「バヤデルカ」の音楽
わたくしはまだ影の王国におります。アマゾンで「ラ・バヤデール」全曲のCDを買って聴いているのです。ところがですね、私が買ったこのCDは「全曲」と銘打っているのですが、解説を読んだら、どうも違うらしいのです。
私が買ったのはリチャード・ボニング指揮、イングリッシュ・チェインバー・オーケストラ、ロンドン・シンフォニー・オーケストラ演奏のもの(DECCA、UCCD-3841/2)です。
CD付録の解説によれば、このCDは、ナターリャ・マカーロヴァがソ連から西側に亡命した際に持ち出した「ラ・バヤデール」のピアノ譜を、ジョン・ランチベリーがオーケストラ用に編曲したものなのだそうです。
ただ、ルドルフ・ヌレエフが西側に亡命した時に、ヌレエフは「影の王国」のシーンの総譜を持っていたので、ランチベリーは「影の王国」部分はそれを用いたようです。
また、バレエ音楽の研究者で、原曲の復元と録音をライフ・ワークにしているボニングも、「影の王国」でのニキヤとソロルとのパ・ド・ドゥからコーダまでについては、作曲者であるレオン・ミンクスによるオーケストラ譜を個人のコレクションとして所蔵していたため、そのオーケストラ譜を用いて録音している、とのことです。
このCDでは、「壷の踊り」、「太鼓の踊り」、「兵士たちの踊り」(←どういう踊りかは不明)などのディヴェルティスマンの音楽は削除されています。ランチベリーの判断によるそうです。理由は説明されていません。
従って、このCDは全編がミンクスによるオーケストラ譜に従って録音されたものではなく、ほとんどをランチベリーの編曲版に拠っており、一部(影の王国)だけがミンクスのオーケストラ譜を用いている、ということになります。
このランチベリー編曲による「ラ・バヤデール」の音楽は、英国ロイヤル・バレエ団(マカロヴァ版)、ミラノ・スカラ座バレエ団(マカロヴァ版)、パリ・オペラ座バレエ団(ヌレエフ版)で用いられており、西側での「ラ・バヤデール」の音楽の定番になっているようです。
よって、旧ソ連圏のバレエ団で用いられている「ラ・バヤデール」もしくは「バヤデルカ」の音楽は、当然ランチベリーの編曲版とは異なっているはずです。
しかし、それなら旧ソ連、たとえばサンクト・ペテルブルクやモスクワでは、ミンクスによる「ラ・バヤデール」原曲が完全に保存されているかというとそうではなく、他のバレエ音楽の例に漏れず、ミンクスの原曲は一部が削除され、更に他の作曲家たち(ルイジーニ、ブーニ、ドリゴ、ヴィエタス)による音楽が追加され、ミンクスの原曲と他の作曲家たちによる追加音楽が混ざり合ってしまって区別がつかない状態なのだそうです。
それでも旧ソ連圏のほうが、ミンクスやその他の作曲家たちによるオーケストラ譜を所有しているはずですから、私はぜひ旧ソ連圏のオーケストラによる「ラ・バヤデール」全曲版のCDを手に入れたいのです。
ところがなかなか見つからないんですよ。イギリスのDance Booksでも検索しましたが、ヒットしたのはボニングのCDと、あとは「影の王国」の音楽のみを収録したCDだけでした。
じゃあ映像版はどうかな、と思って検索したら、ヒットしたのは英国ロイヤル・バレエ団、ミラノ・スカラ座バレエ団、パリ・オペラ座バレエ団の3つだけでした。これはランチベリーによる編曲版を使っている可能性が高いな、と思い、買うふんぎりがつきません。
マリインスキーでもボリショイでもレニングラード国立バレエでもいいから、「ラ・バヤデール」の音楽CDか映像版を製作してほしいと切に願います。
私が買ったのはリチャード・ボニング指揮、イングリッシュ・チェインバー・オーケストラ、ロンドン・シンフォニー・オーケストラ演奏のもの(DECCA、UCCD-3841/2)です。
