昨日うさみ氏と会ったら、「ブログ更新て『40日間サボってた』っての以来、止まってない?」との思いがけないお言葉。違います! ここに越したんですってば!
というわけで、まだブックマークやアンテナを変更していない方、よろしくです。
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ちょっと時間が経ってしまいましたが、pele-mele経由で読んだ「性別に言及されないことの幸せ」に触発されて、以前からなーんとなく思っていたことを書いてみます。
企業社会というところには、デキなかったり、ええからかんで無責任だったり、実力と不釣合いに尊大で傲慢だったりするおじさまたちが、それこそ掃いて捨てるほど生息しています(おじさん改造講座が原則ノンフィクションだというのは、かえすがえすもおそろしい)。生産性を阻害し、経営的・経済的に非効率なこれらの皆様方を、どうして企業なり企業社会はそれなりのコストを掛けて「飼ってる」のだろう、そういう疑問をずっと以前から、強く持っていました。しかし、この渋谷さんの記事を見て、うすうす感じていたことがついに像を結んだ感じです。そう、それは「男だから」なんですね。
彼らの世代(指しているのは50代半ばから上です)が就職した時代の採用環境を考えれば、その時点では「男であったから」採用された、という人が山ほどいるのは確実です。その後、確かに就労環境は女性に平等な門戸を開く方向で徐々に変わってはきました。しかし、彼らの世代の就労人口構成に限って言えば、当然ほぼそのまま持ち上がりになっていて、一方で年功序列的な賃金・昇進制度はそれほど急激には変わってこなかったので、下の世代(とくに女性)に地位をおびやかされることもなかったと思われます。その結果として、世代単位で切り取ったときに彼らの世代の「文化」は往事のまま温存されている――それが前述の状況の背景ではないかと考えます。それこそ、年功序列を完全にひっくり返して、若い世代の女性が彼らの上司になるくらいでないと、「男なので」安穏と暮らせているダメおじさんは、変革を迫られないわけですが、しかしご存じのとおり、そこまでやっている企業は今でも少数です。
ということは、マクロ的に見れば日本の企業社会はまだまだ、使えない人々に高い給料を払い続けるという「高コスト構造」を潜在的に抱えていることになります。それでいて一方ではリストラが進み、企業業績が回復してるっていうニュースが流れています…何かがおかしいと思いませんか? そう、リストラは誰がされているか。それは、派遣やパートへの置き換えであったり、アウトソースという名による低廉外注化であったりするわけですよ。そのターゲットになっている圧倒的多数は、女性、若者、そして非高学歴層です。表向きの景況回復にかくれて、深刻な3つの「ディバイド」が進んでいることを非常に懸念します。性差ディバイド。世代ディバイド。学歴ディバイド。これらの周縁には、さらに安価なアウトソーシングの結果として「国籍ディバイド」も発生しているはずです。
どうでしょう。こういうことに、皺寄せを受けている当事者が気づいていないとは思えないんです。たとえ感覚的にせよ、なんか割食ってると思っているに違いないだろうと。しかし、それが具体的な解決のための議論のテーブルに乗らない限り、感情的なバッシングが暴発するという不毛な事態の芽はつねにかくされていると思うんです。どうでしょう、ここはひとつ、50代の皆様方に一仕事してもらうという考えは? そうです、今の30代から下の世代の労働力構成がイビツにならず、適度な流動性をもって、誰もが再挑戦の可能性のある、そうした活力ある労働環境と社会システムを構築していただくんです。この上数年後からはしっかり年金が支給されるのですから、このくらいの仕事は決して重荷ではないと思います