オリオン村

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
since 2007.4.16

水軍遙かなり

2017-04-06 00:01:24 | 読書録

水軍遙かなり(上)

文藝春秋

このアイテムの詳細を見る

水軍遙かなり(下)

文藝春秋

このアイテムの詳細を見る

戦国期の水軍と言えば村上水軍が有名ですが、志摩の鳥羽に拠った海賊の名の方がぴったりくる九鬼水軍も忘れてはなりません。
その九鬼水軍を率いた嘉隆ではなく、嘉隆の嫡男である守隆が主人公となれば興味津々、かなりな期待を持って読み始めました。
しかしその期待は裏切られて半ばからは苦痛すら伴い、守隆に「自分の人生は全て中途半端だった」と語らせていましたが、いやいや、中途半端だったのは作者の構想です。

出だしこそ海を眺めることで地球が丸いことを理解するなど俊英さをアピールした守隆ですが、しかしその後が続きません。
そもそもが九鬼水軍の生き様ではなく、単に守隆、あるいは嘉隆の目を通した戦国史でしかないのが看板に偽りあり、と叫びたい次第です。
九鬼親子としては避けて通れない本家との確執、関ヶ原合戦で東西陣営に分かれた嘉隆と守隆の心の動き、戦後に嘉隆が自害をするに至る顛末、などをメインにすれば面白い作品になったはずなのですが、これらをあっさりと、話題の言葉で語れば「ナレ死」のような扱いでしかないのでは何を描きたかったのかが見えてこないのも当然でしょう。
最後にお茶を濁すかのような大御所家康の構想を持ち出すもこれまた中途半端、それっぽく登場をさせた風魔然り、小浜民部然り、書き出す前に構想を練っていたとは思えない場当たり的な小話を、しかも本筋からすればどうでもよいようなそれを積み重ねているだけです。
主人公を例えば筒井定次とかにしても大して手を入れずに再構成できそうな、そんなテンプレートみたいな船旅でした。


2017年4月4日 読破 ★★☆☆☆(2点)


ブログランキング・にほんブログ村へ
一日一クリック応援をお願いします。

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
« どんだけ拷問なんだよ | トップ | ZOZOっと初白星 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。