弱い文明

「弱い文明」HPと連動するブログです。 by レイランダー

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ガザ自由行進とR・ウォーターズのメッセージ(続・署名にご協力を!)

2010年01月05日 | パレスチナ/イスラエル
 性懲りもなく年を重ねてしまった人類に乾杯。ということで本年も皆様、宜しくお付き合いの程お願い申し上げます
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 さて前回、年末に宣伝したガザに関する声明に絡む話。

 現地ガザは依然としてイスラエル軍による封鎖の元に置かれ、外部からの人・物の往来は著しく制限されている。イスラエルの隠れた方針は──特に隠してないという話もあるが──「生かさぬよう・殺さぬよう(でもできれば死んでほしい)」というあたりにあると思って間違いない。
 端的に封鎖によって、住民を疲弊させることだけが目的だとも思えない。例によってしびれを切らした一部の跳ね返り者達がなんらかの武装攻撃に及び、それを口実に新たな懲罰攻撃を加えることを狙っているとしても不思議ではない。
 結局、この事態は「虐殺」の大きな絵の一部である。比喩でもなんでもなく、ガザ虐殺は、空軍の爆撃を持って始まった一年前のあの数週間の出来事のみを指しているのではない。封鎖によって疲弊させること、“対テロ戦争”の口実を引き出すべく挑発することも含めて、今現在進行している事態の全体が国際法違反の「虐殺」だということを、認識する必要がある。
 残念ながら、日本の大手のメディアの報じ方、報道の量からは、この事態の深刻さを看取することは難しい。この点では現地に程近い欧州のメディアなどの方が、質・量ともマシである。それに伴ってというべきか、封鎖解除を求めるNGOの動きも活発だ。
 その代表的なものの一つとしてInternational Coalition to End the Illegal Siege of Gaza(違法なガザ封鎖を終わらせる国際連合)という寄り合いの組織、中でもコード・ピンクというアメリカの女性達による平和団体が中心となっているという、ガザ自由行進という企画に注目している。エジプトのカイロからガザを目指し、ラファの国境検問所を通ってガザに入る行進という計画だ。
 行進は、今のところラファの手前で別働隊を除く大部分はカイロでエジプトの治安部隊によって足止めを食らっているらしい(1月4日現在)。だが42(43という説もある)もの国々から1000人以上の参加者が一同に会してガザに向かうというだけで、メディアに対するアピールとしてはすでに一つの成果をなしつつあると、僕は考える。
 こちらの運動の模様(12月30日時点)は、TUP-Bulletinでも翻訳紹介されている。
 速報836号 ドナより ファラオよ、私たちを行かせたまえ…どうか…

 これは、エジプト政府がイスラエルの意向に沿って、ガザに通じる「秘密トンネル」を塞ぐ金属製の遮断壁を建設し始めたという恐ろしいニュースとも相まって、近年になくエジプトの出方というものに注目が集まらざるを得ない状況だ。だがもう一つ、僕の場合、個人的にこの動きに特に引き付けられる理由がある。ガザ自由行進のウェブサイトに写真入りで紹介されている著名な賛同者の中に、またしてもかのロジャー・ウォーターズの姿を見つけてしまったことだ。またしても、というのは、この人のパレスチナ/中東との関わりは長く、数年前にも西岸地区の隔離壁を訪れたというニュースを、僕自身のホームページで紹介したことがあるからだ(「「壁」を訪れたウォーターズ」参照)。
 同ウェブサイトに掲載されたウォーターズの賛同メッセージを訳してみた。ジャーナリスト、アクティヴィストというよりは、やはり詩人のものだなあと感じる文体で、それゆえ僕には比較的訳しやすかった(文法的には怪しいので、間違いを見つけた方は遠慮なくツッコんでください)。
 個人的にはそれにしても、こんな形で彼の言葉に向き合うのは、なんとも不思議な心持ちがする。それこそ中学生の頃からピンク・フロイドを聴き始め、かなり早い段階でロジャー・ウォーターズという人間にひとかたならぬシンパシーを抱いた。無論当時は、パレスチナのパの字も知らなかった。そんな自分が大人になって、今頃、パレスチナ問題を通じて彼に出会い直している。かつて抱いていたシンパシーや憧れは今もあるが、それに加えて今はまったく同じ目線の「同志」的な感情を抱いている・・・この不思議な感じ、なんとも形容しがたい。
 先日ウォーターズに関する僕の記事、訳詞をブログで紹介くださった村野瀬玲奈さんへの返礼の意味も込めて、以下に紹介する。


