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CNDシスターズエッセイ41 映画「沈黙」をみて シスター兼松益子

2017年03月07日 | 日記
映画「沈黙」をみて


 遠藤周作の「沈黙」が映画になり、話題になって久しいです。残酷なシーンがたくさんあるから、見に行かない方がいいと思っていました。しかし、レクチオ・ディヴィナでご一緒する方々から“見るべきよ、見るに値するわ”、と言われて出かけました。
 映画の中で、信者の人たちが雲仙で熱湯をかけられたり、水責め、火やぶり、穴吊りの拷問を受けるなど、残酷な迫害の場面を見るとき、神はどこにおられるのかと問わずにいられませんでした。また、信者の人たちが、拷問への怖さから、胸が張り裂けんばかりになりながら、踏み絵を踏んだりするときにも、神はどこにおられるのかと問わずにいられませんでした。宣教師のロドリゴ神父が信者の人たちの拷問によるうめき声を聞き、その苦悩を見て、自分が棄教すれば、この人たちはこの苦しみから解放されるのかと思って、踏み絵を踏んだ時の心の苦しみはどれほどだったことでしょう。イエスのために一生を捧げ、身の危険も顧みず、ローマからゴア、マニラ、マカオ、そして長崎に上陸したロドリゴ神父でした。その熱い思いが、映画の中では「踏むがよい」というイエスの声でくずおれるさびしさ、悲しさ、無念さはどれほどだったことかと思います。

 映画を見終ったあとも、神はどこにおられたのか、神は沈黙なのか、とずっと心の中で問い返していました。あるとき、ふと思いました。イエスご自身が鞭打たれ、罵詈雑言を浴びせられ、十字架に付けられ、槍で脇腹を刺され、地獄(「地下のもの」フィリピ2・10)を通り抜ける絶望感を味わわれた、その十字架の出来事が全人類を救うものとなったのならば、江戸時代の禁教令による厳しい迫害で苦しむ信者たちやロドリゴ神父の苦しみをイエスがわからないはずがないと。音声としてのイエスの、神の声を聞くことができなくても、イエスや神が迫害で苦しむ信者たちや宣教師たちと共におられないはずがない、寄り添っておられないはずがないと思いました。
 イエスは復活したのですから、イエスが生きられたこの世界とすべてのものが神に受け入れられているはずです。私たちの体も心も、苦しみも悲しみも喜びも、無意味で空しく感じられることも、罪も死も、すべて神が受け取っておられます。神にとって、人間はイエスによってご自分と切り離せないほど大事な存在になったのです。神にとって、人間はもはや赤の他人ではありません。信者たちが迫害で苦しむとき、イエスも神も傷つき、苦しんでおられたと思います。

 2011年3月11日に東日本大震災が起きた時、日本の7歳のエレナさんが、教皇ベネディクト16世に「どうしてわたしはこんなに怖い思いをし・・・なぜ子どもたちが深く悲しまなければならないのでしょうか・・・教えてください」と尋ねました。教皇様は、「どうして皆さんがこれほど苦しまなければならないのでしょうか。わたしには答えることができません。けれども、わたしは知っています。イエスは、罪がないにもかかわらず、わたしたちと同じように苦しまれました。イエスのうちにご自身を現してくださったまことの神は、皆さんのそばにいてくださいます。・・・たとえ神がわたしのことを知らないように見えても・・・神はわたしを愛しておられます。神はわたしのそばにいてくださいます。」




十字架上まで私たちを愛し抜かれたイエスが復活し、私たちの人生の道のりを共に歩んでくださっているという信仰・信念がキリスト者にはあります。そこから、私たちは生きる力を得ています。沈黙の中で、神は共にいて、寄り添ってくださっていたのですね。


コングレガシオン・ド・ノートルダム修道会 兼松益子
映画「沈黙」の写真:http://eiga.com/movie/85561/gallery/
Foot prints: https://www.onlythebible.com/Poems/Footprints-in-the-Sand-Poem.html
Foot prints日本語訳:http://home.interlink.or.jp/~suno/yoshi/poetry/p_footprints.htm


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