【解説・非法家族】 子は嫡出に非ず!子の国籍を剥奪し国外に放逐しようとした司法から子を奪還した違法者が語る異説

世に違法な婚姻は有っても違法な親子は無い
─ 違法・適法を問わず日本で出生したすべての子のために ─

異説8.【“事実婚”の大嘘(4)夫婦同氏の回避】

2016年11月04日 | 異説編

※本記事は素人の法解釈です。法師の方は迂闊には信じず御自身で御確認ください。

異説8.【“事実婚”の大嘘(4)夫婦同氏の回避
 
 巫山戯たお話しから入ります。
 実現可能だけど実行できない、夫婦別姓で法律婚にする方法があります。
 
 まず、御両人のどちらかが、中国国籍を取得してください。
 それから国際結婚をすれば、夫婦別姓になります。
 
 なぜ、そうなるのか?
 日本国籍を失ったら戸籍から除籍されて、国際結婚で日本人側の戸籍に配偶者として入籍するけど、当人の戸籍は消失するからです。
 
 もうひとつ、自分の姓名を自分で決める方法があります。
 
 まず、日本国籍を離脱してください。
 それから、日本国籍を取得したら、姓も名も自分で決める事が出来ます。
 国籍取得の際に姓名も併せて申請しますが、それに応じて戸籍が創設されるからです。
 
 これは、娘が国籍を失った場合に、改めて国籍を取得する手続きを調べていて思いつきました。 その時は、娘の名は娘に自分で決めさせようと考えていたものです。
 
 実行可能かどうかは分かりません。
 おそらく法務局は従前の戸籍を起こし直しますから、その時は行政訴訟をお願いします。
 
 これらはどちらも、夫婦同氏は純粋に戸籍制度の問題で、婚姻制度の問題ではない事を示します。
 
 そんな真似までして、夫婦別姓の結婚をなさいますか?
 しませんね。
 そんな事をしたら、戸籍を失いますから。
 
 “事実婚”で夫婦同氏を回避するという考えは、「婚姻が戸籍に記載されない」という点で、戸籍を失う事と等価の幼稚な考えでしかありません。



 
 民法第750条「夫婦同氏」は婚姻の効力です。
 何のための効力かというと、これが戸籍用でしか有り得ない。
 
 夫婦同氏の本質を知るためには、婚姻と戸籍の関係を見極める必要があります。
 夫婦同氏と法律婚主義が、戸籍作成のために必要だったのです。
 
 民法は婚姻の成立を規定しました。
 だから戸籍制度が実現可能になった。
 この点で、夫婦同氏が婚姻制度の問題に見えてしまう訳です。
 
 民法739条の届け出とは、実は戸籍法(74条)の届出です。
 法務省:婚姻届
 出生届も、戸籍法(49条・第52条)です。
 法務省:出生届
 
 婚姻の成立を規定する事で、(民法では)「届け出た婚姻」だけが婚姻になりました。
 すると、「届け出た婚姻の子」だけが嫡出子になります。
(注:婚外子の親子関係形成にも「認知の届出」が必要ですから)
 そうする事で、行政は「全ての人の身分関係」を押さえる事が出来ます。
 
 「日本の戸籍は正確で、他国では真似できない」、そんな話しを聞いたことはありませんか?
 
 本家の中国にもこんな優秀な戸籍制度は有りません。
 中国では今以て家譜(家系図)が一定の効力を持っています。
 日本で高品質な戸籍制度を実現できた理由は、日本人が真面目に勤しんだからではなく、仕組みの問題なのです。
 
 民法が法律婚主義だからこそ、正確な戸籍を作れました。
 
 その代償として、内縁関係は婚姻ではなくなり、婚外子は親を失いました。
 婚外子の他にも、親を失った子は居りますよ。
 それは、婚姻無効の子です。
 
 そのあたりは、お話しの肝ですので、また改めて取り上げます。
 
 戸籍制度実現のためには、民法は法律婚主義にする必要が有りました。
 邪推ですが、おそらくは戸籍制度のために、民法は(婚姻の成立を規定するという意味で)法律婚主義と、夫婦同氏を設定したのであろうと、F.Cloudsは疑っています。
 