2009年12月27日

 私の名はロジャー・ウォーターズ。合州国に住む英国のミュージシャンです。ガザ自由行進のために42もの異なる国々からエジプトに集まった1360名の男性・女性に対する、大いなる賞賛の気持ちと連帯を表明するために、これを書いています。
 私たちは皆、目の当たりにしました。1年前イスラエル軍がガザの人々に対して行なった、愕然とするような、悪虐なる攻撃を、そして今なお継続されている封鎖を。
 侵攻と封鎖、両者によって住民にもたらされている苦しみは、壁の外にいる人間には想像もできません。自由行進の狙いは、世界中の普通の、道義心を有する人々の目から鱗が落ちるように、ガザのパレスチナ人の窮地に世界の注意を喚起し、行なわれている犯罪の凶悪さに気づいたなら、イスラエルが封鎖を解除するよう、可能な限りの圧力をかけることをそれぞれの国の政府に要求するような動きを作り出すことです。
 私は“犯罪”の語を使いました。封鎖も侵攻もともに違法であることが、国連加盟国および主要な人権組織によって宣言されていることを、よくよく考えた上で。もし私たちが国際法を遵守できないなら、いくつかの国々だけは国際法の上位にあるという考えを許すなら、野蛮と無秩序の奈落に世界が転落するのに、さして手間はいらないでしょう。

 人種を超えて、皆が兄弟姉妹であり、肩を並べて生きる仲間であり、誰もが法と、国境を越えた人権に守られる未来の建設、それは自分達自身にかかっていると信じる私たちすべてにとって、ガザ自由行進は“灯台”です。生命、自由、幸福の追求は、少数者のための特権ではありません。中東に眠るすべての石油を合わせても、一人の子どもの命とさえ、引き換えにする価値などないのです。
 行進するあなたがたに、私は挨拶を送ります。あなたがたの行動は勇敢で気高い。ゴールに辿り着いたなら、パレスチナの兄弟姉妹に伝えてください。あなたたちを取り囲む牢獄の壁の向こうに、何百何千の私たちが連帯のもと立ち尽くしている。そして今日何百何千である私たちは、明日、何百万にもなる。
 私たちは勝利する(We Shall Overcome)。 
ロジャー・ウォーターズ

(原文はここ

☆記事を読んで興味を持たれた方は、賛同署名にもぜひ参加してください。今現在8000名程度で、国際規模の署名にしてはちょっと盛り上がりが足りない気もします。
 同ウェブサイト上部の「Endorse Now!」または左フレーム内「Endorse Our Call」のリンクから、署名のページに行けます。
 中段の記入欄、名前・姓・メールアドレス・Zip/Postal Code・国籍は必須です。 Zip/Postal Codeのところは都道府県名か郵便番号かどちらかを書けばいいようです。
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11 コメント

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新年明けました (ところ)
2010-01-06 21:47:04
まずは今年も無事「弱い文明」の記事を読めることを喜びたいと思います。

昨年は偽者も登場し相変わらず下らないことをする輩もいるものだと実感させられました。奴等には今年こそ生産的な批判を期待したいところ…というのは無理なんでしょうね。

巷の話題はガザよりも景気というのは致し方ないのでしょう。でも本当は景気を良くするだけじゃなくてセーフティネットの再構築のほうが大事なんじゃないかと思います。小泉改革でも規制緩和とセーフティネットの整備は改革の両輪だったはずなのですが、景気が良くなった途端片方が抜け落ちてしまった。その政府の無策ぶりを覆い隠したのが「自己責任」であったことは言うまでもありません。今後は男親が養う前提の制度設計からの脱却が鍵になると思いますが、民主党政府の間でどれだけ道筋を示せるのか注目していきたいと思います。

