★私のクラシック音楽館(MCM)★ クラシック音楽研究者  蔵 志津久            

クラシック音楽のCD/DVDによる名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

◇クラシック音楽CD◇NHK ‐FM「ベストオブクラシック」レビュー

2017-01-24 12:27:34 | NHK‐FM「ベストオブクラシック」レビュー

 

<NHK‐FM「ベストオブクラシック」レビュー>

 

~ゴーティエ・カプソン&児玉 桃 デュオ・リサイタル~


シューマン:幻想小曲集
ブリテン:チェロ・ソナタ
ドビュッシー:チェロ・ソナタ
ブラームス:チェロ・ソナタ第1番
ラフマニノフ:ヴォカリーズ(アンコール)
マスネ:タイスの冥想曲(アンコール)
フォーレ:夢のあとに(アンコール)
               
チェロ:ゴーティエ・カプソン

ピアノ:児玉 桃

収録:2015年11月27日、東京文化会館小ホール

放送:2017年1月6日(金) 午後7:30~午後9:10

 今夜のNHK‐FM「ベストオブクラシック」は、“ゴーティエ・カプソン&児玉桃 デュオ・リサイタル”である。チェロのゴーティエ・カプソン(1981年生まれ)はフランス東部のシャンベリ出身。パリ音楽院で学び、1997年同音楽院で1等賞を受賞。1999年サン・ジャン・ド・リュズの「モーリス・ラヴェル・アカデミー」第1位、ニュージーランドの「クリストチャーチ・チェロ・コンクール」第2位に入賞、またトゥールーズの「アンドレ・ナヴァラ・コンクール」では優勝を果たした。2000年パリ音楽院で「チェロと室内楽音楽賞」を受賞。2004年ドイツテレビの「エコー賞」のほか「ボルレッティ・ブイトーニ・トラスト賞」も受賞 した。その後はソリストとして世界中で活発な演奏活動を展開し、現在ヨーロッパで最も将来を嘱望されているチェロ奏者の一人。兄は、ヴァイオリニストのルノー・カプソン。

 ピアノの児玉 桃は、大阪府出身。13歳の時にパリ音楽院に入学。在学中に「セニガリア国際コンクール」優勝。1987年「エピナール国際ピアノコンクール」優勝。16歳でパリ音楽院を卒業。1991年、19歳の時に「ミュンヘン国際音楽コンクール」で1位なしの第2位。1997年「出光音楽賞」受賞。1999年「第9回テレンス・ジャッド賞」受賞。2002年にトッパンホールで行ったメシアン:「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」全曲リサイタルが絶賛された。2003年オクタビアレコードよりCDデビュー。2006年メシアン未発表の作品「ヴァイオリンとピアノのための幻想曲」の世界初演をフランスで果たす。2009年「芸術選奨新人賞」受賞、「中島健蔵音楽賞」受賞。2012年「佐治敬三賞」受賞。2007年「メシアン国際コンクール」の審査員を務めた。現在パリ在住。

 最初の曲のシューマン:幻想小曲集op.73は、もともとはクラリネットとピアノのための室内楽曲である。出版に際してヴァイオリンやチェロのための編曲譜も付され、ここではチェロ用に編曲されものを使用。曲はそれぞれ異なる性格を持つ3つの小品からなる。次の曲のブリテン:チェロ・ソナタは、ブリテンがチェリストのムスティスラフ・ロストロポーヴィチと初めて出会い、親交を結んだのをきっかけに、このチェロソナタのほかチェロ交響曲、3曲の無伴奏チェロ組曲などが作曲された。チェロソナタは1961年に完成しロストロポーヴィチが再び来英した際に、オールドバラ音楽祭でピアノをブリテンが担当して初演された。全体は5楽章で構成されている。これらの曲でチェロのゴーティエ・カプソンは、正統的で、実に朗々とした響きのチェロ演奏を聴かせてくれた。安定感は抜群に良い。ゴーティエ・カプソンのチェロの響きは軽快であり、重苦しさは微塵もない。清々しい感じの演奏には好感が持てる。ピアノの児玉 桃は、実に華やかな演奏内容で、ゴーティエ・カプソンのチェロ演奏をを際立たせるのに成功したようだ。

 ドビュッシー:チェロ・ソナタは、作曲家の最晩年の作品に当たるが、最初「さまざまな楽器のための6つのソナタ」の中の1曲として構想が練られた。結局ドビュッシーが完成することができたのは、「ヴァイオリン・ソナタ」と「フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ」、それにこの「チェロ・ソナタ」の3曲だけであった。「チェロ・ソナタ」は1915年に作曲され、「プロローグ」「セレナード」「終曲」の3つの部分が簡潔につくられた演奏時間の短い、チェロのヴィルトゥオーソのための作品。最後の曲のブラームス:チェロ・ソナタ第1番は、1865年の夏に完成したが、作曲が始められたのはその3年ほども前のこと。この頃、ブラームスは、「ドイツ・レクイエム」の作曲に没頭していたようだ。その後、ブラームスはチェロ・ソナタ第2番を完成させている。これら2曲の演奏では、ゴーティエ・カプソンは、それぞれの曲に程よい陰影を付け、性格をくっきりと浮かび上がらせることに成功した。高い技巧を要する曲でありながら、リスナーは緊張感なく伸び伸びと聴くことができた。これはゴーティエ・カプソンの技巧が真の高みに達している結果であろう。ここでも児玉 桃のピアノ伴奏は、誠に生き生きと曲を盛り立てている。二人は大変に相性のいいコンビだと思う。(蔵 志津久) 

『音楽』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« ◇クラシック音楽◇コンサート情報 | トップ | ◇クラシック音楽◇コンサート情報 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

NHK‐FM「ベストオブクラシック」レビュー」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。