 私ども国際結婚の夫婦では、外国人配偶者の氏が変わったりしません。
 それとも、日本人側配偶者が外国人側の氏に変更すると届け出たら、市役所は受理するんでしょうか?
 外国人には、戸籍が無いから、配偶者と夫婦同氏にする必要が無いだけです。



 
 私達は、結婚したら姓(せい)が変わるものと、子供の頃からずっと思い込んでいました。 家族の絆に影響するとも思えませんが、結婚で姓が変わることを望まれる方も居られます。
 そこは考慮する必要があるのでしょうが、しかし、
 
 結婚による夫婦同氏は全然日本古来の伝統ではありません。
 
 だいたい夫婦同氏が始まったのは明治民法からですから130年前、せいぜい4世代か5世代以前の事です。
 
 ヘタすりゃ親の祖父母あたりはその頃を知っていた。
 現代は、そんな制度が施行された時代を知っている世代が、漸く死に絶えた頃合いの、伝統もクソもない制度です。
 
 平民苗字必称義務令(明治8年太政官布告第22号)自体が戸籍作成のために発令された訳ですからね。
 
 明治民法で、もっぱら父系社会だったお武家さんの伝統を、母系社会が根強く残った私ども一般庶民に押し付けたという事情はありますが、こと夫婦同氏については、それですらない。
 
 その以前は、お武家さんでも女性が嫁入りしたって氏(うじ)は変わりませんでした。
 まあ男性が婿入りの場合は氏は変わったし、氏と姓はまた違うわけですが。
 氏は変わらずとも、姓(かばね)は親子でも違ったりした。
 
 一般庶民に至っては、氏も姓も無い「足柄山の木地師の金太郎さん」や「船場山の狸猟師の権兵衛さん」だったんですから、
 
  夫婦同氏もクソもありません。
 



 
 一般庶民にも名字なら有ったようです。
 氏姓制度のお話しは、無学者が語っても大雑把ですが御容赦ください。
 
 氏(うじ)、姓(かばね)、名字(みょうじ)、苗字(みょうじ)、氏素性を公示するこれらの符号は、それぞれに役割が有り出自が違いますが、勿論、現在は味噌糞一緒になりました。
 
 かつて、お武家さんは苗字帯刀が許されましたが、一般庶民には許されていません。
 でも、名乗れないのに一般庶民にも名字は有った、寺社の過去帳なんかには記録が有るようです。
 
 それは、この“名字”の出自に由来します。
 名字は端的に言って、荘園制の時代の豪族の私有地の地名です。
(注:苗字は専ら職業に由来するファミリーネーム)
 
 豪族は領地を持っていて、これを荘園といいました。
 その荘園に付けられた名称が、“名字”です。

 その荘園で、第一次産業に従事して居られた方を、「○○の△△さん」と称しました。
 それが、一般庶民の、“名字”の起源です。
 
 ですから、名字が有ったと言ってもやはり、庶民は氏も姓も無い、「越後の縮緬問屋の光圀さん」や「大工の棟梁の熊さん」だったのです。
 
参考:姓・氏・名字の雑学



 
 人の名というのは個人の一意性に係る大切なものですから、結婚で姓が変わる方がトンデモでしょう。
 
 明治民法の家制度を引き摺る因習ですらない。
 夫婦同氏は、純粋に戸籍制度の問題です。
 
 
 それどころか、F.Cloudsに言わせれば、自分の名を自分で決めることも出来ない事自体が問題です。
 
 親が名付けるのは幼名だけで、自分の名は20歳だか18歳だかの成人時に自分で決めるとか、名付け親に頼むとか。
 ウチの女房には、幼名があります。 上海に帰ったら、親類は今もって幼名で呼んでます。
 或いは、諱(いみな:本当の名)と字(あざな:通用名)を登録制にでもして復活するとか。
 近頃はなんか、もの凄いキラキラネームも増えてきているみたいだし。
 