ガザ危機についての日本のメディアの立ち位置は普天間基地の移設問題と似ているような気がします。政府もメディアも誰かさんの顔色ばかり窺っていてスタンスが定まらないのが問題なのでしょう。まあそれでも毎日は年初に割とマシな記事を載せているかなと感じます。

日々の何気ない活動がやがては世の中を動かすと信じて、今年も一年やってきたいと思っています。
>ところさん (レイランダー)
2010-01-07 23:00:59
お忙しい中、いつも読んでくれてありがとうございます。

世の中にいろいろな問題がある中で、大事なことは何か?というと、全部大事なわけです、当たり前に。ガザから普天間が見えるし、普天間からガザが見える。丸い地球には片隅はないわけです。
本当は誰より自分の書くものに欲求不満抱えているんですけど、結局はできることを淡々とやるほかない、と毎年初めごろに腹をくくってるレイランダーを、今年もどうぞよろしく。
こちらこそ (ところ)
2010-01-08 01:09:11
ガザからチベットが見えるし、チベットからガザが見える。
けど、淡々とチベットのひとことも入れずにやるしかない。
書かなければなかったことにできる。
チベットもNGワード登録すればすむことだよね。
>こちらこそ (レイランダー)
2010-01-08 10:45:55
ニセところさん、早速どうも。

このブログは開始以来一度もNGワードを登録してませんよ。どんな言葉も使用OKです。気が向いたら反論するし、しなけりゃ削除するだけのことですから。

あなたが、またあなたの同類のネット・オナニストたちが、チベットに言及することで何かこちらの鼻をあかした気になっているなら、こちらはなぜあなた(たち)がチェチェンや、イラクや、アフガニスタンや、ソマリアや、スリランカや、コロンビアや、スーダンや、イランや、メキシコや、同じ中国でも漢民族の被抑圧者や、あるいはアメリカや僕らの国の被抑圧者に言及しないのか、聞き返すことだってできる。
僕にはチベット問題に関わっている知人だっています。そういう人が、パレスチナに関わっているこちらに皮肉を言うなんてことはありえません。チベットに限らず、本当に困難な問題を何とかしようと奮闘している人は、自分とは別のテーマで頑張っている人のことを、同志のように感じて敬意を表することはあっても、「俺とお前は関心が違う、だからおまえは敵だ」なんて発想を抱くことはないんですよ。
結局、僕のブログあたりでチベットチベットって騒いでる限り、チベットに対して何も本気で貢献する意思のないことの証明にしかなっていない。それは何よりチベット支援運動にとって、不幸なこと。

ご参考までに(ニセところさんのご参考にじゃなくて、他の人たちに)、こういう視点もあるということで。
「チョムスキー チベット問題を語る」
http://www1.gifu-u.ac.jp/~terasima/Chomsky.Olympic080325.pdf

またですか (ところ)
2010-01-10 02:56:24
こういう時にチョムスキーとか高橋哲哉とかの名前出して教養でもみせびらかしてるつもりかねぇ。
それじゃ、右で言うところの、西尾幹二とかの名前出して喜んでるような連中と同じだろが。
チョムスキーって誰よ? 言語学者のことならよくなら知ってるが。だから何?
そういうときは、左翼界隈で少し前に流行ったMハートとかAネグリとか出すもんだろ。
でもな、君には難解かも知れないけど、アレントあたりからしっかり勉強しな。
そしたら、論敵はどいつもこいつもネットオナニストなんて勝手な妄想を披露して相手をギャフンと言わせたつもりになってることがどれだけ恥ずかしいことか分かるだろうさ。

