なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

ホースメッセ

2018年01月24日 | 仕事
という馬関係の展示販売会がある。主催はエクイマーケットさんという、一馬具販売店で、今回で2回目。去年1回目だったのだが、行けず。今回は、出店検討という事もあって、偵察がてらちょこっと出かけてみた。

 会場は赤レンガ倉庫。ここには去年ライヴに行っているのだが、西武池袋線沿線の人間だからありがたい、のは、Fライナー等々、ビュワ~~ン!と一本で到着しちゃう電車がある点。赤レンガ倉庫近辺の駅は通過しちゃうので乗り継ぎが必要ではあるが、乗り換えがぐんと少ないのは助かります。近くなったなあ~~と感慨。

 さて、会場の赤レンガ倉庫って、イベントが多いんですわね。今の時期はスケートリンクまであって、人だらけなのである。その中で会場が分かるか心配だったんだけど、でっかい案内図のおかげで割と簡単に会場に到着。

 感想。困ったな。

 これは、昨今の獣医療でもよく感じていることだ。販売展示会にくっついているセミナーは、原則販促と考えてよい。従っていい事しか言わない。で、「こうしなさい」「こうすべきだ」のオンパレード。足し算管理を勧めてくるのだよね。獣医療だと、やれCTだのMRIだの、検査機器をやたら勧めてきて、これがないと診断できませんよ、とか言って脅してくる。別にそんなことはないよ、と言い返しているが、若い世代の方は自信もないから、機械屋に付け込まれちゃうんだな。それと同じようなことが馬業界で起きているわけで。乗るならこうやって乗れ、その為にこんな訓練をしろ、馬の躾をしましょう、こうやって対応しなくちゃ、こういうサプリをあげないと蹄がダメになっちゃう、とかなんとか。。。。。きりがないんだよね。なぜに、きりがなくなるのか?金ばっかりかかるじゃん、という疑問が。

 小動物業界でもサプリって山ほど出てる。飲ませろ、そうでないとビョーキになるぞ、不健康になっちゃうぞ、躾をちゃんとしろ、ストレスを軽減してあげないとイケマセン、まーウルサイわ~!!動物からすれば、サプリなんざただの得体のしれないもの、そんなのを毎度飲まされる方が、よほどストレスだと思うんだがな。ストレスを軽減したけりゃ、家族仲良くしててくださいよ、これで十分。健康診断、まあやってくれと言うならやるけどさ、それ以前に飼い主が健康診断をしてくださいよ、飼主が病気で入院ってのが一番まずい、ましてや死んじまったら動物も共倒れですよ、という話を飼い主さんにはよくしている。
 小動物業界では、とかく情報過多(しかも情報の内容が原則暗い)ので、飼主がうろたえちゃうケースが多いんだけど。

 馬業界については、情報が少ない上に、どの情報もなんかパッとしない、のが問題だ。これはねえ、獣医に問題があると思っているんだけどね。獣医がきちんと馬の管理の仕方、病気にさせない法等々のアドバイスができてないから。従って、なんの資格もない連中があっちこっちで勝手なことを言って、客を脅かしたり混乱させたり、そうやってどこまで金を引き出せるか、の勝負って感じに見えるのだ。
 自分もそういうのに振り回されて結構金を使いましたっけ。仕事柄、本当に悩んでたしなあ。なんでこう、馬ってすぐ発狂するんだ?なんで人に食いついたりするんだよ?草食獣なのにさ、というのが起点。これを解決するのは道具なのか?乗り方なのか?ほぼぜーんぶ試したと言っていい。で、分かったことは、ぜーんぶハズレ、ということ。で、ハミに行きついたってわけなんだけど。

 乗り方でいえば、メッセに出てたバランスインムーブメントについて。これを言ってる乗馬クラブの馬がおっかない。いきなり立ち上がるわ、発狂して暴走するわ、乗り方がちゃんとしてれば馬が落ち着く、なんてことは0、どころかーでしたね。呆れちゃったが、なのにまだそんなのを勧めるんだもの、どういうつもりなんだ?

 でもねえ、客側も何をどうしたいんだろうか?馬術がどうこうって馬に芸をさせたいのか?それなら、馬と「仲良くする」のは不可能です。馬に文句ばっかり言ってることになるんだもの。誰だってそんなんなら発狂するさ。一方では、みんな「馬がコワイ」と言う。その理由についての考察がないわけで。

  ただ、この辺り、誰のどんなアドバイスでも全然問題解決にはならなそうな・・・・、というのは、客側にちょっずつ出てきてるみたいな気がする。従って、販売商品は山ほどあれど、売れてる気配がほとんどなかった。日曜日だったんだけど。。。。。、金ばかりかかって怖い思いばかりする、全然楽しくならない、10年も乗っててまともに駆歩すらできない、というのが乗馬の現実で、それについて、もっとあーしろこーしろ、これが足りない、あんたがダメだからだ、というのがクラブ側の言い草。挙句に落馬して大怪我。こんな事ばかり。従って、乗馬なんか全然魅力がなくなるのは当然でさ。

 で、客が最後にどうなるかというと、乗らなくていいわ、馬は可愛いからお世話できればそれでいいわ、となる。そういう変な「ボランティアもどき」みたいな人があちこちの乗馬クラブ内でウロウロしている。しまいに馬に人生を食い潰されちゃう。実際、そういう人ってメチャクチャ多い。自分の健康を害して、それが自慢みたいな。なんか、業界自体が不健康ですわね。

 まあ、色々考えましたね。やっぱり、次回は出店しようかなあ・・・・・?準備もかなり大変だし、出店だってカネがかかる、慎重にしないとイカンのだけども。

 
 
コメント (3)
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