 ウチの娘も岳父が命名しましたから。
 名前を20個ほども考えて貰って、その中から日本語読みでも通用しそうな名を採用しました。
 だから、ちょっとキラキラしているので心配したんですが。
 ところが娘が小学校に進学してクラスメートの名を見たら、娘なんか全然キラキラネームじゃ無かったんですから、呆れました。
 
 中国も夫婦別姓ですが、特に混乱はありません。
 子は母の姓を名乗っても、父の姓を名乗ってもOKです。
 でも、やっぱり、父方の姓にすることが多いようです。
 
 この際、決め付けてしまいますが。
 以前は、戸籍は全部、戸籍吏の手書きだったから、
 管理の問題で、夫婦同氏にしちゃっただけでしょう。
 
 でも、今なら出来るでしょう。
 戸籍は平成の改製で、もう大方電子化しちゃったはずですし。
 
 あれだけ大騒ぎして、マイナンバーも始めたんですから。
 ところで、戸籍とは別系統で国民総符号化制度をやったからには。
 無戸籍児にもちゃんと、マイナンバー交付して、打つべきはちゃんと手当てし貰いたいものです。
 
 当然、そんな問題は全部クリアしてから始めたんでしょうから、「親が届け出ないから出来ません」なんて寝言は通用しません。
 親が届け出たくても受理しないのは、法務局の方なんですから。
 外国人にもマイナンバーが有るのに、無戸籍だからといって日本人にマイナンバーが無い理由は、ありません。
 
 無戸籍児にもちゃんとマイナンバー交付して。
 正しい身分関係を公示する然るべき戸籍に就籍させる。
 嫡出じゃなくって認知の無い子の正しい戸籍は、母の認知が有る自身が筆頭者の、単独の戸籍です。
 【異説1.無戸籍児問題の真因とは?】参照
 
 その出生届を父が届け出たら、これもちゃんと受理してその子の戸籍には、「父の認知」も記載されねばなりません。
 
 戸籍法第52条3項で、非嫡出子の出生届は(プライマリは母だけど)同居者にも届出義務がありますから、父の届出を受理しないのは違法です。
「昭和57年4月30日付け法務省民二第2972号当職通達」が正しいことは何れ証明しますが、これを演繹したら、父が届け出る出生届には認知の効力があります。
 
 
 現代なら、出来ると思います。
 そこらの問題を一気に解決する事も。
 もしやったら、「おや、マイナンバーってば結構有用じゃないか」って、皆に褒めてもらえますよね。
 
 所詮は素人考えの戯言ですよ。
 ただ、もしもそうやって夫婦同氏の問題を片付けたとしたら、その結果、婚姻制度の何が変わるわけでもない。
 
 夫婦同氏なんてのは、純粋に戸籍制度の問題なのです。



 
 次回は、中国婚姻法に戻り、婚姻無効のお話しをいたします。
 
 日本では、「但し書きを引き出すためだけにある無用な規定」扱いの婚姻無効ですが、とんでもありません。
 現在、日本で生じる親子問題の大きな要因に、この婚姻無効が正しく解されていない事があるだろうと、F.Cloudsは疑っています。
 
 F.Cloudsの私的解釈では、民法742条には、1語たりとも無駄な記述はありません。
 全てが必要、でなければ法律婚主義は完成しません。
 
 それを読み解くためには、事実婚の説明が欠かせませんでしたが、思いがけず手間取ってしまいました。
 
 事実婚のお話しの最後に、念を押しておきます。
 
 事実婚は、成立した婚姻です。
 成立した婚姻には、人の身分関係が発生します。