CD付録の解説によれば、このCDは、ナターリャ・マカーロヴァがソ連から西側に亡命した際に持ち出した「ラ・バヤデール」のピアノ譜を、ジョン・ランチベリーがオーケストラ用に編曲したものなのだそうです。
ただ、ルドルフ・ヌレエフが西側に亡命した時に、ヌレエフは「影の王国」のシーンの総譜を持っていたので、ランチベリーは「影の王国」部分はそれを用いたようです。
また、バレエ音楽の研究者で、原曲の復元と録音をライフ・ワークにしているボニングも、「影の王国」でのニキヤとソロルとのパ・ド・ドゥからコーダまでについては、作曲者であるレオン・ミンクスによるオーケストラ譜を個人のコレクションとして所蔵していたため、そのオーケストラ譜を用いて録音している、とのことです。
このCDでは、「壷の踊り」、「太鼓の踊り」、「兵士たちの踊り」(←どういう踊りかは不明)などのディヴェルティスマンの音楽は削除されています。ランチベリーの判断によるそうです。理由は説明されていません。
従って、このCDは全編がミンクスによるオーケストラ譜に従って録音されたものではなく、ほとんどをランチベリーの編曲版に拠っており、一部(影の王国)だけがミンクスのオーケストラ譜を用いている、ということになります。
このランチベリー編曲による「ラ・バヤデール」の音楽は、英国ロイヤル・バレエ団(マカロヴァ版)、ミラノ・スカラ座バレエ団(マカロヴァ版)、パリ・オペラ座バレエ団(ヌレエフ版)で用いられており、西側での「ラ・バヤデール」の音楽の定番になっているようです。
よって、旧ソ連圏のバレエ団で用いられている「ラ・バヤデール」もしくは「バヤデルカ」の音楽は、当然ランチベリーの編曲版とは異なっているはずです。
しかし、それなら旧ソ連、たとえばサンクト・ペテルブルクやモスクワでは、ミンクスによる「ラ・バヤデール」原曲が完全に保存されているかというとそうではなく、他のバレエ音楽の例に漏れず、ミンクスの原曲は一部が削除され、更に他の作曲家たち(ルイジーニ、ブーニ、ドリゴ、ヴィエタス)による音楽が追加され、ミンクスの原曲と他の作曲家たちによる追加音楽が混ざり合ってしまって区別がつかない状態なのだそうです。
それでも旧ソ連圏のほうが、ミンクスやその他の作曲家たちによるオーケストラ譜を所有しているはずですから、私はぜひ旧ソ連圏のオーケストラによる「ラ・バヤデール」全曲版のCDを手に入れたいのです。
ところがなかなか見つからないんですよ。イギリスのDance Booksでも検索しましたが、ヒットしたのはボニングのCDと、あとは「影の王国」の音楽のみを収録したCDだけでした。
じゃあ映像版はどうかな、と思って検索したら、ヒットしたのは英国ロイヤル・バレエ団、ミラノ・スカラ座バレエ団、パリ・オペラ座バレエ団の3つだけでした。これはランチベリーによる編曲版を使っている可能性が高いな、と思い、買うふんぎりがつきません。
マリインスキーでもボリショイでもレニングラード国立バレエでもいいから、「ラ・バヤデール」の音楽CDか映像版を製作してほしいと切に願います。
「バヤデルカ」については私も調べた事がありお役に立てるかどうかわかりませんが・・・
「ラ・バヤデール」の全曲盤CDはDECCAから出ている物の他に新書館の物があります。
http://www.fairynet.co.jp/SHOP/4560219320659.html
こちらには「壷(マヌー)の踊り」「太鼓の踊り」が収録されています。
「ラ・バヤデール」の映像になっている物では
ミラノ・スカラ座バレエ団の「ラ・バヤデール」は見た事がありませんが
パリ・オペラ座バレエ団とボリショイ・バレエ団(DVDは出てないと思います)には
英国ロイヤル・バレエ団にはない「壷(マヌー)の踊り」「太鼓の踊り」があります。
また今月末にKULTURからキーロフ版がリリース予定です。
