2018年はM7超大地震が「今年の3倍」発生することが判明! 米科学者「地球の自転が遅くなっているのが影響。過去データも」
画像は「Daily Mail」より引用
今年もメキシコ地震、中国・九寨溝地震、イラン・イラク地震、チベット自治区での地震などM7クラスの地震があちこちで発生したが、来年はさらに多くの地震が世界各地を襲うと科学者らが警鐘を鳴らしている。英紙「Daily Mail」(20日付)が報じている。
米コロラド大学のロジャー・ビルハム氏らによると、今年は現在までに6つの深刻な地震が発生したものの、「比較的イージーな年だった」とのこと。それというのも、2018年は今年の3倍、20ものM7超地震が発生する見込みだというのだ。
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ビルハム氏らによると、地震活動の活発化は自転の減速と強い相関関係があるという。どういうことだろうか? ご存知のように地球は完全な球体ではない。自転によりそれまで回転方向に引っ張られた楕円形をしている。つまり自転が遅くなればなるほど、回転方向に引っ張る力が弱まり、赤道半径が短くなっていく。ところが、たとえ地球そのものの形が変化しても、地下に埋まっている構造プレートのサイズは変わらない。このミスマッチが地震を誘発するというわけだ。
「地球の自転と地震活動の相関関係は強いため、来年は強い地震が多数発生することでしょう」
来年は月の潮汐力の関係で地球の自転がわずかに遅くなると予測されている。遅延は、1日に100万分の1秒程とのことだが、ビルハム氏らによると、それだけのわずかな違いでも地震活動には大きな影響力を持つという。もちろん、潮汐摩擦(潮汐によって海水が移動する際、海底との間に生じる摩擦力)による自転の減速は珍しいことではないが、減速速度は一定ではない。
また、ビルハム氏らが20世紀においてM7超地震の発生が25~30%増加した5つの時期を特定したところ、この時期は自転の減速と軌を一にしていたというのだ。特に赤道に近いカリブプレートでは、1990年以来起こったM7超の地震の80%が、自転の最大減速から5年以内に起こっており、来年から5年間は30ほどの強い地震が起こる恐れがあるという
一方、自転と地震活動の相関関係に懐疑的な地質学者もおり、彼らによると、確かに地震活動が特に活発な時期は過去100年間にあったが、他の要因がより強く関係している可能性があると指摘している。とはいえ、いつか地震の完璧な発生原因を突き止められるとしても、現状ではビルハム氏らの研究が魅力的に映る。最大の地震は赤道に近い熱帯地域で起こる可能性が高いとのことだが、かといって日本が安全ということではない。赤道に近い九州地方での大地震の発生を懸念する声はすでに日本の科学界の中でもある。来年は今年以上に警戒しておいた方が無難だろう。いざという時のために、今から防災用品をしっかり備えておきたい。