弱い文明

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EZLN・マルコス副司令官のガザについてのスピーチより

2009年01月28日 | パレスチナ/イスラエル
(写真は当該スピーチの時のものではありません)


 メキシコ・チアパス州を拠点に自治活動を進めるEZLN(サパティスタ民族解放軍)のスポークス・パーソン、マルコス副指令官が1月4日、約1年ぶりに公に姿を現し、聴衆の前で演説を行なった。それは、ガザの情勢についてのものだった。
 それを知ったのはいただいたトラックバック先のエントリーで、薔薇、または陽だまりの猫に掲載されている訳文を見つけたことによる。日本人の有志の方がメーリング・リストにて訳してくれたその文章の原文(英語)は、メキシコのKristin Brickerというジャーナリストのブログに掲載されたものだ。もちろんマルコスが実際にしゃべったのはスペイン語で、そちらの原文はブログのコメント欄、下の方に掲載されている。
 ともかく読んでみて、とても大切なことを語っている文章だと感じたので、こちらで紹介することにした。

 読む人によって印象は違うだろうが、僕としてこの「蒔くことと刈ること」と題されたスピーチは、「あのマルコス」だけに何か特別に冴えたことを言っている、というほどのことはないように思う。むしろ彼自身(あるいは仲間のサパティスタたちも含めて)、パレスチナ/イスラエル問題について特に詳しいわけではないので、自分の見方は的外れなところがあるかも知れないとくり返す、その謙虚さが印象的だったりする。実際には的外れなことなんか全然ないのだが。
 ただ、僕が自分のブログでこれをあえて紹介したい、あるいは強調したいと思ったポイントは、いわゆる現地情勢の分析にあるのではない。僕が感動したのは、この暴虐に声を上げることに何か価値があるのか?という問いに、それは「ある」と──哲学的な考察の果てに「ある」とするのではなく、同じく虐げられた者として抵抗しなければならなかった、メキシコ先住民の経験からダイレクトにそれを「ある」と言っている、その部分なのである。このスピーチはチアパスの内輪の群集に向けてなされたものらしいが、丸い地球には「片隅」はないと言うマルコスのこと、普遍性を強く意識している(毎度のことながら)。
 転載はその部分の抜粋という形にしておく。全文は上記薔薇さんのブログで読んでほしい(*注1、2)

*注1 文中のZapatistasを「サパティスタ」に統一するなど、細かい点で多少語句を修正させてもらった。
*注2 この抜粋には含めなかったスピーチ終わりの方の箇所について。薔薇さんのブログ掲載の本文では、英語原文の「from up there above」を「自爆攻撃をした者達が天に昇ってそこから」という風に訳されているが、おそらくこれは違うだろう。ここの主語theyはパレスチナ人の自爆者を指すのではなく、悪いのはシオニズムか、反ユダヤ主義か、ハマースの爆弾かを議論することに明け暮れる外部の人達を指していて、その彼らが自爆者たちの死を高みから見下ろして、というニュアンスの表現だと思う。訳が間違いというより、原文がそもそも間違っている(言葉が抜けている)のではないかという気がするが。

2009年1月4日 マルコス副司令官演説より抜粋

・・・・・
我々の考えることは非常に単純かもしれず、また我々は
専門家の様々な意見にお決まりのニュアンスや注釈を欠いているが
我々サパティスタには
今の事態はプロの軍隊が
自衛の手段もない集団を殺しているように見える

社会の下方にいる者や左派なら黙っていられるだろうか?

何か言うことが役に立つだろうか? 
我々の叫びはたったひとつの爆弾だって止めるのか? 
我々の言葉はたった一人のパレスチナ人の命だって救えるのか?

「そう、それは役に立つ」と我々は思う
たぶん、我々はひとつの爆弾だって止められないし
また我々が何か言うとしても
その言葉が鎧になって
(イスラエル兵士の持つ)銃の弾倉の土台に刻んである
「イスラエル軍事産業」を表す「IMI」の文字が彫られた
5.56ミリや9ミリ口径の弾丸が
少年少女の胸から外れることにはならないだろう

しかしおそらく我々の言葉は
メキシコや世界中の人々と何とか力を合わせさせ
そしてまたおそらく
最初はつぶやきのように聞こえても、その後大声となり
さらにはガザの人々が耳にする叫びとなる

あなたたちのことを何も知らないが
我々EZLNのサパティスタは
破壊と死のただ中で
励ましの言葉を耳にすることがどれほど重要かを知っている

どう言えばいいのか
しかし遠い地からの言葉とは
爆弾を止めるものではないかもしれないが
それでも確かに 死の暗闇に割れ目が生じ
一筋の明かりが差し込むようなものだと知っている

その他すべてについていえば
戦争につきもののことが今後起こるだろう
イスラエル政府はテロリズムに大打撃を与えたと宣言し
自国民にパレスチナ人虐殺のすさまじさを隠し
兵器製造の大企業がこの金融危機に立ち向かう経済的支援をもらっており
そして常に流行の、あの順応性ある「世界の大衆の意見」は
かの地に背をむけてしまう

が それだけではない
パレスチナの人々はまた抵抗し生き抜いて闘争を継続し
自分達の大義への共感を
世界の「下方」にいる人々から受け続けるのだ──
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