エイゾクーソウシツ

絶えず変化し続けるある男の他愛もない詩的空間

テレビを観ながら、本を読む僕は

2006-04-25 01:59:38 | Weblog
えっと、今日は町田康の「つるつるの壷」を読んでいるにもかかわらず、つい癖でテレビを付けてしまいました。
うおっ!住吉さん(NHK)!!ってなわけで暫く魅入っておりました。いいえ、見入っておりました。
その番組は「プロフェッショナル」あの公務員やら企業人の最先端を行く人間にスポットライトを当て特集するやつ。
今回はKIRINのあの炭酸水NUDAを発売に導いた、とあるスタッフが主役でした。
ゲストの名前は「佐藤章さん」KIRINの企画部長さん。

入社当時、群馬にて営業を勤める→成功→東京に配属、企画部に転属→企画部主任に任命→責任感や重圧による仕事に対する憤りを感じ始める→上司の命令によりドイツへ出張→ ドイツのビール工房を見学→当地人より「醸し出す事が大切」とアドバイスを頂く→この体験を糧に働く→部長に昇進、30人の部下を抱える。
とまぁ早足に説明するとこんな感じ。

そうしてそこから現在の仕事場の風景のVTRが流れ、入社7年目の坂○さんっていう力のある企画マンでしかも部下からの信望も厚く、今回のKIRIN NUDAの開発の企画のリーダーを佐藤さんから直々に任されたのです。
しかしこの方もお人好しな上に、仕事も出来るとあって会議の席でも自分を押し込めて聞き手に回ってしまったり、間違いを恐れて発言を逃れたりしてしまうときた。
とにかく、幾度かの会議の末CM撮影の期日が迫ってきた。
(梨花とナイナイの岡村が出てるやつ)
撮影は困窮極め、ようやく最後に(岡村の方で)2テイク撮った内のどちらのパターンを使用するかというところで揉めていた。
片方の出来は少し商品コンセプトから外れている。ではもう一方でと行きたいとこだが、もう片方のテイクでは、岡村の最後の決め顔が見事にブレていたのです。
しかしこっちの方がより消費者に商品のコンセプトが観て伝わる。
撮影時間は圧している。撮り直すかどうかを佐藤部長はリーダーの坂○さんに尋ねた。「(坂○)オマエどっちだ?」
「自分もこっち(ブレた方)の方が良いと思います・・・。」(坂○)
「(監督に撮り直しのお願いをしに)行ってこい。」(佐藤さん)
もとに駆け寄るはいいが、撮り直しをお願いすることに対し後ろめたさを感じてか、なかなか話を切り出せない。 

結局、坂○さんが言い出せないでいるところに監督の方から質問が。
技術担当の男が「オレはこっちの方が良いです。」とブレ村を支持。
「そうしよう!」と撮り直しを決める監督。

坂○さんは再び、黙って佐藤さんの後ろへ回り、ことの終わるのを見届けた。リーダーでありながら最終決断を下せなかった後ろめたさを抱えつつ・・・。

というところでVTRは終了、何だかさっぱりしない終わり方だ。
ところがここで佐藤さんの最後のセリフ。「ぶつかってもいいんですよ、ぐずっててもいいんですよ、ただ、自分からその問題に向かっていく気持ちだけを持ち続けてほしいんです。」
エンディングテーマソングが同時に流れる。

人は必ず壁にぶつかる。それはその人が歩いている証拠。生きている証拠。確かに壁は高いだろうけれども這い上がれる。そのためには悩むことだ。
生来悩み過ぎ、考え過ぎな僕はこの言葉に涙しました。
来週はベンチャー起業家の女性社長、そして秘書はその夫。さてさて、一般的に夫婦での大所帯の企業経営は難儀極まりないとされてはいるがいやはやどうなることやら。

さて、本の続きを読もう。

せっかくなのでこのお二方の努力の結晶とも言える、梨花・岡村のCMを観れるサイトにご案内。話題に上げた岡村の最後の表情の方も観てみてください。
http://www.beverage.co.jp/nuda/


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