ブラームス:交響曲第4番
演奏:フリッツ・ライナー指揮/英国ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
CD:米国Chesky Record
ブラームスの交響曲第4番は1884-85年にかけて作曲された。ブラームスにとっては最後の交響曲となった。全体的に古典音楽を基調としており、晦渋な音作りとなっていることが、もっともブラームスらしい交響曲といわれている。ただ、よく聴くとロマンチックな面も持ち合わせており、聴けば聴くほど持ち味の良さに気づく。
フリッツ・ライナーのこのCDは、ブラームスの交響曲第4番の数あるCDの中で、ひときは輝きを放つ名盤である。通常、ブラームスの交響曲はベートーベンのそれのように演奏される。つまり劇的に、力強く、強弱を明確につけるといったことが挙げられよう。ところがフリッツ・ライナーのこのCDは、まったく逆で、実につややかに、緩やかに、そして音が自然に湧き出してくるような感じを受ける。決してぐいぐい引っ張っていくようなところが見られない。しかし逆にこのことがブラームスの狙った曲想を際立たせる結果へと導く。録音も20年前以上とは思えないほど良好で現役盤と言ってもいいほどだ。
フリッツ・ライナー指揮/英国ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
ブラームス:交響曲第4番が大好きで、古くはフルトヴェングラー指揮
ベルリンフィルの神がかりで、熱狂的な終焉を持つ演奏にも惹かれ
ましたが、LP、CD媒体で一番馴染んで多くの時間を聞いて
きた演奏がフリッツ・ライナー指揮の盤でした。
真に自然でよどみなく流れ、少しの誇張も無く、聞き手の心に
寄り添う音楽は、何度繰り返し聞いても飽きません。
人生の最後の時まで大切に聴き続けたいと思っています。
ピエールモントゥ指揮のチャイコフスキー第5番
(1958年1月8日ボストン響スタジオ録音)も、
同様に自然体で聴ける愛好CDです。
第2楽章のホルンソロでは、自然で淡々とした
達観の中に漂う、切ない感情が白眉です。
MIXIのフリッツ・ライナー指揮の愛好曲に投稿するため
詳細情報を収集途上に貴ブログにたどり着きました。
ありがとうございました。