オリオン村

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葉隠無残

2018-01-10 00:00:39 | 読書録

葉隠無残

講談社

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葉隠、とは肥前佐賀藩の藩士であった山本常朝が武士の心得を後述したものをまとめたもので、武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり、の一節は有名です。
しかしこれは武士のあるべき姿、理想像を語ったものであるため藩としては都合のいいものでもあったようで、後に鍋島論語とも呼ばれました。
江戸中期以降に武士の考えが移ろいていく中で愚直に武士道を求める、これは時代の流れに逆らうことと同義でもあり、それに縛られていく藩士の悲哀が描かれています。

見事な立ち振る舞いで危機を切り抜けた中野権平を除けば、その全てが自らの心を殺す、あるいは意地立てをすることで武士道を貫いています。
それを是とするか非とするか、現代人の観点で考えてはいけないのでしょうが、体面を保つことが第一義ではやはりタイトルどおりの「無残」としか言い様がありません。
おそらくは作者もその無常を伝えたかったのではないかと、残された人々の恨めしい様子がそれを物語っていますし、どうしても後味の悪さのようなものを感じてしまいます。
それこそが武士道、なのかもしれませんが、件の武士道と云ふは、にしても本来の意味とは違って伝えられているところからしてもご都合主義は否めず、無残、無残、無残です。


2018年1月8日 読破 ★★★☆☆(3点)



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