長い闘病の末、22日に乳がんで妻の小林麻央さん(享年34)を亡くした歌舞伎俳優、市川海老蔵(39)。この1週間、涙ながらに会見し、舞台を勤め上げ、子供たちを支え、気丈に振る舞ってきたが、ここに来て変化が現れ始めている。専門家は、この1週間が一番気をつけなければならないと指摘する。

 海老蔵は麻央さんの死後もブログで身辺を伝えている。しかし1日に20回近く更新する状況に、27日には「居ても立っても居られないとき、私はブログが1つの支えになってます」とつづった。

 26日には、日本テレビで放送された追悼特番を見ながら「まお、あいたい、あいたいよ」とぽつり。さらには長男の勸玄くん(4)が朝、突然泣き出すなど、母親を失ったことに傷ついていることに途方に暮れる心境も明かしている。

 気丈に振る舞ってきた海老蔵だが、麻央さんの密葬が営まれた26日前後から、自身にも変化が現れているのだ。

 こうした変化について精神科医で日向野クリニック院長の日向野春総氏は「喪失感」を挙げる。

 「闘病生活の長さにかかわらず、大切な人を失うと喪失感が生まれる。そして、それが『なぜ自分がこんな思いをしなければならないのか』という怒りに変わる。アルコールなどに逃げるケースもあるが、一番いいのは泣くこと。海老蔵さんも会見で涙を流したことはよかった」

 ただし、危険なのはこれからだという。「生活上、うまくいかないことや、これまでと違うことが出てくるようになり、それがうつへとつながっていく」

 その期間は「人それぞれだが、1週間から10日で出てくる」。症状は「頭の回転が悪くなり、集中できなかったり、記憶力が落ちたりする」とされる。海老蔵も次の舞台の台本がなかなか頭に入らないとブログでつづっているが、日向野氏は「兆候かもしれない」と危惧する。

 こうしたとき、どう対処すればいいのか。

 「本来なら仕事を1、2カ月は休むように指導するが、彼のような立場ではそうもいかない。こういうときは新たな演目に挑戦したくなるものだが、記憶力が落ちているので自信を失うおそれがあるので、得意な演目をするほうがいい」

 そして周囲にも注意を呼びかける。「まず表情がなくなってくる。活気があるときは目が活発に動くが、目が動かなくなると要注意。体の動きもぎくしゃくし、つまずいたりするようになるので見逃さないでほしい」

 そして、何よりも「子供のことなど、父親としての思いもあるだろう。今まではそうした思いを妻が聞いてくれていたが、その人を失ったのだから、無理をせず、早く白旗を挙げて、手助けを求めることが必要」としている。