あとね、雨宮とか出すなよ、小林よしのりで目覚めちゃったネトウヨさんと同レベルなことがばれるからさ。
いや、もうバレてますけど。
年末あたりに (うろこ)
2010-01-11 01:52:03
こんにちは、あけましておめでとうございます。賛同署名の紹介ありがとうございます。
実は年末だったでしょうか、テレビのニュースで「イスラエルでパレスチナ人の高速道路の使用の許可を認める」というのをちらりと見たのですが…ガセでしょうか?それとも「一部だけ」とか「期限付き」みたいなものだったのでしょうか?「少しでも良い方向に向かってくれる予兆だったらいいのになあ」と思っていたのですが;
>うろこさん (レイランダー)
2010-01-12 10:39:13
件のニュースは知りませんでしたけど、調べたら載ってました。ガセではありません。

http://asyura.com/09/warb2/msg/443.html

ただ、裁判所が判決を下しても、軍がそれに従って動くとは限らないのが占領パレスチナの常態なんです。たとえばビリン村その他の隔離壁にしたって、イスラエル最高裁で「違法」との判決を勝ち取ってるんですが、軍は撤去なんてまったく考えてない。どころか、弾圧の姿勢を増してるわけです。
この道路の通行に関しても、パレスチナ人の「使用権」は認めても、チェックポイントで個別にパレスチナ人を通さなければ、結局使えないまんまでしょう。そういうことなんですよ、占領って。

今年もよろしくお願いします。
>ニセところくん (レイランダー)
2010-01-12 10:44:35
しつこいよ、ニセものさん。そうやって人の名を騙って嫌がらせをしてる時点で、ネット・オナニストぶりをバッチリ露呈してるってことになぜ気づかないのか。不思議なメンタリティだと思う。

またハートだのネグりだの、いわゆるアカデミックな名前を引用すれば「教養」があるなんて発想は、いかにも世の中を知らない学生のもの。人の名前で自分の発言に箔を付けたいっていう、深層意識のゆえなんだろうね。島田雅彦が「教養のないやつほど権威に媚びる」って言ってたのを思い出す。
たとえば俺がチョムスキーを引用したのは、それが鋭くて、この場にふさわしいナイスな発言だと思ったから、ただそれだけ。少し前に松本人志の発言もリンクしたけど、チョムスキーにしたって松本人志にしたって、言ってる内容に共感できれば、その部分を紹介したりするわけよ。ただそれだけ。

反論するなら、チョムスキーとかいう名前はほっといて、その内容に反論すればいい。
でも、それはしないんだよね。そういう教養。君のは。衣だけの天ぷら。

これからも雨宮の名前出すよ。名前が好きなわけじゃなくて、言ってることややってることが好きな人だから、必要に応じてそうするんだよ。
君も必要に応じて好きな人の名前出せば?君の天ぷら教養がええかっこできる、ネット界のどこかでね。
また出たな… (ところ)
2010-01-12 23:28:58
またまた新年早々偽者が出てしまったようで。
もう改名したらよいのか、
ちょっと迷ってしまいます。

それにしても偽者野郎はレイランダーさんの記事を読んでないんでしょうね。
私にはここまで関係のないことは書けません。
>また出たな… (レイランダー)
2010-01-13 14:06:56
ところさん、すいません。これはむしろ僕が悪いんです。迷惑しているのはところさんなんで、本当は反論のためにコメント取り上げること自体やるべきじゃないんですよね。
今後はニセものは発言内容に関わらず、一切表示を拒否しますのでご安心を。
ありがとうございます (うろこ)
2010-01-14 22:29:06
情報ありがとうございます。載ってたんですね。一応検索してみたんですが、ひっかからなくて;(方法が悪かったんですね;)
>裁判所が判決を下しても、軍がそれに従って動くとは限らない

そうですか…日本でも似たようなことが起きてますもんね。
イスラエルで「沈黙を破る」の活動をされている方がいらっしゃるように「おかしい」と思っている人はいても、それが実際の動きになるとは限らないんですよね…でも、少なくとも「司法の一部」は一応まともな判決しているんですね。けれど、そんな判決でたって何も変わらなければパレスチナの人達にとっては「口先だけ」ですよね…

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