初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

ピアノ協奏曲第3番

2006年09月14日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番です。

ピアノ協奏曲なので、ピアノソロをメインにフルオーケストラがバック伴奏をするという音楽の作りになっています。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲では第5番に次いで、人気のある作品で演奏される機会も多いようです。個人的には3番より4番の方が好きなんですが、一般的には3番がやはり人気のようです。それまでの1番・2番が、ややこれまでの作曲家(モーツァルト・ハイドン)の影響を受けているのかなぁ?と思わせる作りなのに対して、3番でようやくベートーヴェンらしさが出てきた、と解釈されているため3番は注目される事が多いようです。


 第1楽章:何かを恐れているかのような低音の弦楽器から、とても不安そうに始まり
 ます。とにかくビクビクしたように感じるフレーズですね。少しずつやんわりと明る
 さを見せてきますが、全ての不安は拭いきれないようです。そしてピアノ協奏曲なん
 ですが、ピアノが出てくるまでに結構時間がかかります。長い前奏(イントロ)が
 終わると、どっしりとしたピアノが始めは堂々と入ってきますが、やがてテクニカル
 に鮮やかな響きへと変わっていきます。
 小走りで軽快に鮮やかなフレーズが続きますから序盤とは違って、徐々に聴きやすく
 耳触りのいいフレーズが増えてきます。最初のフレーズを所々に入れながらも、軽快
 なフレーズをつないで後半へ向かいます。終盤には協奏曲のお楽しみであるカデンツァ
(アドリブソロ)もありますから聴きどころですね。

 第2楽章:とても静かにポツリ、ポツリと寂しくささやくようなピアノソロから始まり
 ます。そしてフルートの響きと共にやさしくオーケストラが響き渡ると、思わず涙が
 出てきそうな暖かい空気を作り出します。そして再びピアノソロが始まると・・・
 美しいメロディにうっとりと聴き入ってしまいます。やさしくおおらかな雰囲気に
 いつまでも浸っていたくなるような、やわらかいフレーズがいつまでも続きます。
 ベートーヴェンの美しい調べをこころゆくまで堪能できる曲ですね。

 第3楽章:少し焦ったように足早に感じるピアノが、コツコツと歩いているような
 響きで、始まります。オーケストラもそれを促すかのようなフレーズを演奏していき
 ますが、次にピアノが始まると少し明るいフレーズになっています。しかしテンポは
 相変わらず速めですから、若干落ち着きの無さを感じます。しかし、それも曲が進む
 につれて、大きなフレーズも増えてきて、だんだんと盛上がっていきます。ピアノの
 フレーズも後半へ行くほど、ダイナミックになってきます。そして、最後にやはり
 カデンツァがあってラストを締めくくります。
 
ベートーヴェンの変化が現れる一曲ですね。なんとなく試行錯誤をしたように感じてしまうこの曲なんですが、美しいピアノのメロディの2楽章が個人的には大好きです。演奏時間は35分程度と若干長めですが、まあこれくらいなら普通に聴ける長さだと思います。CDではピアノ協奏曲第5番と一緒に録音されている事が多いようです。

≪オススメCD≫
やわらかなクララ・ハスキルのピアノでどうぞ。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番
クララ・ハスキル

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
美しくも崩れそうな微妙な感覚を味わえる曲だと思います。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
驚きました (ラフニーウ)
2007-12-13 12:17:08
1ヶ月前からこの曲を聴き始めて、最初は良さがわからなかったんですけど、この数日良さがわかってきて、はまっています。
驚いたのは、この曲の冒頭のメロディが、交響曲第5番(うんめー)第4楽章主題とほぼ一緒、っていう話を聞いて、慌てて聞き直して、おお確かに似てる! とビックリしちゃいました。
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(うんめー)ですか!? (けい)
2007-12-13 22:47:40
ベートーヴェンの第5番「運命」を意識して聴いた事は無かったですけど・・・、
そう言われると確かにそうかも!?似てる!驚きですね。
この記事にも書いている通り自分ではやっぱり3番より4番の方がお好みですが、せっかくなので、これを機会にもう一回聴きなおしてみます。
(さすがに一ヶ月は聴かないと思いますけど…)
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