託して私たちを作られ、生命を与えられました。みんな違うのですから、お互いの違いが壁というブロックにならないように、違いの壁を低くして、お互いの違いを受け入れ合っていくように努めたいものです。まして、いろいろな人が行き交う時代ですから、文化に優劣をつけずに、相手を尊重して、共に生きることが大切になります。聖霊こそ、あらゆる民族、言語、文化、制度などの違いを超えて、父なる神のもとに私たちを一つに集めてくださる方です。

 違いが気になって心を閉ざしてしまいそうになるときこそ、私の心を開くことができるように、違いを受け入れて、お互いに出会っていけますように、聖霊来てくださいと祈るときかもしれません。風のように大空に息吹く聖霊が、「みんなちがって、みんないい」と、そよ風のように私の心の中にも流れて、そこから私にも感じられる生きていることへの肯定感と安心感の中で、大きく呼吸していきたいものです。 
                        



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