朝日杯はここ数年、クラシックと直結しないレースになっている。「フューチュリティ」(将来)の看板に偽りありといえるが、今年は精鋭が揃った。クロフネがフサイチリシャール、アグネスタキオンがショウナンタキオンと、同期のGⅠ馬が第1世代を送り込んできたからだ。ちなみに両馬はラジオたんぱ杯で対決しているが、結果はタキオン1着、クロフネ3着だった。ジャリスコライトの父ファンタスティックライトもJC3着(00年)と、ファンに馴染みが深い。サンデーサイレンス最終世代のダイアモンドヘッドも、鞍上(武豊)が先週の雪辱を期しているはず。この4頭が<第1グループ>として、上位人気を占めるだろう。
マイル適性が試される昨今の傾向を勘案すると、下位人気の馬にも付け入る隙はある。アポロノサトリの父コジーン、ディープエアーの父タイキシャトル、デンシャミチの父サクラバクシンオーはここ数年、名マイラーを輩出してきた。これら<第2グループ>の3頭も争覇圏と考えるべきだろう。
<第1グループ>の中で将来性を感じるのはショウナンタキオンだ。父サンデー、母父トニービンの社台の基幹種牡馬だけでなく、リマンド、パ-ソロンと日本の競馬界を支えてきたサイアーラインに連なっている。クラシック最有力候補とみたが、このレースを久々で勝ち切るほど血は軽くないだろう。少頭数の東京で連勝したジャリスコライトは、ゴチャつきやすいコースに切れ味を削がれる可能性もある。
血統的に朝日杯が勝負なのは、フサイチリシャールとダイアモンドヘッドの2頭だと思う。フサイチはライラプスの弟で早熟タイプ、ダイアモンドは母系からマイルがベストか。<第2グループ>で注目するのはアポロノサトリだ。レースぶりに幅があり、一戦ごとに鋭さを増している。中間の気配がいまひとつと伝えられるディープエアー、使い詰めで上がり目に疑問があるデンシャミチは消すことにした。
阪神JFでフサイチパンドラが連対を果たせなかったように、ここもクラシック向きの資質より、現時点の完成度と器用さを重視する。中山1600㍍は内枠と先行馬が絶対的に有利だ。フサイチの枠番に不安を覚えるが、初志貫徹で本命にする。
◎⑫フサイチリシャール、○④アポロノサトリ、▲①ダイアモンドヘッド、△②ショウナンタキオン、△⑦ジャリスコライト。3連単は⑫固定で<⑫・④・①><⑫・④・①・②・⑦><④・①・②・⑦>の18点。馬連は④⑫、①④、②④、④⑦の4点。
7頭立てのつもりで予想したが、先週のJFは眼中になかった馬が1、2着に入った。今回は当たらずといえども遠からずと思うのだが、果たして……。