http://estore.websitepros.com/1652646/Detail.bok?no=1198
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000YKYT2Q/
参考になれば幸いです。
本当にどうもありがとうございました。
新書館から出ている「ラ・バヤデール」のCDは、「スタニスラフ・ゴルコヴェンコ指揮 サンクトペテルブルク放送交響楽団」となっていました。ランチベリーの編曲版ではなく、ロシアで使用されている楽譜を用いているのではないかと思います。
1月29日に発売されるキーロフ・バレエ「ラ・バヤデール」のDVDは、アマゾンでは「リージョン1」と表記されていますが、Kulturではリージョンが「all」と表記されています。両方とも同じ商品のように見えるのですが・・・。
とりあえず、Kulturのほうで予約してみました。NTSCでリージョンがallであれば、たぶん再生はできるでしょう。発売日の今月末(商品の到着は2月になるでしょうが)を楽しみに待ちたいと思います。
CDやDVDはハマったときが「買いどき」ですよね。本当にどうもありがとうございました。
Kulturとamazon.co.jpへのリンクは同じ商品です。
amazon.co.jpでは確認作業が難しい為かアメリカ輸入ものをリージョンallであってもリージョン1としてあることが多いです。
(たぶんALL表記してそうでなかった場合大変なので)
くわえてKulturではDVDのパッケージに"Region1"と表記してあってもALLのものがあります。
なので今度でるキーロフ版「ラ・バヤデール」はALLだと思います(たぶん)。
私はCD,DVDを買うときに渋谷のチャコットを利用する事が多いです。ここは在庫が多い上に販売している物は全部(DVD,レッスンCDも)試聴、視聴(?)させてくれるので
目的の曲が入っているか?
振付けが違う場合見たい踊りが入っているか?
画質はどんな感じか?
など迷っているときには便利です。
新書館のCDは音質があまり良くない物もあると聞いているので確認した方が良いかもしれません。
渋谷のチャコットですね、買いたいCDや映像版があるときは、今度から行ってみることにします。重ね重ね、本当にありがとうございます!
「バヤデルカ」に話は戻りますが、私は「太鼓の踊り」と「壷の踊り」がけっこう好きです。
特に「太鼓の踊り」はいいですね~。いつもエキサイトします。先日のレニングラード国立バレエの公演でも、女性ダンサーが踊りの最後の決めのところで、思わず「ヤア!」と声を上げていて、それで観客の拍手も大盛り上がりでした。
私自身「バヤデルカ」の舞台をまだ見たことがありません。
今度見に行く予定の新国立は新制作時にランチベリーが振ってるからか残念ながら「太鼓の踊り」はないんですよね。でも楽しみです。
CDのほうは、数箇所で少しノイズのような音が聞こえますが、BGM&思い出し用として聴くぶんには何の差し障りもありません。
DVDのほうは、日本向けDVDプレーヤーで再生できました。カラーで収録時間は130分、キーロフ・バレエの実際の公演を収録した映像のようです。でも収録年月日は記されていません。
昔のものだと思いますが、画質はまあまあです。ダンサーの顔がぼやけて見えない、といった問題もありません。
主なキャストは以下のとおりです。名前が読めないので、英語表記ですみません。
ニキヤ:Gabriella Komleva
ソロル:Rejen Abdyev
ガムザッティ:Tatiana Terekhova
大僧正:Gennadii Selyutsky
ラジャ:Yuri Potemkin
旧ソ連時代の公演でしょうから、ダンサーの名前にはさっぱり聞き覚えがありません。ご存知のみなさま、どうぞご教示のほどよろしくお願いいたします。